tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

愛してるのサイン(2)

2007-10-18 19:57:32 | プチ放浪 海沿い編
ぼくの手元のオープン・ウォーターのライセンス・カード。一般にCカードと呼ばれるそれの発行年月日は、1989年だ。当時の日本経済は1985年のプラザ合意を引き金として、ドル高による貿易赤字に悩む米国がG5諸国と協調介入したことにより急激な円高が進行。1ドル240円前後だった為替相場が1年後に1ドル120円台まで急伸した。それにもかかわらず、低金利と資産価格の高騰から、消費や不動産関連の投資が膨張したいわゆる「バブル経済」が発生し、1989年はそのバブル経済の真っ只中にあった。今考えても、輸出が大打撃を受けて不況になるべき経済が、どういうはずみでか狂乱の態を示してバブル経済に浮かれ出したのか不思議でしょうがない。とはいえ、世間の金離れに浮かれてダイバーズライセンスを取ったぼくもあちこちの海に出かけていた。
しかし、1992年のモルジブを最後に、ぼくはぱったりとリゾートダイビングを止めてしまっていた。別に、海に飽きたわけではない。ただ、まとまった休みが取れなくなってしまったのだ。もし、ぼくがウミウシやエビ・カニ類、ハゼ類などの撮影を好むカメラ派ダイバーだったら、なんとか休みをやりくりして、週末や日帰りで伊豆半島や伊豆七島に出かけていたのだろう。しかし、ぼくは「マンタ・サンゴ礁・マリンブルーの海」を象徴する南の島の典型的なリゾートダイバーだった。そのためにはどうしても最低5日以上の連続した休みを必要とした。だからダイビングから遠ざかってしまったのだった。また、Cカードの取得からずーっと一緒だったダイビング仲間も結婚やら仕事やらで海に行けなくなってしまった。ダイビングはバディ・システムと言って、万が一の事態に備えて2人のペアで潜る。信頼できるバディの喪失、これも海に行かなくなった一つの理由だ。