長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

天気予報がはずれた?

2009-01-19 06:43:22 | Weblog
昨日は、朝からどんより曇っていて、しかも午後から雨だと
天気予報がのたまっていた。しかも朝の最低気温はマイナス。
長年の経験から、「今日は暇だ」と、勝手に自信をもっていたら、
開店と同時に、忙しくて、トイレにいくこともままならないくらいに、
一日中混雑していた。世界が大恐慌の中にあって、まことにありがたい
ことだ。感謝。

今日予定されていた「スケッチの会」は、中止。
明日は「書の会」。あさっては「かっぽれ」。

「芸が身を助ける」といわれているけど、
「身を助ける」レベルまで磨いていかないと、なかなか
まわっていかない時代でもある。
「好きなことを仕事にしていきたい」けど、「それはむずかしい」
といわれる。でも「人生は一度きり」というのは、動かしがたい事実。
ならば、やはり「好きなことして、生きていく」ことを最優先せいたいものだ。
「お金」とか「世間体」とか、雑念をいれると、座標軸がずれる、だけ。

和菓子

2009-01-18 06:25:04 | Weblog
昨日の初煎会は、蕎麦だけ参加。10時くらいに仲間が
蕎麦を取りにこられた。お礼に「ほぼブラジル」を、お手前。
煎茶は、お客になるほうが、煎茶をだされて、一口飲むと、
「たいへん、けっこうなおかげんで」というようなことをいう。
すると、「いっこうに、ふかげんで」みたいに、へりくだった
返事をする。日本人らしい、奥ゆかしい対話がある。
今年は、なんとか和菓子に挑戦したいと思っている。

先日、同じ町内会の「ながしま」という和菓子やさんの女将と若女将候補?
が遊びにこられた。駅から新あずま通りを十間橋通りにぶつかる交差点
の右斜前にある老舗。
改装しているころから、この店が一番気になっていた。季節ごとに、ていねい
につくられたお菓子が供されていて、自然体で「普通のおししさ」のレベルが高い
お店。毎週土曜日のお昼は、ここの「ごもくごはん」をいただいている。
これがないと、週末のパワーがでない。正月は、ここの「きびもち」を、京都の
白味噌で雑煮にして食べると、祇園で正月を迎えたような気分になる。
こんなお店が近くにあるのと、ないのでは、人生の幸せの度合いがずいぶん
変ってくると思う。

初煎会

2009-01-17 06:15:21 | Weblog
今日は、初煎会がある。「事始め」だ。
織田流煎茶道は、表参道の「ヒルズ」の裏でやっている。
もともとは、ヒルズの前にたっていた同潤会アパートの中でやっていた。
「書初め」「ひめはじめ」と同じように、「今年もよろしくお願いします」
という感謝の気持ちをもって、煎茶を楽しむ会。
その後は、多士済々な人たちが作った料理を食べながら、バイオリンなどの
演奏を楽しむような会。
蕎麦を打ちはじめて、それを持参して、最後にそれを供するのがならわしに
なっていたけど、昨年からお店を始めたので、打った蕎麦をとりにきてもらって、
「蕎麦だけ参加」のかたちにさせてもらっている。
今日も10時にこられるので、これからお店にいって、蕎麦をうつ。

昨日から小川さんの「留鳥」という写真展が始まった。二階のギャラリーの
壁には、彼女が撮った「自然体な写真」が飾られた。煎茶の道具も
そのままにしてあるので、今日は天真庵でも「初煎会」をやってみようと
思う・・・・

19日に予定していた「スケッチの会」は、先生の都合により中止になった。
来月は16日にやります。
20日(火)の書は、予定どおりやります。 感謝。

動物写真家

2009-01-16 06:39:48 | Weblog
動物写真家の藤本さんに写真を習っていた時期がある。
ギャラリーを始めたばかりの平成10年ころだと思う。
使わなくなったPCを差し上げたお礼に、一度彼に
元気の写真を撮ってもらった。練馬の光が丘団地にいって、
撮った写真の一枚。まだ元気が2歳かそこらのころ。
大きなレフ板を使って撮影の準備をしていると、公園に
いる人たちが「何かモデルさんとか芸能人がくるんですか」
なんていうものだから、元気は「はなたか」だった?

その時、「水のペットボトル」「日傘」「おもちゃ」ももってきてもらった。
「さすが」だと思った。走っている写真は、もちろんぼくが伴走している。
まわりがぼけているのは、被写界深度を浅くして撮っているからだ。
もちろん写真家は、元気の目線で撮影するため、地面に伏せて、撮影。

今日から「留鳥」という写真展が始まる。
写真をやると、鳥の名前や花の名前などを覚えられるのもいい。
最近は携帯のおけげで、みんなカメラマンになった気分で撮影しているけど、
マナーも勉強する必要がある。知らない人、お店や建物の中を被写体にする場合など、「撮っていいですか?」と尋ねるべきだと思う。

留鳥

2009-01-15 09:26:21 | Weblog
明日から、小川さんの写真展「留鳥」が始まる。(25日まで、25日は貸切)
今日はお休みだけど、その準備のためにこれからお店へいく。

元気を散歩させにいったら、四十雀がつがいでいた。
きれいな鳥だけど、昔から「目白」とか「やまがら」は家で
飼う人が多かったけど、四十雀は「しじゅう空(カラ)」という縁起
を懸念して、あまり人気がなかったようだ。

でも、色即是空ではないけど、やはり「喰う」ことも大事だけど、
「空」というのも大事なことのように思う。

♪右を向いても 左を見ても・・・
ではないけど、今回の世界恐慌は、いろんなところに影響を
あたえ、喰うに困る、ような状況を身近に感じる今日このごろ。

小さいころ、やまがらを買ったことがある。
麻の実なんかをあげると、足ではさんで、幸せそうに食べる。
最近は、人間もひえとか古代米とか五穀米とか、粗食をこのんで
食べるようになった。五穀にもはいらない蕎麦も人気がある。
ぼくたちも、小さな鳥たちと、同じこの星に住む仲間なのだ。
米が食べれなくなったら、ひえ、とか、麦を食べればいい。


ねんどの会

2009-01-14 07:22:09 | Weblog
昨日は「英語でそば会」だった。
外資系の会社を解雇され、就職活動中のわかものが初参加。
イギリスやタイで仕事をしてきた君は、なかなか英語が堪能で、
昨日は先生がふたりいるようで楽しかった。
先生も下戸だったけど、最近は2合くらい日本酒が飲めるようになった。
失業中の青年も、「日本酒はおとうさんのにおいがする」と、
太宰治みたいな名言をはいたが、今では、おとうさんみたいに、3合くらいは
飲めるようになった。これからの日本人の英会話は、日本人らしく、日本の文化を世界にうまく伝えていってほしいものだ。日本酒の世界は、食・器・花・茶・・・
と、日本人が長い歴史の中で培ってきた総合芸術の中の中心にあるものなので、
とても大切なものだとつくづく思う。

今日は「ねんどの会」。土をこねる、というのも、自然と対峙してきた人間の
根源的な動線だと思う。みんな縄文人にもなったような気分で、楽しくやっている。これからは、ひとそれぞれが、自分のやりたいこと、やっていて楽しいことを
して、そのまわりを明るく元気にする・・・そんな小さなことが、優美に広がって
いく、そんな時代になるのではないか、と思ったりする。
なにか小さくても美しいものを形にする、そんなイメージ。

英語で蕎麦会

2009-01-13 06:42:06 | Weblog
今日は「英語で蕎麦会」の初日。初英蕎麦会。
明日は「初ねんど会」
金曜日が、「初個展会」
土曜日は、「初煎会」。これは、表参道にある織田流煎茶道の茶室で毎年やっていて、昨年からは、蕎麦だげが参加している。

先日、京都から玉露が届いた。荒神口にある古いお茶やさんにいつも
頼んでいる。ぼくの通った立命館大学は、当時そのへんにあった。
広小路校舎といわれ、御所に隣接していて、御所や加茂川が近くて、
とてもいい環境だった。煎茶を楽しんだ頼山陽の最後の家も近所にある。荒神口には「シャンクレール」という有名なジャズ喫茶があった。それを少し「下る」と、「安兵衛」というおでんやがあった。当時の京都のおでんやには「ころ」があった。そのころを酒肴に伏見の名誉冠あたりを飲むと、大きな夢が体中に広がっていくような感じだった。

最近は玉露を飲むと、瞬間的に体中に玉露がまわり、精神が浄化されるような気持ちになってくる。天真庵の2階は、煎茶の茶室みたいに飾ってある。
そこではときどき、「小さな茶会」をやっている。今年は、なるべく多くの人に
お茶を広げていきたい、と思っている。

留鳥

2009-01-12 06:43:58 | Weblog
今週の金曜日、17日から25日まで小川怜子写真展「留鳥」というのが
天真庵で開催される。
渡り鳥に対して、日本にずっと住んでいる鳥を留鳥という。
墨田区は緑が多いので、鳥がたくさんいる。
お店の前には、毎日雀がいるし、カラスもごみの日にやってくる。
近くの公園には、しじゅうからや目白、やまがらの姿がよく見れる。ぼくは
小さいころから、この「やまがら」が大好きで、今でも声をきくだけで、
どこにいるかすぐ発見できる。

十間橋の川の柵には、ときどき、かもめが、水兵みたいにならんで
ただづんでいる。花火大会のときは、商店街には、焼き鳥もいっぱい
並んでいる。夜中には、千鳥足のよっぱらいの姿も・・

デジタルカメラや、携帯のカメラのおかげで、一億総カメラマン、
みたいな時代だけど、ちゃんとテーマを持って写真を撮ってる人の
写真は、見るものを感動させてくれる。
不思議だけど、写真はファインダーの手前の人の「気持ち」が写って
いるのだ。ときどきは、そんな写真を見ないと、座標軸の位置が
狂ったままになる。

25日(日)は、お店は端唄の会があるので、「貸切」になります。


花泉

2009-01-11 07:01:21 | Weblog
昨日は、夕方新婚さんいらっしゃい、みたいに天真庵に
かかわりの深い新婚さんが二組きた。
ひとくみは、いつものようにカウンターにすわり、
お互いに「いつもの」と阿吽の呼吸で目配りをした。
ので、いつもの「文膳」が始まった。

最初に、「花泉」のにごりをあけた。南会津の銘酒。
ここの一口万「ひとろまん」という無濾過の酒があるけど、
これは筆舌が及ばないくらいに、美味い。

昨日は珍事があった。中国人がカウンターに座って
「初めて蕎麦を食べます」というので、ざる蕎麦を出した。
うちの蕎麦は、久保さんの絵志野の四方皿に笊をのせ、そこに
蕎麦を盛るスタイル。その盛った蕎麦に、蕎麦猪口のつけ汁を
かけて、食べようとしたのだ。中国4千年のDNAが、そうさせたの
だろう。

そういえば、パリの「YEN」という店で料理長をやっている長屋君が
、昨年帰国したときにそんなことをいっていた。
「パリジェンヌは、よく笊の上に汁をかけるんですよ」。
でもあちらの店は、テーブルの上に直接笊をおくので、テーブル
が汚れるらしい。
食文化というものは、長い時間をかけて育まれていくものだ。




まいぐいのみ

2009-01-10 06:49:21 | Weblog
昨日は雪がふるくらい寒かった。
天気予報で「雪」とか「雨」とかになると、街を歩く
人がめっきりすくなくなる。そんな日は、ストーブで、
「がめに」をやったり、「すじ大根」などをゆっくり料理
しながら火が暮れるのを待つ。

そんな「やさしい時間」にいると、青年がやってきた。
外資に勤めていたのだが、昨年末に会社の都合により、
突然解雇され、再就職活動に孤軍奮闘している様子。
昨日はある会社の面接にいって、いい手ごたえだったらしく、
少しはやめの「前祝い」とばかりに、生まれてはじめて
「熱燗を飲みます」というので、とっておきの「田人」
を備前に入れ燗にして出した。
すると、青年が徳利の胴あたりをもって、
ぐい飲みに注ごうとしたので、
「こうやってつぐのだ」と、徳利の首をつまんで、教えて
あげた。

この青年は、最初にお店に来た時に、ハートランドビールを
2本飲んだ。「もう一本」といったので、「そんな、バカな飲み
かたはやめなさい」とやさしくなだめて、お酒をすすめた。
確か「飛露喜」だったと思う。その時、はじめて日本酒を飲んだ
らしい。それ以来ビールを所望せず、お酒を飲むようになった。

そしてきのうは、久保さんの織部の六角盃を買って、それに
いれて飲んだ。「大人になった気分」といいながら、
幸せそうな様子。それを見ているこちらまでが、幸せな気分になる。

その後は、大塚の「江戸一」なんかでよく飲んだ友達が飲みにきた。
斑唐津に酒を注いで飲む格好が、やはり様になっている。
お酒の飲み方には、人生とか人格がでるもんだ。