tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

愛してるのサイン(3)

2007-10-19 20:11:59 | プチ放浪 海沿い編
それがまた、ダイビングを再開するきっかけは、一枚の水中写真からだった。その写真には、輝く水面越しの太陽を背に、絵の具を溶いたようなあざやかなブルーの中を黒くシルエットに浮かび上がったオニイトマキエイ(Giant manta: 鬼糸巻鱏)、通称マンタが泳いでいる姿が写っていた。その写真がぼくを痛烈に南の島へ呼んでいた。と書けば、80%ぐらいはウソになる。ダイビングを再開しようと思った本当のきっかけは、あまりにも暇な8月の週末に日帰りで潜ってこようとインターネットで近くのダイビングショップを探していて、とあるショップのHPに「女性スタッフがご案内します」とか、「水中撮影のノウハウをアドバイスします」の文言を見つけたからだ。
一昔前、ぼくがダイビングをしていた事は、ダイビングショップのダイビングツアーは、その店で買った機材じゃなければツアーの参加資格はなかったし、高い機材を無理やり買わされたり、ファンダイブで遊びに行ったのにイントラ(インストラクター)怒鳴られ、怒られまくっていたりが当たり前の時代だった。
今でも、その頃の名残なのだろうか、ダイバー達がちょっとでも勝手なまねをするとすぐに「なぐるぞ」を連発する初老のイントラもいるらしい。たしかに、客の命を預かるイントラ達だ。自分の想定範囲の中でしか、客の安全を確保できないのかもしれない。
ところが、そんなイントラ達から巣立っていった若き女性ダイバー達が、資格を得てインストラクターをやるようになってダイビング業界も様変わりしてきたようだ。なによりも、女性がインストラクターになることで生徒とのコミュニケーションがとりやすくなったのだ。いつまでも物覚えの悪い客に対して、彼女達はいらいらせずに何度でも丁寧に教えくれる。それに、年下の美人イントラに少々きつくお灸をすえられても、何かと言えば感情的になってわめきちらすオジサンのイントラから怒られるほど、へこむことはないだろう。
ダイビングのもう一つの楽しみは、大げさに言えばお互いに命をかけて海の底にグループで潜ることで人と人の間に構築される信頼関係や親近感である。だから、ツアーの夜の飲み会は異様なほど盛り上がることが多い。みんなが本当に友達になれるのだ。もちろん、その夜の宴会に、美人イントラがいればそれは天国に違いない。こんなことは、その昔は夢に近かったことかもしれない。だから速攻で「女性スタッフがご案内します」と書いてあったそのショップにメールしたのは言うまでもないことだ。