山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

唐松岳・不帰嶮(2-3)

2009-10-12 | 北アルプス
ガス

歩いてきた方向を振り返ってみました。
ガスが左から勢いよく吹き上がっています。
見る間に見えなくなっています。


タカネヒゴタイ

足元に小さな花が顔を出していました。
タカネヒゴタイです。
平地に咲くヤハズヒゴタイの高山種で、全体に背が低いです。
アザミに似ていますが、トゲがありません。
高山の礫地や岩場に自生しています。
ヒゴタイとは違う種類です。

クモマミミナグサ

岩陰に群生していました。
クモマとは雲が湧くような高いところという意味です。
葉っぱがネズミの耳に似ているので、ミミナグサという
名前がついています。
花びらは5枚ですが、中ほどまで切れ込んでいるので、
10枚に見えます。

岩場

また岩場がでてきました。
ここもかなり急な岩場です。
両手両足をフルに使って登ります。
ペンキマークがルートです。
落石に注意しましょう。

登山ルート

やっと平らなところに出ました。
「天狗の大上り」にはたっぷり1時間かかりました。
ここから先は尾根歩きです。
ガスは相変わらず右下から上っていました。

歩いてきた方向

歩いてきた方向です。
不帰がすっかりガスに隠れてしまいました。
登山道が細い帯のようにみえます。
もう不帰とは「さよなら!」のようです。

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウが顔を出していました。
あまり開かない花ですが、ここではバッチリ開いて
います。
これほどきれいに開いているのをみるのは珍しいです。
やっと笑顔に会えました。


ウルップソウ

ウルップソウはすっかり花が終わっていました。
日本では北海道の1部と八ヶ岳、それにここ白馬周辺にしか
自生していない高山植物です。
ブルーの小さな花がたくさん咲きます。
昨年、カムチャッカの山に登りに行った時、ベースキャンプの
周辺にたくさん自生していました。
柔らかい感じのきれいな花でした。


登山道

ほぼ平らな登山道です。
石がたくさんありますが、比較的歩きやすい道でした。
しばらくこのような道が続きます。

イワツメクサ

これも夏の花です。
もうほとんど終わりかけていました。
直径1cmにも満たない小さな花です。
花びらは5枚ですが、深く裂けているので、10枚に見えます。
高山の岩場に自生しています。
風に揺れてなかなかジッとしていません。
カメラ泣かせの花です。


クモマスミレ

タカネスミレの亜種でやはり高山に咲くスミレの仲間です。
北アルプスや中央アルプスにはありますが、南アルプスには
ありません。
葉っぱは無毛で葉脈がはっきりしています。
ここ唐松岳周辺に多いとされています。

トウヤクリンドウ

ここにもよく開いたトウヤクリンドウがありました。
開かないでそのまま枯れてしまう花をたくさん見ましたが。
ここではよく開いていました。
花の中をこれほどよく見たのは初めてです。
オシベの姿までよく見えました。


コマクサ

しばらくするとコマクサが現れました。
やはり夏の花なので、もう終わりかけています。
でも何本か残っていてくれました。
地中に根を50cm以上張っているそうです。


コマクサ

礫地や岩場を好んで自生する花です。
「高山植物の女王」と呼ばれています。
唐松岳の登山道でも見かけましたが、ここにこれほど
自生しているとは思いませんでした。
かなり広い範囲に咲いていました。



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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (秋桜)
2009-10-12 07:52:52
またまた、お花の登場ですね。
岩場に咲く花は、「根性」ですね~。
少しづつ、余裕で山登りを楽しんでいるようで、見ている私も同じ気持ちで「ほっ」とします☆
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良い風景と草花 (地理佐渡..)
2009-10-12 08:18:46
おはようございます。

やはり天気がよいと、風景もすばらしいし、
道ばたの草花もきれいです。
トウヤクリンドウ。良いですねぇ。
図鑑でしか見たことのない高山植物。
やはり行かないと自生するものは見られま
せん。実物はもっとすごいんだ。いつもの
事ながら、想像しています。

さて、長岡へと車を持って行ってみました。
佐渡汽船に軽自動車一台+運転手一人の
往復で13770円でした。簡単に言うと
1万円の値引きって言う感じでした。
それでも大助かりです。週末のサービスの
ようです。
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Unknown (ひーちゃん)
2009-10-12 10:48:33
タカネヒゴタイ ホクチアザミと似ていますね
トウヤクリンドウ コマクサ
いちど会いたいものですが高山に登らないと
ダメですね
黄色いスミレ ダイセンスミレを思い出します
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コマクサの群生地に (noriko)
2009-10-12 11:44:23
こんにちわ!
ガスは日本海側からの吹き上げが強いとか聞きます。
それ故に他では見られない植物が多いとかってきいたことあります。
ところで不帰は唐松から縦走しないと行けないのでしょうか?
このコマクサの群生地をぜひ見てみたいと思います。
岩場がすごくてちょっと簡単には行けないでしょうね・・・。
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高山のお花 (まよこ)
2009-10-12 11:56:12
山小屋さん今日は。
ガスの湧いてくる山の写真はリアルで見る目には素敵でした。
このガスが言わばの高所に珍しいお花を育てているのですね。

タカネヒゴタイ・クモマミミナグサ・トウヤクリンドウ・ウルップソウ・クモマスミレ・コマクサなど不帰を渡った人だけのご褒美ですね。
楽して画面拝見させていただき感謝しています。

不帰の険しい道も振り返るとそれほどに見えないのが不思議でした。
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登山ルート (とくさん)
2009-10-12 15:38:00
こんにちは
遠くから眺めれば穏やかな登山ルートですが、中々手ごわい登山ルートですね。

♪行きも怖いが帰りも怖い 怖いながらも通りゃんせ・・・♪
こんな歌が出来そうです。

その中で高山植物は一服の清涼剤です。

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秋桜さんへ (山小屋)
2009-10-12 18:00:20
いつもご訪問ありがとうございます。
高山植物には岩場でないと生きていけない
花があります。
それを知らないで持って帰る不届き者がいる
ようです。
平地では育たないということを知って欲しいです。
もう危険なところは過ぎたようです。
これからは安心して見ていてください。
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地理佐渡さんへ (山小屋)
2009-10-12 18:03:30
トウヤクリンドウは普通あまり開きません。
こんなに開いていたのは初めてでした。
やはり花は開いているほうがかわいいですね。

佐渡汽船の割引、何とか都合をつけて行ってみたいと思います。
休暇がとれるといいのですが・・・
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ひーちゃんへ (山小屋)
2009-10-12 18:06:22
同じような花でも東西で少しずつ姿を変えています。
名前も違いますね。
コマクサに会うには北アルプスの砂礫にこないと会えないようです。
でも最近はこれに似た園芸種もあるようです。
やはり自然の花がいいですね。
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norikoさんへ (山小屋)
2009-10-12 18:09:49
不帰は白馬のほうからも歩けます。
但し「天狗の大下り」はザレていてたいへんだと思います。
コマクサを見るなら、燕岳がお勧めですね。
中房温泉に車をおけばピストンできます。
燕山荘に1泊することを勧めます。
この小屋はきれいですよ。
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