長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

沈丁花

2009-02-19 09:18:06 | Weblog
田舎から沈丁花がおくられてきた。
さっそく鉢に植え替えて、お店の前に飾ってみた。
風にのって、沈丁花の香りがすると、「春近し」と幸せな気持ちになるものだ。
ちかごろの子供たちは、金木犀や沈丁花の
香りがすると、「トイレのにおいだ」と勘違い
するらしい。ほんものよりも、芳香剤のニオイ
のほうが、身近なものだから。

いつか、コーヒーの生豆をビンに入れて陳列していたら、
「この白い豆を飲んでみたい」というお客さんがいた。
それを焼いてコーヒー豆にすることを説明した。
昔から「一物一体」といわれてきた。
ひとつのものをぜんぶいただく、と、バランスがいい、
みたいな意味。
わかりやすきいえば、魚を切り身で買って食べるより、
めざしみたいに、一匹を頭からまるかじりしたほうがいい
ようなものだ。街の魚屋さんがなくなって、スーパーの
切り身しか見たことない子供たちは、魚は切り身で海
の中を泳いでいる、と思っている子もたくさんいるのでは
なかろうか?

大量生産して薄利多売な商売が主流だったけど、これからは、
ひとつひとつのものを、お客さんといっしょに作り上げて
いくような時代になっていくのではないかと思う。
「個」の時代。それぞれ自分をじっくり見つめて、磨きあげていく時代。
「心見つめて歩く」人、やさしさを広げていける人が活躍する時代。
沈丁花の香りが心に滲みる。


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