平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

地球は寒冷化する

2008-08-12 00:37:05 | 地球温暖化
「太平洋10年規模振動(PDO)の温暖モードから寒冷モードへのシフトにより、今後30年間、地球は寒冷化する」という衝撃的なタイトルの論文があります。英文です。1次資料が好きな方は、ぜひ原文を読んでください。
http://icecap.us/images/uploads/WashingtonPolicymakersaddress.pdf

英語が苦手な方のために、toroomさんの翻訳を紹介します。
http://toroom.ti-da.net/e2220945.html(’’’奇妙奇天烈###奇奇怪怪’’’)

コピペ(一部修正加筆)ここから---

西ワシントン大学教授 Don Eastbrook博士によると温暖化は終了したという。PDOが warm mode からcool mode へと移行したことで、地球は今後25年から30年の間、寒冷化することが確認されたことになる。これは、過去30年続いた温暖化が終了したことを意味する。NASAのwarm mode からcool mode へと移行したとする 報告(Fig. 1) は順当なもので、過去の気候及びPDO変化から予想されるスケジュールに沿ったものといえる。決してIPCCが予想する温暖化を糊塗するようなものではない。これは将来に対する重要な指標であり、また、今後、地球の温度が0.6度上昇すると予想している IPCCの気候モデルは誤りであったことを示唆している。

Figure 1. 【画像上左】は、2008年4月14日-21日にかけての太平洋上の海面温度のバラツキを示している。これは、衛星Aqua(NASA)搭載のEOSが計測したここ最近の温度と、衛星Pathfinder(NOAA)が1985–1997年にかけて収集したデータの平均とを比較したものになっている。太平洋上の普段より冷たい場所は青、温度が平均の場所は白、普段より暑い場所は赤でそれぞれが示されている。表中央部の冷水のバラツキは、古いラニーニャの痕跡がその年まで及ぼした影響を表示している。しかし、アラスカを頂点に緯度を4分の1下った北アメリカ沿岸にそってのより広いエーリアは、(ラ・ニーニャによるものではなく)PDOがもたらす典型的な特徴である、cool mode の側面といえる。平均温度以上の温水が作る核の周りを、寒水が馬蹄形に渦を巻いている。(warm mode では、その逆である)。エル・ニーニョやラ・ニーニャといった、3-7年周期に発生し、6-18ヶ月続くといったものとは違って、PDOは20-30年の間、同じ状態であり続ける。

地球の温度は、今世紀10年の間に、0.6度上昇するという IPCC の気候モデル(Fig 2)【画像上中】の予言と違って、実際は、過去9年の間に温度はゆっくりと下がり、今年は0.6度以上下がった。過去10年に渡る地球の低温化は、PDOのcool mode が示す地球低温化の傾向と、大西洋上でのそれに似たシフトとに起因するものであろう。IPCCが予言する、2011年までに地球の温度が0.6度上昇するには、この3年で約0.6度の気温上昇が必要とされるだろう。仮にそうならなかったならば、IPCC の気候モデルは破綻をきたすこととなる。
前世紀に渡りPDOが歴史的に示したパターン(Fig. 4)【画像下】、及び、温暖化と寒冷化が交互する、そのパターンは、これから25年から30年続く、現在進行中の温暖化から寒冷化へのサイクルの一部である。PDOモードが温暖化から寒冷化、あるいは、寒冷化から温暖化へシフトするたびに、地球の気候はそれに沿って変化してきた。1977年に寒冷化から温暖化へ移行した時のPDOは(Fig. 4)、その年から1998年にかけて地球を温暖化へと、切り替えてきた。それは〝大気候変動"と呼ばれた。また最近、PDOモードは温暖化から寒冷化へシフトしたが、この移行に類似したシフトに、1940年代中葉に発生した寒冷化がある。むこう30年の間、地球は寒冷化した。あるいはまた、1915-1945年にかけて起きた地球温暖化も、PDOモードのシフトがもたらしたものだった。いずれにせよ、これらの指標は 前世紀に繰り返されたPDOパターンと、これから30年、寒冷化へと向かう地球とが、地続きの関係にあることを示していよう。まー、とにもかくにも、1977年以来地球が経験してきた温暖化は終わろうとしているのだ!

ここまで---

どうです。面白い論文でしょう。
でも、貼付画像の上右図はすこし怪しいですね。