MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

Facebookはこちらです。

Crownという雑誌

2019年04月03日 | 雑想

1946年に『Crown』という雑誌が創刊されている。翌年から月刊になり、1948年までは続いたようだ。出版していたのは「銀座出版社」というところ。国会図書館にはプランゲ文庫に大体ある。このうち27冊を入手した。最初は30ページほどだが、最終的には50ページぐらいまでになった。内容はかつての『時事英語研究』によく似ている。アメリカ英語が中心で、時事的な英文エッセイやアメリカの文化的知識、映画のシナリオ、米会話、英文和訳、和文英訳などである。実用英語の雑誌と言っていいだろう。編集後記を見ると「通訳、翻訳当事者の活躍は注目に値する。彼等個人の語学力がそのまゝ国際的に影響してくる」とか「学業成績優秀な諸君は希望により中央連絡事務所や進駐軍関係に就職を斡旋します」などの記述がある。どうやら外務省終戦連絡事務所とのパイプがあったらしい。執筆しているのは、戦前の有名な英語関係者では勝㑨銓吉郎ぐらいのものだ(勝㑨も実用英語の人だ)。中心になっていたのは佐藤佐市という人で、米会話の著書が何冊かある。


研究所開設準備

2019年03月17日 | 雑想

やるやる言ってて、2年間もやっていなかった研究所開設に向け、HPを作っています。安いHP作製ソフトで作り始めたところ、これが使い物にならず、また今さらタグを打つのも気が重いのでやむなくネット上にある無料のソフトを使用。こちらは直感的にできることが多く、なかなか良い。HPと言っても簡単なものでいいし、あとは別のところに置くPDFなどにリンクすればほとんど容量もいらない。誤解のないように言っておくと、あくまで「私設」研究所で、ほとんどシャレですのであまり期待しないように。


明治時代の語学学習ノート

2017年04月23日 | 雑想

『独逸語譯觧副手簿』(明治三二年)を何だかわからないままに入手。どうやら陸軍士官学校の生徒がドイツ語を学んだ時のノートらしく、鉛筆で書かれている。内容は教材の読本を全訳しようとしたもので、当時の訳読法が分かる。たとえば冒頭に「序言」とあり、第一文は「自ラ私ガ1870カラ1871年ノ戦役ニ於テ見受ケシタ所ノコトヲ大言スル爲ニ私ガ此小冊子ヲ著述セナンダ.」となっている。おそらく「この小冊子を書いたのは私が1870年から1871年の戦争で自ら見聞したことを大言壮語するためではない。」という意味だろう。漢語の語彙の水準は比較的高い。文中のこの戦争とは普仏戦争のこと。なお、陸軍士官学校の外国語科目は、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語から一つを選択することになっていた。

 

いわき市久之浜町の被災状況(まとめ)

2011年04月26日 | 雑想

多忙にかまけてずいぶん間が空いてしまいましたが、先日いわき市の村岡福祉医療総合研究所の村岡寛さん(元もろびと舎)から写真の提供をうけましたので紹介させていただきます。

3月22日漁港にて

茫然1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漁港

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下は3月11日当日の亀屋旅館の火災

亀や

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、その後相当数の映像がYoutubeに投稿されていますので、主要なURLをまとめておきます。

http://www.youtube.com/watch?v=nDqKfyxvrzU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=qqQWIIxO9OU&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=j5vvNHYTZ2c&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=tNdmxdVCJlU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=PVbVEJylPNA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=nlVCTgu_5HM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=sPhwNXRzU1M&feature=related


いわき市から戻る

2011年03月18日 | 雑想

先ほどいわき市から帰りました。とりあえず川内村から避難した作家たくきよしみつさんのこのページと、そこでもリンクされている民間ボランティアチームのサイトの情報拡散をお願いします。

行きは両手に紙おむつを抱えて羽田から福島空港に行き、そこからタクシーでいわき市の姉の家に。実は前日四倉町にある母の入院していた病院が閉鎖になったため、母を姉の家に移しました。(病院も津波の被害で一階が砂と泥。スタッフも長靴を履いていたとのこと。水も食料もなく自家発電も限界に来たため、やむを得ず閉鎖。)避難した妹たちと母は元気でひとまず安心しました。いわき市は何よりもガソリンその他の物資が底をついており、外からも入っていない状況です。

帰りの飛行機の便はターミナルに泊まってキャンセル待ちになるため、最悪の場合、日立まで何とかたどり着いて、そこからバスという方法を考えていましたが、幸い今日からJR長距離バスが運行を始めるというので、列(500人ぐらい)に並び、乗ることができました。いわき中央から常磐自動車道に入ると走っている車はほとんどない状態でした。道は茨城県に入ってからがひどく、盛り上がっていたり、亀裂が入ったりしています。対向車線はもっぱら緊急車両だけのようですが、すれ違ったタンクローリー車は3台ぐらい。なぜ常磐自動車道を使って物資を運ばないのか不思議です。(あるいは県知事も言っていたように、福島空港からも運べます。)

わが久之浜町の被災直後の写真はこちら。右下に小さく写っている緑の部分が駅の跨線橋です。実家の位置は左上の歩道橋からさらに左に30メートルほどのところにあり、津波と地震の被害は免れました。とりあえずここまでアップしておきます。


ボランティア通訳者求む

2011年03月16日 | 雑想

内田順子さんから東北関東大震災救援活動のためのボランティア通訳者を募るメールが届きました。以下に転載します。

日本翻訳者協会(JAT)では今回の東北地方太平洋沖地震を受け、会員の間で通訳・翻訳スキルを被災者支援のために役立てようという活動生まれており、その一環として下記のメールが会員メーリングリストに投稿されました。
1時間前に受け取ったメールですが、その時点ではまだ通訳者の手配ができていないようです。
海外在住のため、直接貢献することはできませんが、JAITS関係者の方で関心のある方がおられればと思い転送させていただきました。
また、国境なき医師団日本でも医療通訳者を募集しているようです。
http://www.msf.or.jp/work/Japanese/index.html

From:    Phil Robertson <philrobr@inter.net>
To:      jat-list@jat.org
CC:    
Date:    Tue, 15 Mar 2011 15:31:53 +0900
Subject: Volunteer interpreter needed at Haneda tomorrow early a.m.
----
Dear All,

Would any of our volunteer interpreters be willing and able to meet a 12-member NPO group coming in from Scotland tomorrow morning, arriving at Haneda at 5:00 a.m.?
(Have been going through the list calling people, but not having any luck).
The group is from an NPO called International Rescue Corps, and their speciality is providing information to the authorities on the needs of the local population.
If you would able to do this, please e-mail me at <phil@honyaku-plus.com> or call me on 090-5553-7347 to coordinate.

TiA
Phil




良いお年を

2010年12月31日 | 雑想

さて、今年も終りです。出したかった『日本の翻訳論』も出せたし、まあいい年だったと思います。ただ10月以降猛烈に忙しかったのが反省点です。これはいろいろな原稿とか講演とか会議を後先考えずに引き受けたせい。来年は教育と研究に専念することにしよう。まず、いま抱えている翻訳研究のテーマにひと区切りつけて、通訳研究も徐々に進めないといけない。それから、来年から生活のリズムがちょっと変わるかもしれませんので、ブログの内容も若干変わる可能性があります。(情報だけは変わらずお伝えしますが。)

では皆様、よいお年を。(Nさん、年賀のご挨拶ありがとうございました。一日早いですけど。)


Video Editorなどで苦戦

2010年10月11日 | 雑想
相変わらず自転車操業の日々が続く。今年は学部で(理論ではなく)通訳そのものを教える授業をひとつ引き受けたので、教材が問題になるのだ。素材自体はそんなに苦労はしないのだが、そのままではスピードが速すぎたり、音量が小さすぎたり、片方のチャンネルに通訳者の音声が入っていたりするので、加工しなければならない。

以前主にオーディオテープやビデオテープを使っていた時には、やり方は簡単だった。(ピッチを変えずにスピードを落とすためのハードもあった。)ところが現在ではほとんど音声ファイルかビデオファイルを使う。ファイルの編集には当然オーディオ・エディターやビデオ・エディターを使うのだが、使い勝手が悪すぎる。マニュアルが不完全で日本語化もほとんどされていないし、英語で読んでもよくわからないのである。というより必要なことが書いてない。それでも音声の編集は何とかできるようになったが、問題はビデオファイルの音声処理だ。AVS Video Editorというのがどうにも使えない代物で往生した。いまだに使えないのでそれはあきらめ、別のソフトで音声(WAV)だけ取り出し、オーディオ・エディターで加工し、さらに別のソフトで映像と音声を合体させるという、実に迂遠な方法でやらざるをえない。どなたかAVS Video Editorでの音声加工に詳しい方がいたらご教授下さい。