一昨年の今頃。
台風21号が大阪にやってきた。
たまたまその日はアポイントもなにもなく私は自宅件オフィスで台風が過ぎ去るのを待ち続けていた。
もちろんアポなんかあったとしてもすべてがキャンセルになっていただろう。
台風21号は真っ昼間の大阪を縦断。
その間、猛烈な暴風が吹きまくり、2階建てツーバイフォーの我が家は地震にあったかのように振動を繰り返した。
堺にある実家のマンションは鉄筋コンクリートだし窓には雨戸シャッターも付いているので少々の暴風でも大丈夫と思っていた。
でも揺れる度に頭を過ったのは「ブーフーウー 三匹の子豚」の歌で、藁でできた家、木造の家、レンガの家が頻繁にイメージとして浮かび上がってきたのだった。
暴風雨で揺れる家の中で幼児のときに見ていたNHKの「おかあさんといっしょ」の「ブーフーウー」の歌を半世紀も経過した今も覚えていることに驚たものであった。
我が家での被害はトマトが全部倒れてしまったことと、外壁の巾木の一部が少し傷ついたことなどを除けば軽微だった。
しかし近くの国道を挟んだ向こう側の町は停電。
復旧するのに3日かかった。
パチンコ屋の看板はぶっ飛び、コンビニの扉のガラスは破壊され、信号は「どこ向いているの?」という状態で街中、飛ばされた屋根瓦の破片や倒木、倒電柱などで大変な状態になっていたのだった。
何よりも凄かったのは関西空港が昨日不全に陥ったこと。
その期間2週間。
完全にもとに戻るのに半年ほどかかった。
実に大変な台風なのであった。
その台風21号の勢力を上回るであろう台風10号が沖縄から奄美、九州に近づきつつある。
中心の気圧はなんと910hPa。
最大瞬間風速は85m/sを超える可能性があるということで、これは時速に直すと約300km/s。
新幹線のぞみ号と同じなのだ。
九州の西側を通過するので私の住む関西地方はあまり影響がないように思うかもしれないがなんといってもスーパー台風。
東側の暴風圏は半径500km。
関西でも影響を受けるのは明らかだ。
現代の科学では予想はできても向きを変えることはできない台風。
来なくていいのに来てしまうのが困ったところだ。