全英連参加者のブログ

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やがて海へと届く

2022-04-09 04:00:00 | 全英連参加者 2022

「やがて海へと届く」ポスタービジュアル 引っ込み思案で自分をうまく出せない真奈(岸井ゆきの)は、自由奔放でミステリアスなすみれ(浜辺美波)と出会い親友になる。しかし、すみれは一人旅に出たまま突然いなくなってしまう。あれから5年、真奈はすみれの不在をいまだ受け入れられず、彼女を亡き者として扱う周囲に反発を感じていた。

 ある日、真奈はすみれのかつての恋人・遠野(杉野遥亮)から彼女が大切にしていたビデオカメラを受け取る。そこには、真奈とすみれが過ごした時間と、知らなかった彼女の秘密が残されていた。真奈はもう一度すみれと向き合うために、彼女が最後に旅した地へと向かう。


 予備知識ゼロで
 フラットに...

 主人公真奈(岸井ゆきの)
 内向的で人見知りの印象、すみれとは大学入学直後に出会っている。新歓コンパで二人の距離は一気に近づく。
 真奈は大学卒業後レストランバーで働いている。

 親友すみれ(浜辺美波)
 真奈に比べると大人びたふるまいができる。でも、実際は背伸びをしている。
 すみれは実家を飛び出して一人暮らしの真奈を訪ね、一緒に暮らし始める。すみれは真奈の部屋を「海の底みたいに落ち着く」と言う。
 1年半が過ぎた頃、恋人の遠野(杉野遥亮)と同棲すると言い出し、出ていく。

 ものがたりは、2人の大学時代から、3.11、そしてその後を描くもの。10年スパンのものがたりだが、時間の経過がややわかりにくい構成だ。原作を読むべきかもしれない。
 基準の時間が、既に過去(3.11から5年後)であることも、ややこしさの理由だろか。


 岸井さんが僕のブログに登場したのは、もう6年も前になる。以降TVドラマ等で見かけることはあったが、劇場の大きなスクリーンでは今回が初めてのことだ。
 真奈は震災ですみれを失い、大きい喪失感を抱えて生きている。すみれの恋人がすみれを失ったことを認め、次の段階に進むことを、やむを得ないことと思いながらも、自分は決着がつかずに悩んでいる。
 レストランバーの店長の死、料理長と訪ねた東北の地での地元の人々との出会いを通して、ゆっくりと再生していく姿が印象的だ。

 浜辺さんは美しくはっきり物を言うミステリアスなすみれの役。実年齢より少し上。何となくだが、はじめて普通の人を演じたのを見たような感じ。普通の人が、3月11日に東日本大震災に遭遇、命を奪われることの理不尽さ、怖ろしさ。それが伝わってきた。
 『キミの膵臓を食べたい』の少女とも、『賭けグルイ』や『約束のネバーランド』の主人公とも違う。浜辺さんのすみれは、どこにでもいそうな普通の人。彼女もそんな女性を演じる年齢だ。


 おそらくいろいろ批判があるだろうなあ。

 ものがたり後半で震災経験を、一般人(の設定)が語る部分がある。ややドキュメンタリー番組のようにになること。
 OPとエンディング近くに、すみれの死を予感させるアニメーションの部分があること。
 新歓コンパのシーンが、真奈目線とすみれ目線でくり返されること。

 一部凡長(ジョウチョウ)かなあと思えるが、全体としては悪くない。


 おもしろそうな女優さんを見つけた。
 真奈たちが宿泊した民宿の娘を新谷ゆづみさんが演じている。
 ’03年7月20日生まれ18歳。『さよならくちびる』(’19年)でスクリーンデビュー。

 『さよなら...』は劇場で見ているので、パンフレットがある。出演者のひとりとして写真付きででていた。でも、申し訳ないが、全く印象がない。
 これからはこの名前がでていたら、要チェックだ。


 本作、上映館がそれほど多くはない。見ておくべき作品だろう。
 (文中一部敬称略)

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