舞台は第1作目から約十数年後、地球からはるか彼方の惑星パンドラの神秘的な世界。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)とパンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)そして、その子供たちからなる家族の物語。 一家は神聖なる森を追われ海の部族に助けを求めるが、その楽園のような海辺の世界にも人類の侵略の手が迫っていた。 |
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またされたねえ
映像の美しさは、前作を完全に超えた。どこが実写で、どこが違うのかほぼわからない。ものがたりはナヴィと家族を築いたジェイクのその後を描くもの。
ジェイクはネイティリとの間に男女2名ずつ4人の子どもを持つ。ネテヤムとロアク、娘のトゥク、グレース・オーガスティンの家で生まれた養女のキリ、そして人間であり、今は亡きマイルズ・クオリッチの息子のスパイダーと平和に暮らしていた。
そんな家族の元に地球人が押し寄せてくる。その中にジェイクに倒されたマイルズ・クオリッチが複製(avatar)として復活、ジェイクたちへの復讐を始める。
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父の仕事は
・・・家族を守ること。
自分の存在が家族と部族の害になる。それを恐れたジェイクはナヴィの村(森)を離れることになる。行く先はサンゴ礁の一族が住むメトケイナの人々のところ。
自分の部族では勇者でも、海に生活の場を移せば赤子同然、よそ者のジェイク一家は様々な困難遭遇する。ジェイクも、子どもたちもそれぞれ苦しい立場になる。あらそい、和解。少しずつ受け入れられていく。そこにマイルズたちが攻め込んでくる。
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スカイ・ピープル(地球人)がナヴィで探すもの
前作ではアンオブタニウムという希少金属。今回は(それに加えて)「タルカン」(地球のクジラに似た姿と生態を持つ生物)から得られるもの。これは殺さないと入手できない。
タルカンとメトケイナの人々は非常に近い存在として扱われ、部族の各メンバーにはそれぞれ「魂の兄妹」と称されるタルカンたちがいる。それがスカイ・ピープルに殺されたことになる。
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舞台はあくまで舞台
どこかの映画レビューにも書かれていたことだが、信じがたい映像である。ジェイク、ネイティリ、子どもたちの表情の豊かな動きには目を見張る。ホントに役者が身体を青に塗り、演技をしているよう見える。
海の美しさ、海中の描写、そこにいる異形の生き物。何だかアノマノカリスのようなものもいた。「アフターマン」の海洋版にも見えた。キャメロン監督の描くものがたり世界には「手抜き」「手落ち」なし。映画のパンフレット+を見ても、静止画ならばまるでラッセンである。でも、その海がジェイクたちの舞台、脇役である。描かれるのは、家族を守りたいというきわめて根源的価値観に基づくものがたりだ。
ものがたりのカギはキリ
演じているのはS・ウイーバー。吹き替え版なので、声、表情がそれを気づかせない。かなり重要な役回りである。
表情にもよるが、アジア系の女性の顔に見える。角度によって、浜辺美波さんに見えた。
2Dでは見ない方がいいと思う。
今回は吹き替え版で見たので、次は別の見方をしたい。
’10-01-11「エポックメイキングな映画」
+文中の固有名詞表記は、「アバター:ウェイ・オブ・ウオーター ビジュアル ディクショナリー」による。