天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

夕涼み・・・

2018年07月24日 19時39分38秒 | 日記
 昨日、「夕涼み よくぞ男に 生まれけり」の句を書きました。
 その時、書こうかと思ったのですが、長くなりそうなので、止めました。
 その事について、今日は書きます。

 夕顔棚納涼図屏風と題する絵があります。
 国宝になっていますので、ご存知の方も多いかと思います。
 所蔵している東京国立博物館では、納涼図屏風とのタイトルになっています。
 ネットで見る事が出来ますので、ご覧頂ければと思います。
 http://www.emuseum.jp/detail/100160/000/000?mode=simple&

 作者は、江戸時代前期の狩野派の絵師の久隅守景です。
 狩野探幽の弟子で、最も優秀な後継者とされていて、探幽の姪と結婚しています。
 その後、狩野派と距離を置くようになり、加賀に渡って制作活動を続けました。
 生没年など明らかになっていませんが、宝井其角と同時代である事は間違いありません。
 夕顔の棚の下で、夕涼みしている親子3人の絵です。
 男は浴衣のような着物を着ていますが、脇に座る女性は腰巻一つです。
 この女性が男の妻なのか、娘なのか説が分かれています。
 僕には妻のように見えますが、いかがでしょうか?

 この絵は、豊臣政権の時に小浜城主だった歌人の
 木下長嘯子の歌に基づくと言われています。
 「夕顔の咲ける軒端の下涼み 男はててれ 女(め)はふたの物」
 「ててれ」は褌または粗衣のことで、「ふたの物」は腰巻きです。
 長嘯子は「天下至楽」の光景としてこの歌を詠んだとの事です。
 この長閑さは、一つの理想なのかも知れません。

 江戸時代の初期には、
 女性も夕涼みの時、このようなリラックスした格好だった人もいたのかも知れません。
 そうなると、其角の俳句は何を詠んでいるのかと言う気になります。
 あるいは、久隅守景の絵は農村の姿で、
 其角の俳句は江戸の町の様子なのかも知れません。
 どなたか詳しい方はいらっしゃらないでしょうか?
 
コメント
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