長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

風流な週末

2012-07-01 08:38:22 | Weblog
昨日は「お花のお稽古」
この日は、二階をかたしたり、お店の花を生けなおしたり、
自分も稽古をするので、前日から用意周到にしておく。
朝5時には蕎麦をうたなければ、間に合わないし、焙煎も5・6回はしたい。
そして、夜のコンサートの分まで、朝のうちに用意し・・・

そんな感じで、「夏のかきつばた」を生けた。
寸胴に水を8分目ほど入れ、「くばり」をつくる。
悩みがあると、考えもせず、すぐに携帯をつかったり、ツイッターで
「よわった、ボリボリ・・・」みたいなことをやるので、人間が軽薄に
なるよいに、けんざんに花をさす、みたいな便利さを求めると、花が
死んでしまう。枯れた木をナイフやはさみで、削ってVの字をつくり、
寸胴にはめる。これが「くばり」、つまり土台だ。
土台がしっかりしていないと、砂上の楼閣みたいなものしかできない。
「きめる」ところを、きめないと、何事も授受しない。
そんな人生の肝要なことを「花」や「お茶」など、日本の習い事は
教えてくれる。
夏のかきつばたは、日本の夏の暑さを吹き飛ばすように、涼やかで、優美な
たたずまいを醸し出してくれる。きんちょーるがなくても、「日本の夏」だ。

浴衣をきた美人と酒を酌み交わしたような優雅な気分で、開店の準備をする。
開店と同時に、そんな気持ちが吹き飛ばされるくらいに、大混雑になり、
また2時ころ蕎麦が売り切れた。連続KO負けの気分。
5時閉店では、夜の蕎麦が間に合わないので、4時に閉店して、お客さんが
まだカウンターにいるのに、蕎麦を打つ。でも蕎麦打ちと、焙煎は、どんな
時でも、気持ちが集中して、異次元の世界へいざなってくれる。


そば通は だれはばかることなく 音で喰う

夜は、蕎麦を手繰る元気な音を聴いた後、薩摩琵琶と尺八のコンサートになった。
珍しい組み合わせだけど、どちらも幽玄なまんだら世界へ、一秒で
迷い込む、といった感じの音色だ。
大きな自然の気の流れに、笹舟を浮かべて、酒でも飲みながら、風流に
さらされとその流れにまかせる。そんな情緒がある。

演奏が終わった後、星野村から届いた今年の新茶の玉露を、ガラスの急須で
冷やして、みなで飲んだ。一瞬にして、体中の毛細血管まで玉露の甘露が染みて
酔っ払いそうだ。
この世なのかあの世なのか区別ができないくらいの不思議な世界を逍遥する。

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