彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本の疫情も大変だが―国民への応援歌「春よ、来い」の曲想で演じた羽生、照ノ富士「逆転人生」   

2021-01-17 11:28:43 | 滞在記

   新型コロナウイルス(COVID19)の世界の感染者数累計が9300万人超、死者数200万人超となり、日本では12月からの第3波における全国感染拡大がすすみ、年末年始には感染爆発となり、感染者数は累計32万人超となった。イギリスや南アフリカなどに広まった感染力のより強い変異種ウイルス感染者の国内確認も1月上旬にはすでに34例が確認されている。

 この年末年始、東京圏内で全国高校サッカー選手権大会や全国春高校バレーボール選手権などスポーツイベントが開催された。「春高バレー男子」の優勝校だった東福岡高校(福岡市)は14日、部員9人と指導者1人の計10人が感染していたことを発表した。東京滞在中(1月3日—11日滞在)に感染した可能性が高いという。また、福島県代表の「春高バレー女子」のチームでもクラスター感染が発生している。感染経路はいずれも不明だが、東京や大阪は、市中に出でいる無症状の感染者がかなり多いと推測される。最近、関西でも、「大阪の梅田やミナミに行くのが怖い」という声も聞かれる。

 1月7日、菅首相はようやく「緊急事態宣言」を東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に出した。さらに1週間後の1月13日、大阪府・京都府・兵庫県・愛知県・岐阜県・福岡県・栃木県にも。そして、全ての国からの外国人の入国も緊急事態宣言発令期間の2月7日までは入国を停止することも発表された。

  日本医師会の会長は、「"今は戦争"」「"人は一生に一度は戦争を体験する"と言われています。まさに戦争を有事と置き換えれば"今がまさにそのとき"です」と述べた。「東京、6千人が入院先決まらず コロナもう限界」の見出し記事も見られる。

 私が暮らす京都府はこの2週間あまり、150人前後の感染者高止まりが続いている。故郷のある福井県では年末の2〜3人から、一昨日の15日には一挙に25人となっていた。また、京都の自宅のある八幡市では、今までの2〜5人程度だったのが一挙に14人と発表されていた。

 今日は1月17日(土)、昨日と一昨日の一日の全国の感染者数は2日連続の7000人超。緊急事態宣言が出されていない県での感染者増加が目立つようになってきている。米国グーグル社が日本向けに提供している人工知能(AI)を活用した新型コロナウイルスの日本での感染予測情報も"上方修正"が続いている。

 予測情報は直近のデーターなどを基に、向こう4週間の陽性者数、入院患者数、死者数などを都道府県ごとにまとめている。このデーターは年末の12月30日や31日などの予測数は実際の数とかなり近いものがあった。1月6日に発表した予測データーでは、1月20日には全国で1万人に達すると予測されている。あと3日後だ。

 また、「8割おじさん」として有名になった京都大学の西浦教授が、今回の「緊急事態宣言」発令と感染者推移に関する予測を出していた。「感染抑制のためには❶発令期間は1か月では足りず、2カ月間は最低必要、❷もし、2カ月間の発令で感染がかなり治まっても、7月には再び感染拡大の第4波期がくるというものだ。」 その根拠や真偽のほどは分からないが、もし仮に、7月に第4波がくるとしたら完全に「2021東京五輪」の時期となってしまう。

  菅内閣の支持率は12月上旬ころから大きく下落し始めた。9月中旬の政権発足当時は65%~75%近くもあった各種世論調査支持率は、最新の毎日新聞の世論調査(1月16日)では33%(不支持は57%)になっている。(前回12月12日は、支持40%、不支持49%)  時事通信が行った世論調査(1月16日)でも支持率は34.2%だ。30%の支持率が内閣が存続するボーダーラインと言われるが‥。このこともあり、4月に予定されていた北海道2区の衆議院議員補欠選挙(吉川元農林水産相・「収賄での起訴」のため議員辞職)での自民党候補の擁立見送りが決定された。

  自民・公明・(維新?)などの与党に対抗する中心野党の立憲民主党。代表の枝野幸男氏は昨年、国民民主党の大部分と合流を果たし、一強の自民党に対抗する「大きな塊(かたまり)」をつくるという目標は一応達成した。だが、新党結成後もいっこうに「国民の期待」が集まらない。合流新党が何をしようとする政党なのか、あまり国民には見えないからである。

 国民を納得させる対案を示すことが乏しく、政権の揚げ足取りや政権のオウンゴールだけで得点を得ようとする戦略は、もはや限界にきている感がある。いずれにせよ、秋までには衆議院選挙が行われる。国民の審判が下されるのは菅首相だけでなく、枝野氏も同じである。「国民の信」が得られなければ、党首(代表)交代も必至となる可能性もある。枝野氏もまた、今年は正念場となる。

 いずれにしても立憲民主党は、「❶コロナ抑制対策、❷国民の生活を守る政策(非正規労働者増大問題含む)、❸安全保障政策(対中国政策が最も重要)」の具体的で実現可能な説得力のある政策」の立案確立と国民への政策浸透、「日本共産党」などとの政策協定、選挙での野党共闘の広がりが求められる2021年となる。

 広島市も感染拡大増加が多くなってきている。広島県全体ではこの1日~14日までの二週間で950人あまりの感染者が発表されている。一日平均70人くらいとなる。16日、広島市は感染の多い4つの区で、住民とそこで働く人たち80万人全員を対象に無料でPCR検査を実施すると発表した。感染抑制のためには、三密回避はもちろんだが、対策の基本中の基本は「PCR検査」の全国民的実施なくしておそらく成功しないことは明瞭になってきているはずだが、いまだ、各都道府県や国の政策には入っていない。

 ―「SARS」「MARS」「新型コロナ」の感染地域・感染者数、致死率、ワクチン―

❶「SARS」コロナウイルス起源。2002~2003年。地域:中国南部、台湾、シンガポール。感染者数約8000人。致死率9.6% (終息) ❷「MARS」コロナウイルス起源。2012年。地域:主に中東。韓国も。感染者数約2500人。致死率34.5% (今も感染が少しある)   ❸「新型コロナウイルス(COVID19)」2019年12月~ 地域:中国から全世界へのパンデミック。感染者数約9300万人(2021年1月10日現在)  。 致死率2〜4%(国・地域差かなりあり)。❹通常のインフルエンザ 致死率0.02%。  

※❶❷は感染者数が世界的に少なかったことがあり、製薬会社の「有効なワクチン」製造には至らなかった。(莫大な開発費用をかける必要があるので、感染者が少ないと接種者も少なく採算があわないから。)

 コロナで始まりコロナで終わった2020年だったが、2021年もコロナで始まった。昨年一年間、日本のスポーツ界も大変だった。なによりもコロナ全世界パンデミックのため、「2020年東京五輪の21年への開催延期」が決定された。21年だったら大丈夫だろうと思っていたら、21年はさらに感染が世界的にも深刻化してきていて開催が困難になりつつもある。

 そんな中、私たちの励ましになった印象深い出来事があった。一つは、大相撲夏場所(2020年8月)の「照ノ富士」(モンゴル出身)の復活優勝だ(この時幕内15枚目)。今年の年明けの「逆転人生」というテレビ番組でも報道がされた。2年ほど前の大関時代(月給200万円)の相撲で「膝(ひざ)の前十字じん帯断裂」のケガ。そしてカド番から転落し、横綱を頂点とする10階級のうち下から二番目の序二段(月給0円)まで陥落した。

 さらに、C型肝炎、糖尿病発症、腎臓結石を患う。相撲部屋の親方や恋人(日本に留学していたモンゴル人)の励ましもあり、再起を目指して治療やけいこに精進。この快挙となった。まさに、「どん底からの逆転人生」劇だった。今年の春場所は関脇の座にあり、昨日までは3勝3敗の成績。今後、せび、大関復活を成し遂げてほしい力士だ。

 もう一つは、フィギア―スケートの羽生結弦(26)や紀平梨花(18)たちの演技。全日本フィギアスケート選手権が2020年12月25日から28日まで長野県を会場に開催された。羽生の気迫のこもった演技は素晴らしかった。

 また、紀平梨花の演技もまた素晴らしかった。2位の坂本花織、3位の宮原知子も。特に女子は4位以下もフィギア―選手層の世界に挑戦できる厚さを感じさせられた大会だった。

 「羽生圧巻5年ぶりV ―俺がいるんだ―自信と悟り」「4回転成功 紀平V2―新たな武器 さらなる高みへ」「坂本 絶望から復活、宮原SP6位から追い上げ3位」などの朝日新聞の見出し記事。

 最終日の28日のエキシビジョンで羽生は松任谷由実の「春よ、来い」の曲に合わせて演技を披露した。この歌(曲)はいままさに人々の心に染み入る応援歌だった。

  ―春よ、来い―松任谷由実

一、淡(あわ)き光発(ひかりた)つ 俄雨(にわかあめ)         いとし面影の沈丁花(じんちょうげ)     溢(あふ)るる涙の蕾から ひとつ ひとつ香り始める  それは それは 空を越えて やがて やがて 迎えに来る  春よ 遠き春よ 瞼(まぶた)閉じればそこに   愛をくれし君の なつかしき声がする

二、君に預けし 我が心は  今でも返事を 待っています  ‥‥‥‥‥

 

◆あと1年後の2022年2月、コロナ感染が広まった中国の首都・北京で「2022北京冬季オリンピック」が開催される予定となっている。