山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

唐松岳・不帰嶮(2-3)

2009-10-12 | 北アルプス
ガス

歩いてきた方向を振り返ってみました。
ガスが左から勢いよく吹き上がっています。
見る間に見えなくなっています。


タカネヒゴタイ

足元に小さな花が顔を出していました。
タカネヒゴタイです。
平地に咲くヤハズヒゴタイの高山種で、全体に背が低いです。
アザミに似ていますが、トゲがありません。
高山の礫地や岩場に自生しています。
ヒゴタイとは違う種類です。

クモマミミナグサ

岩陰に群生していました。
クモマとは雲が湧くような高いところという意味です。
葉っぱがネズミの耳に似ているので、ミミナグサという
名前がついています。
花びらは5枚ですが、中ほどまで切れ込んでいるので、
10枚に見えます。

岩場

また岩場がでてきました。
ここもかなり急な岩場です。
両手両足をフルに使って登ります。
ペンキマークがルートです。
落石に注意しましょう。

登山ルート

やっと平らなところに出ました。
「天狗の大上り」にはたっぷり1時間かかりました。
ここから先は尾根歩きです。
ガスは相変わらず右下から上っていました。

歩いてきた方向

歩いてきた方向です。
不帰がすっかりガスに隠れてしまいました。
登山道が細い帯のようにみえます。
もう不帰とは「さよなら!」のようです。

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウが顔を出していました。
あまり開かない花ですが、ここではバッチリ開いて
います。
これほどきれいに開いているのをみるのは珍しいです。
やっと笑顔に会えました。


ウルップソウ

ウルップソウはすっかり花が終わっていました。
日本では北海道の1部と八ヶ岳、それにここ白馬周辺にしか
自生していない高山植物です。
ブルーの小さな花がたくさん咲きます。
昨年、カムチャッカの山に登りに行った時、ベースキャンプの
周辺にたくさん自生していました。
柔らかい感じのきれいな花でした。


登山道

ほぼ平らな登山道です。
石がたくさんありますが、比較的歩きやすい道でした。
しばらくこのような道が続きます。

イワツメクサ

これも夏の花です。
もうほとんど終わりかけていました。
直径1cmにも満たない小さな花です。
花びらは5枚ですが、深く裂けているので、10枚に見えます。
高山の岩場に自生しています。
風に揺れてなかなかジッとしていません。
カメラ泣かせの花です。


クモマスミレ

タカネスミレの亜種でやはり高山に咲くスミレの仲間です。
北アルプスや中央アルプスにはありますが、南アルプスには
ありません。
葉っぱは無毛で葉脈がはっきりしています。
ここ唐松岳周辺に多いとされています。

トウヤクリンドウ

ここにもよく開いたトウヤクリンドウがありました。
開かないでそのまま枯れてしまう花をたくさん見ましたが。
ここではよく開いていました。
花の中をこれほどよく見たのは初めてです。
オシベの姿までよく見えました。


コマクサ

しばらくするとコマクサが現れました。
やはり夏の花なので、もう終わりかけています。
でも何本か残っていてくれました。
地中に根を50cm以上張っているそうです。


コマクサ

礫地や岩場を好んで自生する花です。
「高山植物の女王」と呼ばれています。
唐松岳の登山道でも見かけましたが、ここにこれほど
自生しているとは思いませんでした。
かなり広い範囲に咲いていました。



唐松岳・不帰嶮(2-2)

2009-10-11 | 北アルプス
大きな下り

降りてきたところを振り返ってみました。
かなりの勾配があります。
後ろからくる女性が気になって時々立ち止まって
待っていました。

ハシゴ

今度はハシゴがでてきました。
無造作に置いてあるだけです。
右は絶壁になっています。
高所恐怖症の人には辛いところです。

クサリ場

クサリ場が続きます。
この先が大きく下るようです。
クサリ場は前の人と少し間隔をとったほうがよいです。
相手を焦らせてもいけません。

長いクサリ

かなり長いクサリ場です。
ほぼ垂直です。
ここは多少重くても底が厚い登山靴が有効です。
足に負担がかかりません。

クサリ場

更に大きく下っています。
足場を確認しながら降ります。
ここが一番の難所のようです。
左右が大きく切れ込んでいます。
スリル満点なところでした。

降りてきたルート

だいぶ降りてから振り返ってみました。
10人くらいのパーティは途中で追い抜きました。
秋田からきたといっていました。
上から降りてくるのがわかりますか?
黄色いシャツを着た人がガイドのようです。
この岩場だけをザイルでサポートしていました。
これから登る若い女性が二人待っています。
山で若者に出会うと嬉しくなります。
もっとたくさんの若者に歩いて欲しいです。


登山ルート

再度登山ルートを確認しました。
先ほどすれ違った女性が下のほうを登っています。
大きく尖っている右側が登山ルートです。
上のグリーンのハイマツの上を歩いて右に大きく
回り込みます。
その上の小さく切れ込んだところから左に登っています。
地図では「危険場所」と表示されています。
ここは下りよりの上りのほうが楽だと思いました。


剱岳と立山

遠くに剱岳と立山がきれいに見えます。
右の大きな山が剱岳(つるぎだけ)、左の平らな山が立山です。
更に左に薬師岳が見えます。

登り

全員無事に不帰のキレットを通過し、鞍部で小休止しました。
後ろからきた女性も一緒になりました。
水を飲み、喉の渇きを癒します。
ここが今回の核心部のようでした。
小屋をでてから2時間30分でした。
また登りが続きます。


天狗の大上り

正面に天狗の大上り(地図では大下り)が見えます。
これからあそこを登ります。
右下からガスが湧いてきました。


一峰の頭

登り切ったところに「一峰の頭」と書いた標識が
ありました。
少し平らになっています。

不帰嶮

だいぶ歩いてから不帰嶮を振り返って見ました。
左から一峰、二峰、三峰のようです。
この手前の左は大きく崩れています。
このまま自然崩落が進んだら、消えてしまいそうです。


急な登り

再び急な登りが続きます。
ここは少し、ガレていました。
やはり前の人との間隔をあけたほうがよいです。
落ち着いてルートを確認し、歩きやすいところに
足をおいて登ります。
自分で足場を選んで歩くのも大切です。

ガス

これから向かう方向にガスが湧いています。
山は天気の変化が激しいです。
先ほどまで見えていた山が突然みえなくなることが
あります。
これから先の展望はあまり期待できないようです。


唐松岳・不帰嶮(2-1)

2009-10-10 | 北アルプス
2章に入ります。

二峰の南峰

少し広いところに出ました。
二峰の南峰です。
この手前に三峰があるのですが、いつの間にか
通り過ぎてしまったようです。
ここで小休止です。
太陽がかなり高くなっていました。

ネバリノギラン

すぐ近くにネバリノギランがありました。
もう花は終わってドライフラワーになっています。
葉っぱが黄色く紅葉していました。
花の下を手で触るとネバネバします。
それでこの名があります。
元々花はあまり開きません。


急な下り

唐松岳の頂上で二人の女性と一緒になりました。
同じルートを歩くようです。
後ろをゆっくりついてくるよう話しました。
ここはかなり急な下りです。
時々振り返ってようすを見ました。
二人とも登山暦は長いようです。
足がしっかりしていました。

急な上り

今度は急な上りです。
足元を確認しながら歩きます。
このような場所では浮石に注意が必要です。
日陰に入るとひんやりしていました。

唐松岳

再び歩いてきた方向を眺めます。
唐松岳があんなに遠くなりました。
こちらから眺めるのは初めてです。
ここからの唐松もなかなかよい姿でした。


岩場

岩場に差し掛かりました。
先頭を行く仲間が立ち止まって下をみています。
この先にクサリ場があるようです。
小屋を我々より30分くらい早く出た10人くらいの
パーティがいました。
どうやらそのパーティが通過しているようです。
ここはかなり高度感がある場所でした。

二峰の北峰

確かにクサリがありました。
二峰の北峰と書いてあります。
この先は大きく切れ込んでいます。
向こうの山には雲が下から湧いていました。


八方池

右奥に白く光っているものが見えます。
八方池です。
前日はガスが濃くてこれらの山がよく見えませんでした。
この日はよく晴れていたので、池に映る姿をたくさんの
人が見ていることだと思います。


クサリ場

かなり長いクサリ場です。
二人の女性が降りてきます。
途中で立ち止まって「お尻モデル」になって貰いました。
「ゆっくり慌てないで!」下から声をかけてあげます。


トラバース

大きくトラバースしています。
左は大きく切れ込んでいます。
落ちたらまず助からないでしょう。
岩場は「ゆっくり、焦らない」ことが大切です。


岩場

前を行く仲間です。
ここにはクサリはありません。
手でバランスを取りながら歩きます。
右側が大きく落ち込んでいます。
雨だったら止めたほうがよさそうです。

登山ルート

これから向かう山が大きく迫ってきます。
登山ルートが細い糸のように続いています。
左の稜線が「天狗の大上り」のようです。


不帰嶮(かえらずのけん)

このあたり一帯が「不帰嶮(かえらずのけん)」と
呼ばれているところのようです。
不帰嶮とは「一度足を踏み入れたら、帰ってくることができない
ほど嶮(けわしい)ところ」という意味のようです。
確かにここで落ちたら、生きて帰ってくることはできません。
岩の上は足がやっとかかる幅でした。
気が許せないところがまだまだ続きます。



唐松岳・不帰嶮(1-12)

2009-10-09 | 北アルプス
遠望

唐松に登る途中からの遠望です。
これから歩くルートがよくみえます。
正面奥が白馬鑓のようです。
その奥に白馬岳があるハズですが、
ここからは見えませんでした。

五竜岳

五竜岳です。
どっしりした大きな山です。
五竜山荘は左の鞍部にあります。
右奥に見えるのは鹿島槍でしょうか?

昔、この時期にここ唐松から歩きました。
台風に会い、山荘で2泊して五竜岳に登りました。
休暇日程がなくなったので、遠見尾根を降りて
帰ってきました。
尾根の紅葉がきれいでした。
今度は遠見尾根~五竜~鹿島槍と歩いてもいいと思います。

雲海

右手に雲海が広がっています。
山が海に浮かんでいる島のようです。
右の台形の山は高妻、乙妻、その左は妙高のようです。
雲の上を歩くことができれば真っ直ぐに行けそうです。


唐松岳頂上

前日に引き続き、2回目の唐松岳頂上です。
ここには2つの標識がありました。
この標識は昔からありました。
五竜が素晴らしい姿を見せています。




これから歩く方向です。
正面の大きな山が天狗のようです。
あそこの登りがこちらからでは「天狗の大上り」
向こうからくると「天狗の大下り」です。
どちらをとってもザレているので、気が許せない
ところです。

ケルン

前日にも見たケルンです。
確かに不安定な姿をしています。
これを積んだ人はどんな思いで積んだのでしょう。
剱岳と立山がよく見えました。


剱岳

剱岳をズーミングして見ました。
今年、何かと話題になった山です。
あの映画は残念ながら見ませんでした。
左が剱沢からのルートです。

早月尾根はここからでは見えません。
映画になった長次郎尾根は右のほうにあります。
雪がないと登れないようです。

立山

立山です。
一番左が雄山、大汝山、富士ノ折立と続きます。
雄山には神社があり、ここでお祓いを受けることが
できます。
室堂はこの山の裏側にあります。

注意書き

頂上で充分展望を楽しみました。
いよいよ不帰嶮(かえらずのけん)に向かって出発です。
ここからいきなり急な下りになります。
入り口にこんな注意書きがありました。
間違ってこのルートに足を入れる人はいないと思いますが・・・

登山ルート

下る途中で再度正面を見ました。
ルートがよく見えます。
天狗まではかなりアップダウンがあるようです。
ここから先を歩く人は少ないようでした。

登山道

一度降りてからまた登り返します。
踏み跡はしっかりついていますが、石がゴロゴロした
登山道です。
浮石に注意が必要です。
7人パーティだったのですが、1人が調子が悪いというので
ここから先は6人パーティです。




しばらくしてから歩いてきた方向を振り返ってみました。
正面奥に唐松岳の頂上がみえます。
何人かの人がいるようです。
もうあんなに小さくなりました。


登山ルート

右の尾根にルートがみえます。
天狗の大下り(大上り)までかなりあるようです。
あの取り付きまで3時間くらいかかるようです。
天気は最高でした。











唐松岳・不帰嶮(1-11)

2009-10-08 | 北アルプス
大型の台風が上陸したようです。
被害がないよう祈っています。

剱岳

太陽が沈んだあと、剱岳が赤く染まりました。
空の色も変化しています。
雲海がきれいでした。

空の色

太陽の頭がまだ雲の上に少し残っています。
久し振りに夕焼けをみました。
なかなか平地では見られません。
寒さも忘れて眺めていました。

雲の変化

しばらくすると雲がムラサキ色に変化してきます。
太陽が沈んでからでもこのように空の色が楽しめます。


赤い月

月も赤く輝いていました。
ほぼ満月のようです。
卵の黄身が浮かんでいるようでした。

ご来光

一夜明けました。
朝食は5時20分でした。
丁度食事時間と重なっていました。
ご来光の写真はこれ1枚しか撮れませんでした。
雲海から上る太陽もなかなかよいものです。


朝食

朝食メニューです。
サケがあります。
毎朝、家でも朝は焼き魚です。
昼食はパン類しか持っていません。
ご飯をしっかりお代わりしました。

唐松岳

小屋の前で軽く体操をしていよいよスタートです。
天気はよさそうです。
再び登る唐松岳が朝日を浴びて輝いています。


剱岳と立山

正面に剱岳と立山も朝日を浴びています。
右の高い山が剱岳、左の平らな山が立山です。
この10日後、剱岳に早月尾根から登りました。
頂上まで残り200mの登りがかなり厳しい岩場でした。


薬師岳

立山の左にあるどっしりした山が薬師岳です。
昨年、室堂から3泊4日で歩きました。
なかなか素晴らしい山でした。
一番左に水晶岳とピラミットのような鷲羽岳が見えます。
こうやって登った山が見えると感慨深いものがありました。

剱岳と毛勝三山

剱岳から右の方向に目をやりました。
一番右の山が毛勝(けかち)三山です。
積雪時でないと登れない山だそうです。
夕べはシルエットで見えました。
この奥が日本海です。
月が小さく浮かんでいました。

白い月

月をズーミングして見ました。
ウサギが餅をついているようすがわかります。
平地ではこのように月を眺める機会が少なくなりました。
月や星を見るのも山での楽しみです。

唐松岳

唐松に向かって登って行きます。
何人か頂上に人が見えます。
朝食を食べないで、ご来光を見ていたようです。
朝の気温は5℃くらいでしたが、風がないので寒くは
ありませんでした。


唐松岳・不帰嶮(1-10)

2009-10-07 | 北アルプス

五竜への道

少し五竜の方向に歩いてみました。
いきなりクサリ場が現れました。
このあたりは牛首と呼ばれているところです。

雲の上

この先にもかなり長いクサリ場が続いています。
ここから五竜山荘までは2時間30分くらいです。
途中に大きな岩場の下りもあります。
1度歩いていますが、なかなかハードな道でした。

祖母谷への道

祖母谷(ばばだに)温泉に降りるルートが見えています。
ここから約7時間くらいかかるロングコースです。
途中、かなり荒れているところもあるようです。
祖母谷温泉から欅平までは約1時間です。
そこからトロッコに乗って宇名月まで出ることができます。



途中までで山荘に引き返しました。
小屋の周辺にはガスが湧いたり消えたりしています。
夏山のような雰囲気でした。

唐松岳

翌日の天気がわからないので、再度唐松を見上げました。
どっしりしたよい姿の山です。
もう頂上には人がいないようです。

ハクサンフウロ

足元にピンクの花が咲いていました。
ハクサンフウロです。
加賀の白山で最初に発見されました。
夕方にはしぼむ花ですが、歓迎してくれていたようです。

剱岳と立山

正面に剱岳が姿を現してきました。
右の高い山が剱岳、左の平らな山が立山です。
この向こうが日本海です。

五竜岳

左手に五竜が見えてきました。
どっしりとした大きな山です。
その奥に鹿島槍がみえるハズですが、雲の中でした。

夕食

夕食メニューです。
最近の小屋はヘリコプターで物資を運ぶせいか、昔から
比べたら、随分よくなりました。
山の中で魚がでるのは嬉しいです。
ご飯と味噌汁はお代わりできます。

食堂

食堂もすっかりリニューアルされてきれいになっていました。
どこかのホテルのようです。
小屋の食事は大体夕食が午後5時、朝食が午前5時と決まっています。
山を見ながらの食事は美味しいです。
宿泊者は思ったより少ないようでした。

日没

夕食を済ませ、外に出てみました。
この時期の日没は午後5時20分くらいです。
もう少しで沈むようです。

唐松岳

唐松がだんだんとシルエットになってきます。
その奥に不帰嶮がきれいに見えています。
明日は期待できそうです。


剱岳

剱岳と立山の少し赤くなってきました。
あれほど湧いていたガスもどこかに消えてしまいました。
気温は5度くらいに下がっていましたが、それほど寒くは
ありません。

夕日

しばらくすると真っ赤な太陽が現れました。
少しずつ沈んでいきます。
山で見る夕日は格別のものがあります。
静かな時間が流れました。

夕焼け

カメラを引くとこんな感じです。
空の色が茜色に染まってきます。
奥の山は毛勝三山です。
富山の黒部あたりからよく見えます。
夕焼けは太陽が沈んでからでも空の色が楽しめます。


唐松岳・不帰嶮(1-9)

2009-10-06 | 北アルプス
唐松岳

頂上までは緩やかな登りです。
ゆっくり登っても20分くらいです。
ガスが時々流れていました。




下をみると雲が湧いています。
風で吹き上げられているようです。
ここは標高2000m以上です。
雲より高いところです。


唐松山荘

登る途中で振り返ってみました。
小屋の全景がみえます。
テント場はかなり下にあります。
混んでいる小屋よりは快適ですが、水や食料が必要なので
荷物が多くなります。



不帰嶮

不帰嶮の方向です。
こちら側にも雲が湧いています。
この日は見えたり隠れたりしていました。



登っている右下は大きく落ち込んでいます。
白く見えるのは雪渓です。
やはりここでも雲が湧いていました。


登山ルート

翌日歩く予定の不帰嶮への方向です。
尾根伝いのルートがよく見えます。
雲がなければもっと先まで見えたと思います。

ケルン

丁度20分で頂上に着きました。
ケルンがありました。
誰かが登山の安全を祈って積んだようです。
時々青空が顔を出してくれました。



頂上からの眺めです。
小屋が小さくみえます。
もっと晴れていれば五竜や鹿島槍が見えるハズです。
この日は残念ながら雲の中でした。

頂上の標識

唐松岳の頂上は標高2696mです。
右に行けば不帰嶮を通って白馬岳に行けます。
翌日通るルートです。
風が出てきたので、15分くらいで引き上げました。

コマクサ

帰りにもう一度コマクサに出会いました。
これは優しい顔をしています。
夏山でも滅多に出会えない花です。
高山の厳しい環境でしか生きられないようです。


トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウが咲いていました。
柔らかいクリーム色をしています。
この花も太陽が当たらないと開きません。
昔は薬にしたようです。

分 岐

下りは10分で降りてきました。
まだ時間があったので、五竜方向に少し歩いてみました。
この先にクサリ場があるようです。
ここから五竜山荘までは2時間30分くらいで行けます。



ミヤマダイコンソウ

ミヤマダイコンソウの葉っぱが少し赤くなっています。
もう少しすれば真っ赤に紅葉します。
葉っぱがダイコンの葉に似ているのでこの名があります。
夏に黄色い花を咲かせます。
やはり岩場が好きな花のようです。

唐松岳・不帰嶮(1-8)

2009-10-05 | 北アルプス
唐松岳

右奥に再び山が見えてきました。
左の高い山が唐松岳のようです。
ガスが晴れるとこのように山が姿を現します。
もう秋だというのに夏山のような雰囲気でした。


登山道

ハイマツ帯を抜けると本格的な登山道になります。
またガスが出てきました。
このあたりの登山道はしっかりしていますから、
歩きやすかったです。

ミヤマオトコヨモギ

葉っぱがよく見えませんが、ヘラ型をしています。
花はあまり開かず、うつむいて咲いています。
本州中部の高山帯に咲く花です。

ミヤマリンドウ

群生したミヤマリンドウがありました。
これをみると1本の茎の先端にたくさんの花を咲かせて
いるのがわかります。
花は淡いブルーをしています。
小さい花ですが、よく目立ちました。

登山道

遠くに橋がみえます。
かなり崩れているようです。
ガスが濃くなってきました。


ミヤマホツツジ

ミヤマホツツジの花びらが散ってしまい、子房が大きく
膨らんでいます。
花柱が曲がっているのが特長です。
低地に咲くホツツジは花柱がまっすぐに伸びています。


コケモモ

コケモモも赤い実をつけていました。
この実は食べられます。
北八ヶ岳のピラタスロープウエイの山頂駅では
これを練り込んだ「コケモモ餅」が売られていました。
程よい甘さの餅でした。

登山道

この先も登山道が荒れているようです。
左側が大きく崩れています。
この先を回り込めば小屋が見えてくるようです。

唐松岳頂上山荘

小屋に着きました。
八方池から約2時間30分でした。
ほぼコースタイム通りでした。

唐松岳

唐松岳が見えています。
頂上まではここから20分くらいで行けます。
しばらく休憩してから、ザックをおいて登ることにしました。


山 荘

昔、この小屋には2回ほど泊まっています。
最近リニューアルしたようで、ピカピカでした。
小屋の前にはたくさんの登山者がいました。
この日は混むという受付の話で、個室をとることにしました。
宿泊費は1泊2食付きで¥9000/1人、個室料は¥16000でした。

コマクサ

唐松岳に向かう途中にコマクサが咲いていました。
「高山植物の女王」といわれています。
花の姿が馬に似ているので、この名前がついています。



根を地中深く伸ばしています。
高山の砂礫でしか生きて行けません。
種が落ちてから花が咲くまで10年以上かかると
いわれています。



普通は8月末くらいで枯れてしまいます。
9月に入っても咲いているのを見たのは初めてでした。
だいぶ枯れているのもありますが、咲いたばかりの花も
ありました。
大切にして残して行きたい花です。




唐松岳・不帰嶮(1-7)

2009-10-04 | 北アルプス
オオバタケシマラン

花は船のイカリのような姿をした小さい花です。
細長くて赤い実がなります。
葉っぱが大きいのでその下に隠れて見えないことが
多いです。
花柄がクルッと曲がっているのが特長です。
真っ直ぐならタケシマランです。


丸山

遠くに丸い姿をした山が見えてきました。
頂上付近に尖がったものが見えます。
「丸山ケルン」と呼ばれているケルンです。
あそこまで登ります。

ナナカマド

ナナカマドの実が赤くなっていました。
もう少しすると葉っぱも赤くなります。
一番早く紅葉する木です。


チングルマ

夏に白い花を咲かせていたチングルマもすっかり穂になっています。
この姿が子供が遊ぶ風車に似ているそうです。
それで稚児車(チゴグルマ)→チングルマとなりました。

チングルマの群生

ここではたくさん群生していました。
カメラアングルを低くして撮っています。
茎の長さは5cmくらいです。
この穂がなくなる頃には葉っぱが真っ赤に紅葉します。


登山道

ハイマツが広がる登山道です。
丸山はハイマツに覆われた山でした。
この先を左に行き、更に右に登ります。

ウサギギク

岩陰から顔を出していました。
小さなヒマワリのようです。
今年は随分会いました。
かわいい花です。


ミヤマリンドウ

小さなリンドウです。
チングルマの中から姿を現していました。
1本の茎の先に数個の花を咲かせます。
タテヤマリンドウは茎の先に1個だけ花をつけます。
湿地帯を好む花です。


チングルマの花穂

チングルマの穂を大きくして見ました。
1本の穂にたくさんのヒゲが出ています。
先端が2つに割れてカニのハサミのように見えます。
宇宙からきた怪獣のようでした。

ネバリノギラン

花が終わり、種ができています。
茎に触るとネバネバします。
この葉っぱは黄色く紅葉します。

丸山ケルン

丸山ケルンに到着です。
標高2430mです。
八方池から1時間30分でした。
ここで小休止しました。
ガスが晴れて青空が見えてきました。

ナナカマド

ここにもナナカマドがありました。
赤い実がたくさんついています。
美味しそうですが、食べられません。

不帰嶮(かえらずのけん)

丸山ケルンから少し登ると目の前に大きな山が見えて
きました。
不帰嶮(かえらずのけん)です。
あの山に挑戦します。
どんな山か、楽しみです。
ガスはかなり取れてきました。
天気は大丈夫のようです。

唐松岳・不帰嶮(1-6)

2009-10-03 | 北アルプス
キバナカワラマツバ

湿原などで見かける花です。
葉っぱが松の葉に似ています。
花弁が4枚の小さな花です。
夏の花ですが、まだ残っていました。

ガスの登山道

また、ガスが濃くなりました。
視界が10mくらいです。
前を行く人の足音だけがよく響いていました。


クモマミミナグサ

足元の岩陰から顔を覗かせていました。
花びらが5枚で、それぞれが真ん中くらいまで裂けています。
葉っぱは2枚対生し、ネズミの耳に似ています。
それでミミナグサという名がつきました。

ハクサンタイゲキ

トウダイグサの仲間です。
葉っぱは互生していますが、茎の先の葉だけ輪生しています。
花は終わって実がなっていました。
葉っぱは真っ赤に紅葉します。
本州中部以北に分布しているそうです。

ウメバチソウ

何度も出会った花です。
ガスの中でもきれいな花に会うとつい足が止まってしまいます。
花と花後の姿が同時に見られるのもこの時期です。
ガクの白い筋がよくわかりました。


ミヤマシシウド

夏のお花畑を飾る花です。
大きな物は2mくらいになります。
花が終わると茶色い種をたくさんつけます。
シシウドの高山種です。


ミヤマシシウドの花

しばらく歩くと、きれいな姿の花がありました。
まるで花火のようです。
このあたりはお花畑のようになっていてたくさん
咲いていました。


ハナニガナ

かなり急な岩場の陰に咲いていました。
平地に咲くニガナの高山種です。
花が幾つか重なっていてよくわかりませんが、舌状花が11枚あります。
やはり本州中部以北の高山に咲く花です。

シロバナニガナ

すぐ近くにシロバナニガナも咲いていました。
やはり花びらが11枚あります。
里に咲くニガナは5~7枚です。
茎が細長く、風に揺れてなかなか撮らせてくれませんでした。


ミヤマアキノキリンソウ

アキノキリンソウの高山種です。
花が頂点にまとまって咲くので、別名:コガネギクとも
呼んでいます。
アキノとついていますが、夏の初めから咲いています。
我々山仲間は勝手に「ラガーソウ」と呼んでいます。
ビールは「キリンのラガー」に限ります。(笑)


登山道

途中こんな登山道があります。
ここもお花畑が広がっていました。
ピンクの花はハッポウアザミ、白い花はシラネニンジンです。
ほとんど人がいなく、静かな歩きができました。


クロトウヒレン

アザミに似ていますが、キク科の植物です。
花びらの先端がクルッとカールしています。
1本の茎の先端に2~3個の花をつけます。
蕾の時は真っ黒です。
かなり遅くまで咲いています。

雪 渓

雪渓が見えてきました。
いつもはこの雪渓の近くに行って休憩します。
しかし、この日は素通りしました。
もうすぐするとこの上に新しい雪が積もります。


ベニバナイチゴ

ベニバナイチゴがなっていました。
これは食べられます。
葉っぱの陰に隠れていますが、葉っぱを掻き分けると
たくさんありました。
以前、この群生に会ってザックを投げ出して夢中になって
食べたことがあります。
今回はグループだったので、2~3個で我慢しました。
このあと、また別のところで会えると思います。














唐松岳・不帰嶮(1-5)

2009-10-02 | 北アルプス
ミネウスユキソウ

ヨーロッパでいうエーデルワイスの仲間です。
この仲間も多いですが、これはほっそりとした感じです。
頭花を取り巻くホウ葉がうっすらと雪を被ったようにみえます。
その姿からこの名前がつきました。


標 識

こんな標識がありました。
まっすぐ行けば唐松です。
ガスっていましたが、八方池のほうに寄ってみることにしました。
いつも通り過ぎるところです。

ハクサンシャジン

ハクサンシャジンが群生していました。
花も葉っぱも輪生しています。
ツリガネニンジンの高山種です。
花が終わって種ができているのもあります。
ガスの中でも存在感がありました。

八方池

八方池が見えてきました。
最後のリフトを降りてからここまで約1時間です。
ほとんどの人はここまで来て引き返すようです。



池の畔に何人か休憩しています。
気温は10℃くらいでしたが、風がなかったのでそれほど
寒くはありませんでした。



時々このように明るくなります。
晴れていてばこの池に白馬三山が映って見えます。
この日は残念ながら山は見えませんでした。




またガスが濃くなってきました。
幻想的な雰囲気です。
手前の花はシモツケソウとワレモコウです。
仲良く咲いていました。



イワショウブ

これは花が終わったあとの実のようです。
花と一緒にあると、別の花のように見えます。
寒いところが好きな花のようですが、かなり西のほうでも
見られるようです。
氷河時代の生き残りといわれています。

オヤマソバ

茎が赤く、花や葉っぱがソバに似ているので、この名があります。
いつもは群生しているのですが、これはひとりぼっちでした。
寂しそうだったので、話しかけてやりました。
もっとソバにいて欲しそうでした。(笑)

ミネウスユキソウの群生

ミネウスユキソウが群生していました。
花は終わって茶色くなっています。
茎が細くて弱々しそうでした。


タカネイブキボウフウ

セリ科の植物です。
蕾の時はレンガ色をしています。
葉っぱが細かく切れ込んでいます。
種も茶色っぽくなるので、この中には蕾、花、種の
3つが同時にあるようです。


ダケカンバ

八方池に別れを告げて唐松に向かいます。
ここから先は登山者の領域です。
すぐに大きなダケカンバの木が現れました。
ここで後から聴いたことのある音楽が流れてきました。
ネパールの若者2人が大きな荷物を背負って歩いてきました。
唐松小屋までボッカをしているようでした。
「ナマステ(こんにちは)!」と挨拶したら元気よく返事をして、
足早に通り過ぎて行きました。

タムラソウ

何度も目にしたタムラソウですが、これは一段ときれいでした。
花びらの先端が白く弾けています。
花はアザミに似ていますが、トゲがありません。
キク科の植物です。

シロバナハクサンシャジン

ハクサンシャジンは淡いムラサキ色をしていますが、白い花も
あるようです。
草むらの中に1本だけ咲いていました。
珍しい花だと思ったのですが、後で調べたらここ八方尾根では
3割程度の割合で咲いているそうです。
水滴がついてまさに「霧の中の少女」のようでした。










唐松岳・不帰嶮(1-4)

2009-10-01 | 北アルプス
シモツケソウ

シモツケソウが咲いていました。
花がだいぶ終わっているようです。
小さな花からオシベが元気よく飛び出しています。
もっと咲いている時は何ともいえないきれいさです。


シモツケソウ

少し離れたところにもありました。
シモツケは木ですが、シモツケソウは草になります。
花はよく似ていますが、葉っぱが違います。
別名:クサシモツケと呼んでいます。

キンコウカ

花がまだぜんぶ開いていません。
太陽があたれば開くようです。
湿ったところを好む花です。
尾瀬などで群生している姿は黄色い絨毯を敷き詰めたようで
なかなかきれいです。


第1ケルン

第1ケルン通過です。
ここは標高1820mです。
ガスが濃くて展望はありません。
ひたすら登ります。

登山道

少し登るとガスが晴れてきました。
このあたりは石がゴロゴロした登山道です。
慌てると足首を捻挫します。
足元を確認しながら歩きました。

お花畑

左側にはお花畑が広がっています。
タムラソウとハクサンシャジンがよく目立ちました。
下からたくさんんの人が上がってきています。
それぞれ行き先が違うようです。


石神井ケルン

2つ目のケルンです。
ケルンとは石を積み上げて登山道の目印にします。
ガスが濃い時には大きな味方になってくれます。
ここにはこのような大きなケルンが幾つかあります。
コンクリートでしっかり固めてありました。


登山道

ケルンを過ぎると登山道がだいぶ荒れてきました。
こんな道を歩く時はくるぶしが隠れるくらいの登山靴が
歩きやすいです。
足首をしっかり保護してくれるので安心して歩けます。


タカネマツムシソウ

葉っぱに小さな穴が開いていますが、先ほどのものより
開花が進んでいるようです。
真ん中の小さな蕾が開いています。
淡いブルーが何ともいえません。




この花は満開状態のようです。
花が終わるとネギボウズのような姿になります。
花の時は背が低いですが、花が終わると茎が伸びてきます。
種を少しでも遠くに飛ばすための智恵のようです。


ミヤマウイキョウ

セリ科の植物です。
葉っぱが細かく切れ込んでいます。
花は直径1mmくらいでたくさん集合しています。
花びらは5枚で中からオシベが飛び出しています。
足元の石の間から顔を出していました。


八方ケルン

八方ケルンが現れました。
ここは標高2035mです。
晴れていればこのあたりから五竜岳や鹿島槍ヶ岳が見えます。
この日は生憎ガスが濃くて何も見えませんでした。
八方池までもう少しのようです。