MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

English Express 最新号など

2009年03月15日 | Weblog

毎月送ってもらっているEnglish Express』(どうもありがとうございます)の四月号にはオバマ大統領の就任演説が映像つきで収録されている。画面の下の方に英語の字幕が出るから、リスニングやサイトラ、通訳の練習などいろいろな学習に利用できる。英語学習誌と言えばオーディオカセットテープだけだった頃を考えると隔世の感がある。この雑誌の創刊は1987年。創刊号には当時JCTVでCNNの翻訳や通訳をやっていたメンバーが大挙して参加していて、その連中の面白い写真がついている。(わたくしもその中におります。)
今月号の記事の中に「「オバマ演説集」が日本で大人気!CNN
が編集部に突撃取材」というのがあり、山本編集長が顔出ししている。(こちらは映像はないが本誌に写真はある。)

雑誌『ユリイカ』3月号は諸星大二郎の特集号だ。「月刊彷書」で特集が組まれたことがあったらしいが、これだけ大規模な特集は初めてだろう。幻の初期作品(1970年の五席入選の作品で、2頁しか掲載されなかった)が、13頁全部掲載されている。諸星大二郎は日本のマンガの歴史上重要な作家だと思うのだが、映画(『奇談』など)やテレビドラマ(『栞と紙魚子の怪奇事件簿』)になっても受けないし、若い人もあまり知らないようなのだ(*)。(「おらといっしょにぱらいそさいくだ!!」が通じない。)もっとも、とりみきの自伝的作品「あしたのために」(『犬家の一族』所収)の中で、高校時代のとりみきが好きなマンガに「妖怪ハンター」を挙げて同級生から引かれる場面が出てくるから、一般受けしないのは昔からのようだ。そういえば安野モヨコの『監督不行届』でもオタよめ(おたくの嫁)教育第一弾として、カントクくん(庵野秀明)に「まずは諸星大二郎全制覇!」と言われていたのだった。
ところで、個人的に好きな作品系列は妖怪ハンターシリーズなのだが、『魔障ヶ岳』(2005)以降は『妖怪変化 京極堂トリビュート』(2007)に「百鬼夜行イン」があるだけなので、ややフラストレーションがたまる。

*(追記):伊藤剛が同じような感想を書いていた。世代間の「いま」意識の違いのせいではないかと言うけれど、継承のメディアの問題ではないかな。「日本近代文学史」とか「哲学の歴史」のような教科書的なものがあれば若い読者のリテラシーも変化するのでは。手塚治虫や水木しげるの本ばかり出ても仕方がないだろう。(ちなみに天才として神格化されている手塚だが、昭和30年代からリアルタイムで読んでいた僕にとってはとりたてて大きな存在ではなく、one of themにすぎない。)


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