MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

Facebookはこちらです。

ニック・ベイカーさん控訴審判決

2005年10月28日 | Weblog

ニック・ベイカーさんの控訴審の判決が出た。有罪、懲役11年、罰金300万円という大変残念な結果だった。15年、500万円という一審判決から一応減刑はされているが僅かなものだ。なお11年からはこれまでの服役分3年が差し引かれる。また罰金が払えない場合の換算、一日=一万円が一日=二万円になった。法廷の様子などは「ニック・ベイカーに正義を」の英語の部分を参照してください。支援者からの情報では、今回も通訳の正確性に関する問題も判断は原審と同じで、またしても(取り調べで通訳に当たった人間の)英検や国連英検の資格を引っ張り出しているのみならず、今回は通訳ガイドの資格まで引用されていたという。


お知らせなど

2005年10月25日 | 通訳研究

23日の例会(+コミュニティ通訳分科会)の模様がJapan Timesで記事になっている。ニック・ベイカーさんの控訴審判決公判は10月27日(木)午後1時30分から東京高裁の718号法廷です。

11月11日に東大の本郷キャンパスで「言語教育のための理論と方法論」という講演会が行われます。スピーカーはスウェーデンで医学的な見地から発音教育を研究・実践している Olle Kjellin(ウッレ・シェリン)博士と東京大学の峯松助教授の2人。英語教育に関心のある人向け。

日時:2005年11月11日(金) 15:00 ~ 17:40
会場:東京大学工学部2号館3階26号講義室

講演1 :15:00 ~ 16:00
タイトル:「発音カルテの作成とその応用」
講演者 :峯松信明 (東京大学 新領域 創成科学研究科 基盤情報学専攻 助教授)
使用言語:日本語

講演2 :16:10 ~ 17:40
タイトル: "Better pronunciation through Quality Repetition - theory and a
demo in Swedish"
講演者 : Olle Kjellin  MD, PhD, Dept of Neuropsychiatry, Vaxjo Mental
Hospital, and Dept of Swedish as a Second language, Vaxjo university
使用言語:英語+日本語(+スウェーデン語)

詳しくはこちらのサイトをごらん下さい。

『奇談』の公式サイトが充実してきた。予告編でこんなにクライマックスシーンを見せてしまっていいのだろうか。これを見ただけでもあの沢田研二主演の『ヒルコ』(笑)(この(笑)はどうしてもはずせないな)ははるかに凌駕していることが分かる。ノベライゼーションも本日発売。映画用に付け加えたプロットも悪くない。


「キューブサット物語」

2005年10月19日 | 

通訳理論研究会時代からの知り合いである川島レイさんから『キューブサット物語』(エクスナレッジ)を頂く。前作の『上がれ!空き缶衛星』(新潮社)では、軌道投入には至らなかったが、今度は実際に軌道を回る超小型衛星を自作する学生たちの感動的な物語である。写真もふんだんに使っていて文章も読みやすい。ちょっと残念なのは本屋で宇宙工学とか、目立たないところにおかれてしまうので見つけにくいこと。見つけたら手に取ってみてください。

16,17日と大学院の秋期入試の仕事をやっていた。応募者数があまり変わらないのでかなりの激戦。いつも言っていることだが、一番大事なのは研究計画書なのにその書き方がわかっていない人が多すぎる。書き方についての本もあるし、ネットでも書き方を解説したサイトがあるのに、単なる志望理由を書いている。そうなると面接の印象がとてもよくて合格させたいと思ってもどうしようもないのだ。研究計画書とは要するに修士論文の構想と考えるべきで、どんなテーマをどんな方法でどんなふうに書くかを説得的に書くこと。あまり壮大なテーマを掲げてもいけないし、抽象的な内容でもいけない。当然そのテーマについてある程度の予備的な勉強も必要だ。末尾には「適切な」(教員を納得させるような)参考文献をつける。(読んでいないものを挙げると内容を聞かれることがあるので注意。)

Multilingual Mattersの翻訳・通訳関連書の新刊4点。
Anderman, G. & Rogers, M. (2005). In and out of English: For Better, For Worse?
Long, L. (2005). Translation and Religion: Holy Untranslatable?
Zatlin, P. (2005) Theatrical Translation and Film Adaptation: A Practival View
Armstrong, N. (2005). Translation, Linguistics, Culture: A French-English Handbook
詳しくはこちらを。


「奇談」(=生命の樹)完成

2005年10月05日 | 雑想
ひさびさの更新ですがヒマネタ。待望久しい諸星大二郎の「生命の木」が原作の映画『奇談』がついに完成したようだ。(阿部寛の稗田礼二郎は短髪かよ。)公式サイトはまだ何もないが、ここが詳しい。多少の脚色はあるが、オムニバスにもしないでほぼ原作を踏襲しているようだ。「そもそもでうすと敬い奉るは、天地の御主、人間万物の御親にてましますなり」で始まる「世界開始の科の御伝え」の下敷きになっているのは、『キリシタン書・耶蘇書』(日本思想大系)所収の「天地始之事」。書き出しの一行はまったく同じだ。「ゑわ、あだん、じゆすへる」はここに出てくる。