長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

君の文章は、チンポがたつみたいに、元気になる。

2011-09-21 11:34:00 | Weblog
そんなことを昔、九州の先輩にほめられた。

昨日は「書の会」だった。
いつものように、禅僧のようなふうたいの貞本さんがやってきた。
ちょうど、同じタイミングで陶芸家の渡辺愛子さんがカウンターに
とまって、蕎麦を手繰っていた。
そこに、竹信堂の黒崎さんがやってきて、大きな額縁をくれた。
そこに、貞本さんの揮毫した「白雲幽石を抱く」に落款をして、
額に入れた。愛子お嬢が、「ええ字ですね」と、口の落款を押して
くれた。

「白雲幽石を抱く」は、寒山詩の代表的な詩。
池袋で寒山拾得の画廊、つまり天真庵をつくった時に、岐阜の陶芸家・
青山禮三さんを訪ねたことがある。あることで、自分が悩んでいる時に、
そのころ80歳を超えた老僧のような翁に、この詩をしみじみ味わって
みろ、と渇をいれられた。
深山幽谷の岩山を白い雲が抱く。人生にはいろいろなことがあるが、
あの自然のように、一物一体、というか、清濁併せ呑む大きな懐、
みたいな心境になれ、みたいなイメージを浮かべ、自分の悩んでいる
ことの小ささを恥じた。

そんな話をカウンター越しに、お嬢と話ていた。貞本さんとすこし
飲んでいたので、舌が饒舌になり、「福」と「寿」の話をした。
昔、この「ひとりごと」に書いたのいで、あとは、昔の自分の文を
引用する。

・・・(略)「草の頭窯」の青山禮三さん(86 歳)の個展に10月10日、台風が夕方上陸した日の昼に訪ねた。彼は煎茶茶碗によく 「百福文字」や「百寿文字」を書く。「福」という字は、「田んぼの上に一口と書い てある。示偏 は、神様にお供えする棚を表す。自分が耕す田んぼの恵がたとえ少なかろうが、一 口、神様に感謝の意をこめて捧げられれば、幸福」というような意味らしい。「いい 字だな~」とうなった。86歳でペースメーカを使っている禮三翁が饒舌になった。 「野村さん、寿という字はもっといいよ。あれは田んぼの上に男が立ってる象形文字 なんじゃ」と言うので、また同じような縁起の話だと思って黙ってうなずいている と、「男が立っているといっても、意味が深いんじゃ。つまりチンポがたっているん じゃ」ということだった。「瑞宝単光章」という勲章をたまわった人の言葉だけに 「ありがたく」、そのままご紹介した。そんな話を昼間から大きな声で話していたの で、伊勢丹の女性の店員さんたちが、聞こえぬふりして、近くで噴出しながら話を聞 いていた。やはりチンポがたつような話は「寿」(おめでたい)。し、ひとつのこと を極める人たちにふれることは、学ぶこと多し。

90歳を超えても、矍鑠と生きておられる「力」の源が、このへんにある。感謝。



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