tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ワールド・トレード・センター

2007-10-06 22:08:40 | cinema

イスラム過激派によってハイジャックされた4機の大型ジェット旅客機が、アメリカ国内の複数の地上施設めがけ激突したことにより、2973人の犠牲者が出た。アルカイダ指導者オサマ・ビンラディンの犯行を示唆する声明ビデオが2001年12月13日に公開され、また、米同時多発テロから6年にあたる2007年9月11日に、オサマ・ビンラディン容疑者の新たな声明とされるビデオが、インターネットで公開されている。

アメリカの出版界でもっとも影響力のある書評家と言われているニューヨーク・タイムズのミチコ・カクタニは、2001年9月13日の新聞に
「現実のほうが作家の想像力をはるかに越えている」と嘆いたフィリップ・ロスのエッセイを引用し、「この言葉は世界貿易センターと米国防総省に対する9.11のテロ攻撃に対するものではなく、また、ジョン・F・ケネディ大統領や、ロバート・ケネディ、マーチン・ルーサー・キングの暗殺に対してでもなく、さらにベトナム戦争やウォーターゲート事件に対して書かれた言葉でもない。それらはすべて、フィリップ・ロスがそう書いた1961年の後の出来事なのだ」と書いた。
この9月11日の事件について、多くの目撃者と評論家は、彼らの見たものを説明するために過去の多くの映画の場面で説明しようとする。彼女の言う”Language failed this week. ”つまり、言葉を超えるような事件が起きた時、我々は、まるで「ダイハードようだ」とか、「まるでホラー映画のようだ」と他人に伝えることになる。それほど、状況を伝えるには言葉の限界を超えてしまう出来事だったのだ。あの日のぼくは、ニュースステーションから流れるCNNの映像にずっと釘付けになり、「世界はこれからどうなるんだろう」と不安でよく眠れなかった。

この映画、NY港湾警察に勤務するマクローリン(ニコラス・ケイジ)、ヒメノ(マイケル・ペーニャ)らは、ビルに取り残された人々の救助に向かうが、倒壊したビルの瓦礫の下敷きとなってしまう。彼らの救出を願う家族と、極限状態に置かれても希望を捨てなかった人間の真実を描く、実話に基づいたストーリーだ。
人がその終わりに伝えたいことはたった一つ、「自分が誰かを愛していた」ということだ。救出された二人と彼らの妻たちが再会したとき、妻達の口から"Baby"と言葉がもれた。"Honey"でも"Darlin'"でもなく、死と戦って自分の元に返ってきてくれた愛する人は"Baby"なのだ。彼らは、愛する家族がいなかったなら、ずっと早くに生きることを諦めていたのかもしれない。・・・・・・我々は人に生かされている。

事件後、アメリカは対テロ戦争としてアフガニスタン戦争とイラク戦争を行うことになる。