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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

レベル7

2011-04-12 09:29:57 | Weblog

ついにというか、やっぱりというか、福島原発事故は正式にレベル7の発表をした。
発生当初から1時間当たり最大1万テラベクレル(テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質を放出していた・・・今頃になって。
あの時「建屋の屋根は吹き飛ぶように設計されています」と、信じられないほど楽観的な解説だった。
そのわりに収束どころか、日に日に状況は深刻化していき、疑念はどんどん膨れ上がっていく。
チェルノブイリ事故のことは知っていても何も分からないので、図書館書庫から1988年に出版された「ぼくが原発に反対する理由」を借りてきた。
タイトルのみで選んだのだが、偶然にも東芝エンジニアリングで原発設計技師として働いていた時、福島・女川原発にも携わっていた西岡孝彦さんが後に記者となって書いた本だった。

『初期の原発も最新鋭の原発も、機器の形状や機能にはほとんど変化がない。
それは原子力産業が技術を進歩させるノウハウをもっていないからで、それだけ原子力のもつ底知れぬパワーに恐怖を抱いているからだ。』
『大事故は起こらないのが前提で、巨大原発は作られている。事故が起こる可能性を考えると原発を運転することが出来ないのである』
原発は一番に安全性を重視されるのだと思っていたが、コストダウンをはかりできるだけ多くの利を生むよう経済性重視の他の商品と変わらなかった。

松岡信夫さんの「ドキュメント チェルノブイリ」も読んだのだが、旧ソ連で起きた事故だから日本とは違うと思っていたことはまったくの間違いだった。
今の日本政府の対応は、この事故をなぞっているようにすら思える。