MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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いわき市久之浜町被害状況

2011年03月27日 | Weblog

弟の車に物資を積んで再びいわき市に行ってきました。今度は前回行けなかった久之浜町(いわき市北端にあり、北に数百メートル行くと屋内避難地域になる)に入り、短時間でしたが被害の状況を撮影してきました。町全体の状況についてはここフォトギャラリーが最も写真が多くて分かりやすいが、それとは逆の方向から見た光景を記録しておくことにする。

海の方へ 海へB

町の北側、川沿いの道を海の方に向かうとがれきが道をふさいでいる。それを迂回すると今度は道が崩落している。

道路1 橋

地震でゆるんだところを津波が持って行ったのか。漁港に行く橋は残っているが、道路がなくなっている。

コンクリ破壊 その右側

この厚さのコンクリート壁が完全に破断されている。家が無事なように見えるが、右に目を転じてみると・・・

道の脇 駅の方角

津波で破壊された家々の残骸が折り重なったいる。駅の方向に向かう道路の部分だけ瓦礫が撤去されている。「捜索完了」の張り紙がブロックごとにあるが、行方不明者もまだ多い。

工場 駅前

破壊された工場と自動車。
津波はこのあたりの6号国道より西側(写真の右側)には到達しなかった。右奥の駅舎前は消防と警察車両の基地になっていた。現在町には電気、水道が通っておらず、復旧の目処も立っていない。被害を免れた自宅(この国道から約30メートル)の蛇口をひねってみたが、やっぱり水は出なかった。住民はどこかに避難しているようで、残っている人はほとんどいない。我が家の留守番をしている飼い猫(サイドバーに写真が常駐)がひっそりとした近所をパトロールしていた。(毎日エサは与えられている。)

 


第11回日本通訳翻訳学会年次大会の詳細

2010年08月23日 | Weblog

9月11日、12日に行われる日本通訳翻訳学会の第11回年次大会の詳細な情報をアップしました。学会のサイトのトップページから入れますが、直接行く場合は以下から。

ポスター
プログラム

発表要旨集

非会員の方の申込みはポスターから用紙をダウンロードし、メール添付でお送り下さい。なお、今年は11日が大東文化大学板橋キャンパス、12日が大東文化会館(東武東上線東武練馬駅近く)になりますのでご注意下さい。


MIIS TIJ 25周年記念シンポジウム プログラム確定など

2010年05月25日 | Weblog

6月20日に六本木国際文化会館講堂で開催される、モントレー国際大学(Monterey Institute of International Studies、MIIS)翻訳通訳大学院日本語(TIJ)プログラムの創設25周年記念シンポジウム「これからの通訳翻訳教育」のプログラムが確定しました。こちらをごらん下さい。

 KSCIのFORUM最新号(Vol.8 No.1, 2010)が届いた。10本の論文を収録している。なお、本日Editorial SecretaryのHyang-Ok Limさんからメールがあり、次の締め切りは8月2日とのこと。日本通訳翻訳学会の会員は投稿できますので、投稿する方は以下の規程を参照して下さい。
The original unpublished article can be written either in English or in French and should be at least 20 pages long. Each article should include two abstracts, one in English and the other in French, five keywords and an author's biosketch which should be no longer than five sentences and include an e-mail address. All references should be cited following the APA style.


Target 最新号

2010年02月26日 | Weblog

 
Target 21:2 (2009)が届いていたのを忘れていた。収録論文のabstractsはリンク先をごらん下さい。この号では20周年ということでGideon Touryが巻頭に回顧と分析を書いている。あとは異文化語用論的アプローチ、翻訳評価の機能的アプローチ、マオリのテクストの翻訳についてのポストコロニアル研究、地域語などの翻訳、奴隷制度廃止文学の翻訳についての分析である。Forumは特に新味はないと思うが。

これもすっかり忘れていた本で、Baker, M. (Ed.) (2010) Critical Readings in Translation Studies. (Routledge)。25編の論文が収録されているが、restrospectiveよりぱprospectiveな方針を採ったと言っている。内容はリンク先を参照。Indra Levyの日本近代文学と翻訳を扱った論文があるが、これはSirens of the Waetern Shore: The Waeternesque Femme Fatale, Translation, and Vernaculat Style in Modern Japanese Literatureという本の一部で、ちょうど二葉亭四迷を扱っている箇所が収録されている。この本はまもなくペーパーバックで発売される予定で、現在Amazonで予約受付中。ただし、ざっとみたところ、内容的にはぬるい。


Anthony Pymの新刊

2009年08月27日 | Weblog

Anthony Pymが9月にRoutledgeからExploring Translation Theoriesというテクストブックを出すようだ。目次は以下の通り。

Contents: What is a translation theory? 2. Natural equivalence 3. Directional equivalence 4. Purposes 5. Descriptions 6. Uncertainty 7. Localization 8. Cultural translation. Postscript: Write your own theory

これと連動して、Pymのサイトにビデオレクチャーがアップされている。なかなか面白い試みだと思う。(ただし、Flash Playerのversionが古い人は新しいのをインストールする必要がある。)


"on the part of..."について

2009年06月18日 | Weblog
Effective leadership comes from doing more than the technical work of routine management; it involves adaptive work on the part of the leader, and a willingness to confront and disturb people, promote their resourcefulness, ...のような、"on the part of..."を使った文章をよく目にすると思う。しかし、語法辞典や辞書ではまともな説明を見たことがない。たぶんいちばん詳しい『ジーニアス英和大辞典』でも現象的な説明にとどまっている。いったいこれは何なのだと長いこと思っていたのだが、毛利可信(1972)『意味論から見た英文法』(大修館書店)でようやく発見した。「on the part of~はその前に出る動作をあらわす名詞の意味上の主語を~の所に示すひとつの技術である。これはone'sという意味上の主語が文脈上awkwardとなる場合に便利である」という説明だ。確かに冒頭の例文では、セミコロンの後は結束性を考えるとitで受けるしかないし、the leader's adaptive workとするとleaderの出現がやや唐突に感じる。ただ、それなら主格関係を表す[of]でもいいだろうし、文の形によっては[for}...[to]...というS+V関係を示すやり方でもいいのではないかと思う。まあ主格関係を示すレパートリーのひとつということなのだろう。