ベースアップ・・・

　今年の春闘は昨日、主要企業の集中回答日でした。
　政府が賃上げを強く迫ったことから、６年ぶりにベアを実施し、
　高額な回答が続いたと報じられています。
　一昨日には、甘利経済再生担当大臣が記者会見で、
　「（賃上げを実施しない企業に対しては）経済産業省から何らかの対応がある」と述べ、
　ペナルティを課す可能性があることを示唆していますが、
　それだけ安倍政権が熱心に取り組んでいるのだから、
　一応は協力しておこうと言う気分なのではないかと思います。

　今年の確定申告をされた方はお気づきの事と思いますが、
　個人には復興特別所得税が所得税額の2.1％上乗せ課税されています。
　しかもこの税金は今後25年間継続する事になります。
　それに対して復興特別法人税は、
　2012年（平成24年）４月１日から2015年 (平成27年)３月31日までの３年間、
　法人税の10％上乗せ課税されていた訳ですが、１年前倒しで廃止されました。
　経済界の要求を入れてくれたのだからとの事もあったかも知れません。

　給料が上がる事は、僕は経済の面からも働く人のモチベーションの面からも、
　良い事だと思っています。
　しかし、このベアが一部大手企業に限った事だとすると、
　益々格差が広がる事になりかねません。

　大手企業はベースアップによって、当然の事ながらコストが上がります。
　国際的な競争に勝つため、この増を抑えようとすると、
　下請け企業や部品を納入する中小企業に更なるコスト削減を求めかねません。
　それでなくても、もうすぐ消費税が５％から８％に引き上げられる訳ですが、
　これを大企業向けの価格に上乗せ出来るのかどうかも不透明な状況にあります。
　消費税の増分や社員のベースアップ分を反映出来ないと、
　安倍政権が望んでいる景気の好転も絵に描いた餅になりかねません。
　果たしてどうなるでしょうか？