長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

玄蕎麦の生粉打ち

2010-11-23 07:52:00 | Weblog
天真庵の蕎麦は、元気な蕎麦屋「そば源」さんから譲ってもらっている。
目白の有名な骨董屋のsさんが、隠れ家のような蕎麦屋を紹介してくれ、
その蕎麦屋の蕎麦にひとめぼれして、そば源さんに繋がった。
酒々井のお店の前には、蕎麦畑があって、白い花がさくころは、仕事が
手につかず、そわそわ、うきうきしながら、時間があれば、眺めているような
、蕎麦バカというか、キチというか、なかなかの奇人だ。

そば源さんは、弟子を含め、玄蕎麦の生粉打ちを得意にしている。
昨日のブログに書いたものだ。二度と打ちたくない、と思っていた。
昨日のダメ中の締めに、それを出した。勉強会の蕎麦は、久保さんの
伊賀の大皿に盛って、普茶料理(煎茶の世界の精進料理で、大きなお皿
に料理を盛りつけ、みんなで平等に命を分け合うようなスタイル。隠元
和尚が黄檗禅を宇治にもってきた時、煎茶と普茶料理も伝えた。いんげん豆
ももちろん隠元さんがもってきた。煎茶は中国の影響を多分にもっている)
のような格好でやるのがならわし。おそるおそる、玄そばをだしたら、
意外に好評だった。またいつか挑戦したいと思う。

そば源さんのお店には、主人が揮毫した書が、あちこちに飾ってある。
あまりうまい字ではないが、主人のこころいきが吐露されていて、
味わい深い。「蕎麦よ、おまえはぼくに石臼でひかれ、手でこねられ、
のし棒でのされ、最後に包丁で切られる。ああ、蕎麦よ・・・」
みたいな書がある。まるで、天塩にかけた娘を嫁に出す時に歌う
「長持歌」さながらだ。

♪蝶よ花よと 育てた娘
  今日は他人の 手に渡す

  故郷恋しと 思うな娘
  故郷当座の 仮の宿

アー ヤレヤレ という掛け声が、哀愁があっていい。

どんな人でも毎日、アー ヤレヤレ というようなことが多い
と思う。昔から日本人は、そうやって生きてきたのだ。

今日は「エリカ庵」だ。アーヤレヤレな体を、らくらくに
してくれる日。12時開店。