長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

まいぐいのみ

2009-01-10 06:49:21 | Weblog
昨日は雪がふるくらい寒かった。
天気予報で「雪」とか「雨」とかになると、街を歩く
人がめっきりすくなくなる。そんな日は、ストーブで、
「がめに」をやったり、「すじ大根」などをゆっくり料理
しながら火が暮れるのを待つ。

そんな「やさしい時間」にいると、青年がやってきた。
外資に勤めていたのだが、昨年末に会社の都合により、
突然解雇され、再就職活動に孤軍奮闘している様子。
昨日はある会社の面接にいって、いい手ごたえだったらしく、
少しはやめの「前祝い」とばかりに、生まれてはじめて
「熱燗を飲みます」というので、とっておきの「田人」
を備前に入れ燗にして出した。
すると、青年が徳利の胴あたりをもって、
ぐい飲みに注ごうとしたので、
「こうやってつぐのだ」と、徳利の首をつまんで、教えて
あげた。

この青年は、最初にお店に来た時に、ハートランドビールを
2本飲んだ。「もう一本」といったので、「そんな、バカな飲み
かたはやめなさい」とやさしくなだめて、お酒をすすめた。
確か「飛露喜」だったと思う。その時、はじめて日本酒を飲んだ
らしい。それ以来ビールを所望せず、お酒を飲むようになった。

そしてきのうは、久保さんの織部の六角盃を買って、それに
いれて飲んだ。「大人になった気分」といいながら、
幸せそうな様子。それを見ているこちらまでが、幸せな気分になる。

その後は、大塚の「江戸一」なんかでよく飲んだ友達が飲みにきた。
斑唐津に酒を注いで飲む格好が、やはり様になっている。
お酒の飲み方には、人生とか人格がでるもんだ。