平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

初春の山

2025-04-02 08:56:32 | 短歌・詩

初春の山

後山にのぼる。
春空靄として四山かすみたなびき、争はれぬ春となりぬ。
海はゆらゆらとして空と一つに融け、練れるがごとき水の面に、富士の白雪ちらちら流れぬ。漁舟かもめよりも小なり。
村々はまだ冬枯れのままなれど、かすみ低う地にはひ、春四方に満てり。鳶一羽悠々として山下に舞ふ。
がけ、畑の畔、いたるところ蕗の薹青く萌え、榛の木などはすでに垂垂の花をつけ、春蘭も早きは咲きぬ。
枯れ草、枯れ葉の間より、春は簇々として萌えつつあり。

(徳富蘆花)


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