長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ねんどの日

2009-02-10 06:14:13 | Weblog
昨日はねんどの日。
多士済々の女性(男がひとり)たちが、10人きた。
片付けが終わったとき、おいしい羊羹を食べた。
お昼から何も食べてなかったので、心の毛細血管までしみた。
その男性が、お昼に人形町のあるお茶屋さんで食事をした時に、
そこの女将に「今日の夕方ねんどをしにいくんです」と話たら、
「どこで?」と問われ、「天真庵というとこです」と答えたら
「えぇ~押上げのあの天真庵」ということになり、その羊羹が
「では、これを庵主に届けてください・・」という話になったみたい。

「無駄のない縁」で繋がっている人たち。

人は、「おそくもはやくもなく、ちょうどいいタイミングで
出会うようになっている」のだとつくづく思う。

お昼に「りんたろう君」が蕎麦を手繰りにきた。
最近は、すこしカブイていて、歌舞伎とか着物なんかに
はまっている。もちろん、蕎麦を手繰る前の「そば前」
をやるときは、きまって日本酒を所望する。
昨日は「上喜元の翁」を美味しそうに飲んでいた。
傍らに、これから翁系のお店で修行する若者が座っていた。
りんたろう君がヨーロッパから帰国し、押上げに住み、
一昨年の年末に天真庵にきてから、不思議なことが
いっぱいおきる。大晦日は、カウンターに座った人がみな
音楽家だったり、そのつながりでコンサートをやったり・・
4月1日は、墨田トリフォニーフォールでコンサートだ。

なにを隠そう、ぼくも翁系のお店(達磨 注・高橋さんは翁という
蕎麦屋を東京でつくり、山梨に移転した後、広島に達磨をつくった)
で修行した。

広島達磨を設計した建築家の白井さんが、ぼくの「美意識の師匠」だ。
彼の父は、かの有名な建築家・白井晟一さん。
松涛美術館や芹沢美術館などを設計した人だ。広島の達磨には、
「達磨」という書が掲げれれている。もちろん白井さんの書。
「翁」という超繁盛店を捨て、退路をたって、広島の山の中に
「蕎麦の道場を作ろう」と決心した師匠のこころざしが伝わってくる。
誰も気づかないけど、天真庵の二階に飾ってある「生」も白井さんの
代表的な書。みんな、生きとし生けるものは、息をしている間は生きて
いる。どんなに大変な世の中になっても、生きて生きて生き抜きたいものだ。