お知らせ
■来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。
■『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。
■『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。
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Facebookはこちらです。
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■頂き物のお礼を兼ねて紹介。
『世界の大学・大学院における通訳翻訳学プログラム』(平成16年度特別研究費II:「日本の国内外大学及び大学院における通訳翻訳教育、トレーニング、研究についての調査・比較研究」報告書(研究代表者 津田守)これは大阪外国語大学の津田先生から。中国(北京と香港)、オーストラリア、ドイツ、フランス、イギリス、ペルー、メキシコ、アメリカの大学、大学院での通訳翻訳プログラムを、実際に訪問調査して詳しく報告しています。
玉井健・西村友美『英語シャドーイング 映画スター編Vol. 2』(コスモピア)シャドーイングのシリーズ最新刊。今度は西村さんの「ミス・シャドー」も登場する。ナチュラルスピード(200 wpm)の素材を体系的に配置し、詳しい解説をつけた得難い教材です。
■久しぶりにコメントとトラックバックを頂いたのに返事が遅れてすみません。修士論文の指導や授業準備、学会雑務といろいろありまして、ブログはついつい後回しになってしまいます。修士論文のテーマに関連するものは自分も読んでおかないことには話にならないので、それにも時間が割かれます。(おまけにいろいろな理論的枠組みが使われる。)しかし、それはそれで楽しい作業ではあります。いろいろな発見があるのは当然ですが、何よりも面白い。それに日本の翻訳研究の基礎を作るのに少しでも貢献できるという可能性もあります。
■これは橋本福夫訳・J.D.サリンガー『危険な年齢』の表紙。著者名、タイトルからはわかりにくいが、サリンジャーのThe Catcher in the Ryeの初の邦訳なのだ。原著は朝鮮戦争のさなか、1951年の発行だが、橋本訳は早くもその翌年に出ている。その13年後の1964年に野崎孝訳『ライ麦畑でつかまえて』が出て、名訳としての評価を得て広く読まれた。そして約40年後の2003年に村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出版される。橋本訳からは半世紀以上経過しているわけだ。
村上訳についてはAmazonの読者書評でも圧倒的な支持があるようだが、これが果たして翻訳評価につながるかどうかは疑問符をつけたいところがある。支持している読者はただ「村上春樹」を読んでいるだけなんじゃないか、と思うからだ。(それに、なぜ今新訳なのか?という疑問は村上春樹のあちこちでの説明にもかかわらず、残る。)受容する側はそれでいいのだが、それでは翻訳の評価にはならない。翻訳研究の手法で多面的に比較分析する必要があると思う。切り口は、訳語、罵倒語、個人語ideolect、modal particle、ノームなど、いろいろ考えられる。先行研究は、すでにスエーデン語訳やポルトガル語訳などについていくつかある。しかし半世紀にわたって3つの翻訳があるのはおそらく日本語だけだろう。(もちろん古典の翻訳は事情が異なる。)ほんの2ページほどチェックしてみた。見にくいかもしれないが、左が橋本訳、真ん中が野崎訳、右が村上訳だ。
鳥打帽子 ハンチング ハンティング帽
耳垂れ 耳あて 耳あて
手袋をくすねた 手袋をかっぱらった 手袋をかっぱらった
押入れ 押入れ クローゼット
おりやそんな物はいらん おれは用はねえや そんなもの俺はいらないんだからさ
一撃くれてやるべき 一発くらわす がつんと一発くらわして
きもつたま 度胸 ガッツ
ぬすつと ぬすっと こそ泥
× この汚らしいゲジゲジ野郎め この薄汚ねえこそ泥野郎が!
決着させよう かたをつけようじゃねえか 話をはっきりさせようぜ
愉快なことじゃないよ イカさないもんさ 愉快なことじゃないんだよ
一向むとんちゃく あんまり気にしないんだな そんなに気にしない
カンカンに怒らせた 怒らしたもんさ 逆上させた
かもしれん かもしれない かもしれない
やつてのけるべきだ ぜひそれをやるべきだよ そうするべきなんだ
グデングデンに酔っぱらった めちゃくちゃに酔っぱらった ひどい酔っぱらい
■6月18日、学習院大学で「職業としてのドイツ語通訳」と題して、桑折千恵子さんの講演会があります。詳しくはリンク先を参照して下さい。
■もう一件は原不二子さんの講演会です。
日時:6月24日(金)18:30~21:00
場所:上智大学/ソフィアンズクラブ(四谷)
料金:卒業生2,000円学生、500円(軽食付き)
講師:原不二子さん(株式会社デプロマット代表取締役、会議通訳)
テーマ:「通訳ブースから見る世界」