近所に元・浅草芸者の「たまちゃん」が越してきた。
齢(よわい)85歳。まだまだ現役で浅草の演芸場や寄席などから声
がかかると、戦闘服よろしく着物に、鉄砲、もとい三味線をかかえてどこでも
飛んでいく。ちゃきちゃきの江戸っ子で、蕎麦の手繰り方も粋だ。
先日は「大向こう」について話してくれた。歌舞伎で「成田屋!」とか「音羽屋!」
という掛け声。お彼女も歌舞伎座でよくやるらしく、「おとわや」の場合、「お」を飲みこみ、
「◎っとわや!」とやるのが通人の掛け声らしい。
今でも通人をうならせる、という意味で「大向こうをうならせる」というのがあるが、
この辺から慣用句になったに違いない。
日本料理にも「向附け」というのがあるが、いろいろ和の文化の大切なものがなくなりつつある。
そんな話をしていたら、カルフォルニアからスティーブがやってきて、元気に蕎麦を手繰りながら、
「イサキが美味い季節になってうれしい」と、流暢な英語でのたまわった。
日本に出張、といっても真夏をのぞいて毎月のようにやってくるけど、東京では目黒のホテル
を定宿にし、朝は築地のぼうすし屋で(棒鮨ではない、ある鮨屋)鮨をつまみ、昼飯を天真庵(本人はテンチーン、という)
で蕎麦を手繰る。彼がやってくると、お店の中が「英会話学校」になる。
明日のフライトで帰るので、今回は木曜日の「気骨の鮨会」には参加できないけど、「サムデイ・・・」
を楽しみにしておられる。
日曜日は16時閉店。夕方は「がんばれ若者!鬼の蕎麦教室」
月曜日は朝が「卵かけごはん」夜は「順受の会」 孟子を勉強中。
「自暴自棄」になっている人が多いが、この言葉は孟子の言葉。
「良心」というの彼の言葉で、生涯性善説を唱えた人。
29日(木)「気骨の鮨会」 月に一度、佐賀のがばいじいちゃんが来て、ホンモノの鮨を食べる会。
30日(金)「ダメ中」月に一度、名古屋からまいこ先生がやってきて、楽しい中国語講座。
31日(土)「インヨガ」
もうすぐ5月も終わる。
6月7日(土)はももちゃんの「薩摩琵琶のコンサート」
杜子春といっしょに、耳なし芳一も読み返した。日本の民話
や古典はほんとうにおもしろい。日本人の情操哲学を育んできたもの。
これを読んでももちゃんの薩摩琵琶を聴くと、日本人に生まれてきて
よかったと思う。菊池寛の「三人兄弟」もよかった。直木賞、芥川賞をつくった人でもある。