海賊・・・の映画を見ている時にポケットの中がブルッと震えた。
「今日グランドオープンになりました」とのショートメール。二年もの間「卒啄珈琲塾」に通ってこられたお弟子さまから。
映画が終わった足で、そこへ向かう。「いちかわママ」。お店の名前は「珈琲飄々」。若い人たちは「ヒューヒュー」
と呼ぶ人もいるらしいが、「ひょうひょう」です。そこの主人は豹柄のパンツをはいている。ウソ!
京成の「市川真間」駅か、JRの「市川」でおりる。最初に聞いた時は、
きれいなママさんがいるスナックをイメージした。
錦糸町駅からJRの快速にのって二駅で市川につく。
北口から「真間」方面を目指すと、古い石の標榜がたっていて「日蓮宗真間弘法寺」
と書いてある。日蓮さんと弘法さんが同居したようなへんな寺だが、「こうぼうじ」ではなく「ぐほうじ」という。
そのへ向かう道が「大門通り」という。お寺の凛然とした空気が流れるいい小路だ。駅から徒歩10分ほどで、
右手に、小料理屋風の和風の素敵な白いのれんがでたお店があり、小さな看板に「珈琲飄々」と書いてある。
カウンターを中心にしたお店で、BGMは、グレングールドのピアノが流れていた。珈琲を飲むのに、邪魔にならぬ
いい選曲だ。「ほぼぶらじるください」といってはいけない。「ブレンドください」というと、主人がていねいにいれてくれる。
カウンターの後ろには本棚があり、お客さまが自由に本を片手に珈琲時間を過ごす。
カウンターがいっぱいだったので、こあがりのちゃぶ台の席に座り、本棚から「ちゃぶだい」なる雑誌を見つけ、
ブレンドを飲む。こんな優雅な時間を過ごせる「贅」こそ至福の時間だ。飲んだ後は、弘法寺にお参りするのもおすすめ。
2月いっぱいまでは無休で営業するらしい。朝は10時半、閉店が19時。わざわざいく価値のあるお店だ。
カウンターの上には久保さんの焼き締めの「珈琲ドリポット」が鎮座してあり、いい空気感を醸し出している。