ひとりぼっちだったふたりが出会い、路上から始めてライブハウスをうめるまでの人気を獲得した。
その絆の強さは、ありふれた友情なんかじゃない。ところが、さあこれからという時にふたりが出した答えは──“解散”。いったいふたりに何があったのか、シマとの関係は?
旅を重ねるうちに、歌詞にしか書けないハルの真実と、歌声でしか出せないレオの想い、隠し続けたシマの本音が露わになり、ツアーは思わぬ方向へと転がっていく──。
自分を表現することの素晴らしさと、前を向いて生きることの大切さを描く、青春音楽ムービーが誕生した!
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劇伴(主題歌、挿入歌)の作者、音楽好きが惹かれる部分と、主演の2人を見たい人は違うんだろうなあ... 僕は間違いなく後者。現在最も光っている女優さん。そう確信を持って言える2人だから。
小松菜奈さんの作品を見るのは5作目。前作は「サムライマラソン」(2月)のこと。
門脇麦さんの作品を見るのは4作目。「ここは退屈迎えに来て」(昨年10月)、「世界は今日から君のもの」(’17年7月)、「太陽」(’16年5月)の3作とも、それぞれ別の顔を見せてくれた。
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ハル:久澄春子(門脇麦さん)
レオに声をかけ、音楽を始めさせた。ハルレオの音楽を作り上げている人物。
ハルレオの楽曲の作詞作曲を担当している。
レオ:西野玲緒(小松奈菜さん)
ハルとの出会いはバイト先のクリーニング工場。仕事がうまくできずしかられる。ふてくされているところを、ハルに声をかけられた。ハルに誘われて音楽を始める。
ハルの家で食事をしたとき、涙ぐむシーンがある。それだけでレオの背負わされた、何か重たいものが見える。
2人とも何となくだが、高校を出てから友人(恋人)宅を転々としているような感じ。ひょっとしたら、高校を中退して10代を過ごしていたかのようなキャラクターである。社会の底辺とまでは言わないものの、同年齢の人たちよりは厳しいことを経験しているように見えた。
シマ:志摩一郎(成田凌さん)
元バンドマン、元ホスト。ハルレオのローディーである。
ハルのことを気にかけている。レオから好意を寄せられていることも、わかっている。
メインキャストはこの3人。
レオ → シマ → ハル → レオ
面倒だ、この人間関係は...
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解散ツアーの様子
主に3曲をハルレオはライブシーンで歌う。それが数度ある。ものがたりが進むにつれて、3人の関係性、それぞれの思いがわかると、楽曲が違って聞こえてくる。なんだかとても不思議な感じがした。特に作品タイトルの「さよならくちびる」は、どんどん心にしみてくる。
なお、ハルレオとして、小松さん門脇さんはCDデビューしている。
全国7カ所の解散ツアー
解散を決めたハルとレオ。デュオとしての方向性や、人生観の違い。シマを挟んだ人間関係。レオの男性関係、シマの身に降りかかる災難、不幸。どれか一つ、ちょっとでもうまくいかなければ、解散ツアーも即中止。スクリーンを見ながら、何となく『なんとかツアー最終日まで』と願う自分に気がついた。不思議な感覚だった。
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キャスト感想
小松菜奈さん
タバコを吸い、ビールを飲み、ダメ男に引きずられる役。今まで見た中で、一番すごい小松さんである。
門脇麦さん
やっぱりこの人の存在感は際立っている。
成田凌さん
全く知らない俳優さん。ハルレオ役の2人よりも年上の、30代に見えた。調べたところ25歳。年齢を知り、映画のラストシーンの笑顔を思い出すと、何となく腑に落ちるが、、、ちょっとビックリである。
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ハルレオ(小松さん門脇さん)の歌手としての評価
まず、ハルレオはアコギである。シマがエレキギターで演奏に加わることもあるが、基本的にはアコギデュオのハルレオにちょうどいい歌のうまさ(?)である。
語りかけるような歌いかたと言えばいいかもしれない。
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終わり方は、そう来たかである。ここは賛否が分かれるだろう。やはりそうなるかなと僕は感じた。
☆三つ半かな。