長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

書の会

2011-11-15 08:15:48 | Weblog
昨日は卵かけごはんだった。
蕎麦を打ち、珈琲豆を焙煎し、石臼でそれを挽き、
珈琲を入れると、ぼくの仕事は終わり、お役目ごめんになる。
すると、玉露の入った茶入れをもって、二階で玉露を入れ、
畳の上に座って、瞑想するみたいな「茶」を楽しむ。
おおげさではなく、自然や宇宙と一如になる境涯だ。
池袋で天真庵を始めていらい、「茶」は不可欠になった。
そして、昨日神保町でみつけた「老子」の本をすこし読んだ。
玉露を飲んだ瞬間に、体の中に玉露がまわり、神経が鋭敏になる。
そんな時に読む本は、作者の息づかいまで聞こえてきそうなくらい、
頭の中に入る、というより、その世界の波動につつまれるような感覚になる。
二階では、蕎麦も酒も珈琲も飲めないけど、ときどきやる茶会で、
そんな世界をよりおおくの人に味わってもらいたい、と思う今日このごろ。
天真庵の一階では、世界一美味いと思われる「星野村の玉露」を用意している。
3煎飲んで、お茶の葉をぼんずで食べる。(これがうまいのよ)

今日は書の会。
貞本先生とは、大塚の「江戸一」という居酒屋、そんないい方をすると
失礼にあたるような「お店」で出会った。カウンターで、たいがいの人が
ひとりできて酒を飲む。夏でもビールを飲む人は、少なく、「白鷹」のぬる燗
を所望する。鎌倉彫の折敷(おしき)に白い磁器の徳利に入った燗酒を独酌しながら
飲む。「うーん」と温泉に入ったときに、うなりたくなるような瞬間がある。
最近のお店には、この「うーん」という気持ちにさせてくれるお店が少ない。
少なくとも、押上界隈には見当たらない、ので、昨日珈琲を飲みにきた文庫くん
に、そのあたりの気持ちを伝えた。17日から、押上文庫は、平日も営業になる。
「おでん」がでるらしい。ぜひ「白鷹」をおいてほしい。
おでんは、うすあげに、きざんだネギがあれば、あとはおいしい豆腐があれば
いい。もちろん「にぬき」というか卵はおでんの王様だ。

明日は休みだけど、夕方にかっぽれ。
浴衣では寒い季節になったけど、踊ると汗がでて、その後に
飲む酒がまた美味い。

木曜日も休みだけど、「ダメ中」
この会の女子たちと飲んでいると、天真庵が居酒屋状態になる。

土曜日は4時まで営業。
4時半から、「ピアノの発表会」(チケット完売)
押上界隈でピアノを習っている子どもから大人までが、
カイザーを弾く日。みんな緊張しているけど、ぼくもドキドキ
している!




易の勉強会

2011-11-14 07:46:35 | Weblog
今日は朝は「卵かけごはん」(8-10)で、
夜の勉強会は「易」。
夕方は雨が降るかも知れないけど、今日もなまあたたかい
不思議な天気だ。昨日は「ルービ」の神さまの仕業か、
開店そうそうからハートランドビールがよくでた。
ろくさんが天上から笑っているような気もした。
「ホクレア」は、きっと奥さんとかまわりの力を借りて、
また大海に出ていくと思う。


大恐慌の最中なのに、たくさんの方が蕎麦やガレットを
食べにきてくださる。ほぼぶらじるの石臼挽きも
だいぶ浸透してきた。満席になって、珈琲がきれて、
すこし待たせるけど、ガリガリと石臼をひきはじめると、
空気が「縄文時間」になる。「東京時間」で生活していると、
見失ったり、気がつかないまま終わることが多いよね。

15日が「書の会」
12月は、貞本さんの書の展覧会を企画している。
好きな書を壁に飾って、いい音楽を聴きながら、茶を飲む。
こんな風流な中で隠居したいもんだ。

16日が「かっぽれ」
そろそろ向島あたりのお座敷で、遊んでみようかしらん。

17日が「ダメから始める中国語」
先日、まいこ先生が、クラシックの会にきてくれた。
この会は彼女を母にした新しい形態の「家族」。
もしかしたら、大型新人登場か?






ホクレアにのったろくさんが星になった。

2011-11-13 08:26:12 | Weblog
昨日、携帯にbunkanの夏樹くんから電話がなった。
営業中に携帯を彼が鳴らすなんて、よほどのことだし、
「そのこと」だと覚悟した。
ろくさんが死んだ。洒落にもならないけど、63で逝った。

ろくさんは、天真庵を改装しているころ出合った。それまではあかの他人で、
その他人がよそからきて古い家を改装しているよそもののぼくに、「古い木材を持っているのでつかって」と、木材をくれた。玄関から入ったところの床の木は、その木
が貼られている。聞くと、「将来、お店をやろうと思って持っていたのだが、
違反して運転免許がなくなり、しばらく仕事ができそうにないので、同じようなことを
実現させようとしている君にあげる」という理由だった。なるほど聞いていると、理屈
はとおるけど、50年も生きてきたけど、そんな親切な「他人」はあまりみたことが
なかった。今もって、そんな親切な人はみたことがない。

一昨年にろくさんは肺がんが見つかり、病院で手術をした。無事に手術がおわり、
退院してきたとき、天真庵で「ろくさんを励ます会」をやった。まだ咳がでていたけど、ギターを弾きながら、何曲か歌ってくれた。彼は長いこと、銀座のバーで歌って
いたことがある。夢を語りかけるような味のある歌を歌う。

その後、bunkanの斜め向こうの明治通りに、「ホクレア」という居酒屋をつくった。
彼の長年の夢がかなった。ホクレアとは、ミクロネシアあたりの木造のカヌー
の名称で、初めてハワイ島を発見したのもホクレアにのった旅人だということだ。
うちにきて、「ルービ!」と業界人ぽく注文し、目を輝かせながら、「ホクレア」
の夢を語っていた。
2週間前に、一度店にきた。もう「ルービ」は飲めず、蕎麦を所望した。
咳がでてときどきつらそうだったけど、蕎麦を手繰り、おだやかな顔で、
「人間いつか旅の途中で死ぬんだよね。でもそれまでは生きているんだし、
死を恐れたり、あきらめたりしてはいけないんだよ」と笑顔でいった。最後の
言葉になった。昨日亡骸になったろくさんの顔を見ていると、同じ言葉が
聞こえてきた。当たり前の理屈だけど、金言のような味わいがある。
すこし短い人生だったけど、夢をいつも追い続ける旅人として、まっとう
した素晴らしい人生だった。合掌。





湯豆腐に熱燗 昔の女

2011-11-12 08:17:34 | Weblog
昨日はねんどだった。
急に冬がきた、みたいな感じだったので、昨日は
湯豆腐を食べながら、熱燗を飲んだ。
天真庵の夜の勉強会では、湯豆腐、おでん、筋ダイコンなどが
テーブルにあがることが多い。
湯豆腐は、ルチンがたっぷり入った蕎麦湯に、湯治みたいに
木綿豆腐と、小松菜、うすあげなどをつからせる。そこに
すこし太い蕎麦を投じる。鍋の中心には、かえしとかつおぶし、ねぎ
が蕎麦猪口に入っている。メニューにしたら、左党が喜びそうだが、こんな
めんどうなことを仕事にしては、疲れていまいそうだ。

蕎麦にはご存知、ルチンという毛細血管を強くしてくれ、お肌にもいい
ものが多く含まれている。血管を拡張してくれるコリン、そして整腸作用
があり便秘しらずの食物繊維が多くふくまれる。
しかも豆腐を毎日食べている人は、前立腺になりにくいらしい。大豆の中に多く
含まれる女性ホルモンの働きらしい。いつまでも元気でたっていられるためには、
この湯豆腐は不可欠かも・・男はたってなんぼのものだ。

昨日は大人たち湯豆腐を酒肴にうまそうにやっているもんで、小学生のみく
ちゃんが、レスカのビンを「はい」というかんじで渡すので、ぼくがお酌させてもらった。
久保さんの黄瀬戸のぐいのみでそれを飲みほすと、すこし酩酊した感じになった。
「歌舞伎の福助が女役で酒を飲むときは、こうやって飲むんやで」と、
色っぽい飲み方を伝授した。彼女は将来女優になるが夢だ。初舞台の時は、
かけつけたいものだ。いい女優になってほしい。


今日が、「エリカ庵」
「女はみな女優よ」みたいなエリさんとリカさんがやってきて、
体をほぐしてくれる。食によって、中から健康になっていくことと、
整体により、まがった骨盤や背骨を矯正してもらうのは、どちらも
大切なことだと思う。

13日が「竹の会」
100年くらいやっているみたいに、自然の流れの中に「竹」がある。

14日(月)が「易の勉強会」
易学の中には、人間が生きていくうえでとても重要なコツ、みたいな
ことがたくさん書いてある。

15日が「書の会」
12月は、貞本さんの書の展覧会を企画している。
好きな書を壁に飾って、いい音楽を聴きながら、茶を飲む。
こんな風流な中で隠居したいもんだ。

16日が「かっぽれ」
そろそろ向島あたりのお座敷で、遊んでみようかしらん。

17日が「ダメから始める中国語」
先日、まいこ先生が、クラシックの会にきてくれた。
この会は彼女を母にした新しい形態の「家族」。




神保町

2011-11-11 08:42:40 | Weblog
昨日は、あいかたが風邪気味なので、マチを抜け出し
ムラにいくのを断念した。八広にある中華家シノワ(八広三丁目)で薬変りに紹興酒を
燗にしてもらい昼食。ここの中華は、なんとかの素みたいな化学調味料をいっさい
使ってなく、野菜にも神経が行き届いているので、食べている途中に、舌とか喉とかではなく、体の細胞が「うまい」と声をだす、そんなお店だ。こんなことを書くと、
ダメ中や書など、中華には一過言もつ連中に「連れていけ」といわれそうだ。でも
静かな住宅街にある小さな店なので、2人から4人くらいでいくのがちょうどいい店だ。天真庵をまっつぐ明治通りまでいき、渡ったら八広で、そこをまっつぐ歩くと、
梅鉢屋という老舗のお菓子やがあり、その先に古色蒼然とした八百屋がみえて
きたら、やおらその辺りの対面に、看板がでている。散歩しながらいくにちょうどいい。

その後、ひとりで神保町へ。
最近はネットで好きな本が買え、しかも「この本が好きな方はこんな本に
興味をもたれます」みたいな親切な押し売りなんかもされ、便利になったけど、
やはり本屋も、おいしい食べ物やも、「自分で探す」ほどおもしろいことはない。
あまりにも多く買いすぎて、近くの喫茶店で一服したら、たぶん腰をあげるのが
面倒になりそうなので、天真庵まで帰ってきて、珈琲を自分で入れ、3冊読んだ。
今日はうるさい店主がいないので「一時間たつので、追加オーダーを・・」
なんていわれなくてすむ。とてもいい時間。

その中の一冊、「菜根譚」という中国の古典を読んでいたら、いいことが
書いてあった。
「乱世には丸く生きよ」
天下泰平の時は、上にたつリーダーもしっかりしていて、国も安泰で、四角
く生きてもいい。
今みたいに、乱世の時代は、リーダーもガタガタになり、人心も乱れるので、
こころを柔軟にして、丸く生きていないといけない。そんな意味のことだろう。
融通無碍なこころが大事だということだ。書の会のとき、ウォーミングアップ
は、呼吸をととのえながら○☐△を書く。仙崖和尚も、そんな不思議な書を
残した。人間の根本は、何千年たっても変わらない、ということでもある。
変わらない根源的なもの「天真」を大事にしたいものだ。




秋はバッハがいい!

2011-11-10 09:38:21 | Weblog
昨日は休みだったけど、漆の展覧会の最終日だったので、
のんびりとかまえて、久しぶりに好きなエッセーなんかを読みながら
珈琲を飲んでいたら、お客さんが普通に入ってきて、そばや珈琲を
注文される。初めてそうなお客さんには「来週も再来週も、水曜日は
休みです」といいながら、のんびりと、営業していた。でも2時過ぎには
蕎麦が売り切れた。

夕方には、木曾から巣山さんたちが搬出にやってきた。漆の作品が、マチからヤマ
に帰っていく。お祭りの後は、一抹の寂しさがつきものだ。リハーサル中のチェロの竹本聖子さんと、ピアノの野代奈緒さんがバッハの3つのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタを弾いていた。
「終わりは始まり」だというイメージにピッタリな感じだった。

7時半になり、そのバッハが、始まりの曲だった。すこし肌寒い晩秋を思わせる
空気の中に、ふたりの息のあったバッハが静かにゆらいでいく。
目をつむっていると、別世界へ誘っていかれそうな気持ちになる。
第二部はショパンで、みんなが哲をしながら詩人にでもなったような気分に
なり、アンコールで聴いたバッハのアリオーソで、それぞれの人生に涙した。
ほんとうに人生というのは、いろいろなことがあり、絶望や悲しみに打ちひしがれる
時やまさかの時があり、この2011年は、この星に生きて
いる70億の人にとっても、忘れがたき年になった。
でも「終わりの始まり」ではなく「終わりは始まり」になるように、生きている間
は、元気に生きていきたいものだ。

明日、金曜日が、お仕覆とねんど。
12日(土)が、「エリカ庵」夜が「二階で落語」(2000円・蕎麦と珈琲つき)
13日が「竹の会」
14日(月)が「易の勉強会」
15日が「書の会」
16日が「かっぽれ」
17日が「ダメから始める中国語」

今日は漆の展覧会の最終日

2011-11-09 09:17:31 | Weblog
毎日、日替わりで長野からヤマの主みたいな塗師さん
たちがやってきて「1日店長」をやってきた展覧会も
今日が最終日。(5時まで)だから定休日を返上して、5時まで通常営業。
今朝も夜の部を含めて、元気に蕎麦をバンバン打った。

今日の夜はエンディングみたいなクラシックコンサートがある。
でも、すでに超満員。お客さんと、演奏家たちが、定期的にやってきて、
友と共に楽しむ、というのが、とても素晴らしい。
阿久悠さんの詩ではないけど、(今日の朝刊にのっていた)

夢は砕けて 夢を知り
愛は破れて 愛と知り
時は流れて 時と知り
友は流れて 時と知り

音楽も、その時だけの刹那で終わるけど、その刹那の
中に、永遠がある。

金曜日が、お仕覆とねんど。
12日(土)が、「エリカ庵」夜が「二階で落語」(2000円・蕎麦と珈琲つき)
13日が「竹の会」
14日(月)が「易の勉強会」
15日が「書の会」
16日が「かっぽれ」
17日が「ダメから始める中国語」

さらさらと、たださらさらと、時も愛も友も流れる。
ただがいい。さらさらがいい。

楽しすぎる毎日

2011-11-08 08:44:53 | Weblog
今日は立冬。すこし冬を感じる朝だ。
蕎麦を打つとき、最初に「水まわし」という作業をする。
温度が下がると、水がよけいに入っていく。この微妙な感覚に
「季節」を感じる。

昨日は塗師・巣山定一さんがやってきた。天真庵の器を
けっこう作ってもらったりしている。イスや玄関をつくって
くれた般若くんの仕事のパートナーでもあり、目につくもの
の中に、彼の仕事が目立つ。塗り、というのは一見滋味な作業だが、
これの良し悪しで、器が美人になっていくか、ブスになっていくかが
はっきりわかれるので、侮れない。失われた時間はもどってこないので、
やはり「美人に育つ器」を使いたいと自然に思う。

昨日は「漆のはけ」をつくる人がこられた。9代目になるそうだ。
昔から「花街」があるところに、多くいたそうだ。ので向島界隈
には多くいたらしい。女性の髪は命の母だ。
漆のはけは、女性の髪の毛をつかってつくる。しかも「若い女性の髪」
がいいらしい。昔は「かつら」の需要があったので、「花街」には、女性
の髪を集めてくるのをなりわいにした人があまたいたらしい。
時代の流れで、女性の髪集めが大陸にわたり、韓国や中国からの輸入
が増えているらしい。日本人よりも、細く、西へいけばいくほど細くなり、
質が落ちるらしい。そしてインドを過ぎたあたりで金髪になる、という
ことだ。髪もまた神の配剤かしら。漆、という文化は、日本の風土の中で
長い年月を経て生まれ育ってきたことを、確信した。

昨日、帰り際に、巣山師と酒を一杯(いっぱい?)飲んだ。彼も
蕎麦を打つ。そのせいか、酒は「ざる」だ。
三重の「早春」を飲みながら、談論風発。般若くんは、縁あって
うちによくきていたビオラ奏者のヨッシーと、人生の春を迎えた。
これから冬入りだけど、巣山さんも、早春のように、早く春がくれば
いい、そんな話をしながら、グビグビ飲んだので、気持ちよく酩酊していたら、
毎日これれる90歳になるじいちゃんが、お店にきて、「今日はじょうきげん
ですね」といわれた。正確には、昨日まで「上喜元」を飲み、今日は「早春」。
春夏秋冬、酒はうまい。感謝。

今日は「英語で蕎麦会」
明日は「クラシックコンサート」漆の最終日なので、明日は水曜だけど、
営業します。

金曜日が、お仕覆とねんど。
12日(土)が、「エリカ庵」夜が「二階で落語」(2000円・蕎麦と珈琲つき)
13日が「竹の会」
14日(月)が「易の勉強会」
15日が「書の会」
16日が「かっぽれ」
17日が「ダメから始める中国語」

マラソンみたいな日々だけど、楽しすぎる日々でもある。
がいいらしい。昔

京都の進々堂

2011-11-07 06:40:56 | Weblog
京都の京大の近くに「進々堂」という喫茶店がある。
「わびすけ」という同志社の近くにある喫茶店が、京都では一番古い、と
されているけど、こちらも80年以上前にできたものだ。
学生時代は、本を持ってよく珈琲を飲みにいたし、東京にきてからも
上洛すると必ず、立ち寄る喫茶店。

このお店にあるテーブルとイスは、後に人間国宝になる黒田辰秋氏がつくった
ものだ。今もそのまま使われている。黒田氏は、塗師(ぬし)の家で育ち、
必然的に家を継ぐためのこころがまえができていた。ある日、京都のギャラリー
のショーケースに飾ってあった陶芸家・河井寛二郎さんの香合(こうごう)を見て、
足がたちすくむほどの衝撃をうけた。その瞬間に、「ぼくも、何か美しいものを
残そう」と思い、木工作家の道を選んだ、
という有名な話がある。運命的な出会い・「邂逅」の大事さを 教わる話だ。

昨日は、巣山定一さんのおじさん、巣山元久さんがきた。
木曾の漆の会の長老であり重鎮。
今回の展示の一番大きな作品、欅のテーブルとイスをつくった作家。
この無駄を削ぎ落としたフォルムを見て、京都の進々堂を思い出した。
昨日は、同じ京都の大学に通った菅ちゃん(近くの酔香の店主)が
漆展を見にきた。ぼくらがまだ現役として、20年くらい元気でやっていける
なら、きっと、次の店には、そのテーブルとイスがあるに違いない。
若くて、これからお店を始めようとか思っている人、これから「ものつくり」
をめざしている人がいるなら、こられて見られるがいい。若い日の黒田辰秋
さんの衝撃を味わえるチャンスかも。

今日は「卵かけごはん」
今日の漆展の店長は、巣山定一さん。長年の友であり、蕎麦打ち仲間でもある。
大家さんの納骨が昨日無事住んだ。86歳になり、
9月に入院するまで、天真庵にくると、巣山さんの片口とぐい飲み
で酒を飲んだ。上喜元や飛露喜なんかが好きだった。昨日は納骨を
終わって、親戚一同が集って、巣山さの酒器で酒を飲んだ。
言葉ではいえないけど、じーんときた。

毎日使う「器」なんで、なんとかしたいものだ。1日の使用料、しかも
毎日使って満足する使用料を考えると、一個1万円くらいする茶碗や
椀であっても、いいのではないかと思う。
「ものの価値」というのは、お金の値段では計れない。
「あの人は器の大きな人だ」という大きさは、大小の問題では
なく、「質」の問題だと思う。

このあたりに、「日本人」しかわからない「真の価値」があるのでは
なかろうか?みんな日本人にもどれれば、いい、ね」



ジャズはいいね~

2011-11-06 08:25:43 | Weblog
昨日はニューヨーク在中の平木かよさんと、ベースの関口さん
が、楽しいジャズの演奏をやってくれた。今回は日本と香港の
ライブハウス30有余のお店で、ツアーコンサートをやり、残り
も少なくなった。かよさんは、8月に旅立ったセシル・モンローさん
とも、彼の弟とも、よくセッションをした縁を持つ。きっと彼が
生きていたら、「近所のものですが、ちょっと音がうるさいので、
苦情にきました」と、おとくいのジョークをいいながら笑いながら
入ってくるに違いない。

ライブの用意のため、4時に店を閉めた。でも5時に、「そばがき」と「珈琲」
と「お酒」の注文をうけた。先月5日に旅立った大家さん、福田はつさんが、
今日(6日)に納骨になるので、最後に、大好物だった3点セットを仏壇のお骨に
具える、ということだ。ふたりとも、安らかに眠ってほしいものだ。感謝。

9日(水) ピアノとチェロの調べ
演奏:野代 奈緒(ピアノ)・竹本 聖子(チェロ)
19時開場 19時半開演 ¥2,000(蕎麦・珈琲 付き)
女子大生みたいなふたりが、定期的に天真庵でやってくれている。
おかげさまで完売。

12月3日は、グリンピース」のはつらつコンビの定期コンサート。
東京音大出身のふたりが、先輩が始めた「押上文庫」で三日続けて
コンサートを企画した。とても楽しみだ。
17日から、押上文庫のカフェもできる。「押上猫庫」(おしあげにゃんこ)
というらしい。おにゃんこクラブに属していたようにかわいい女性が
店長だ。水・木・土・日営業。