■木村榮一(2012)『翻訳を遊ぶ』(岩波書店)。これはなぜか見逃していた。2005年8月から2011年3月まで神戸市外国語大学の学長というから、船山さんの前の学長か。ラテンアメリカ文学をたくさん紹介・翻訳した人で、神戸市外国語大学イスパニア語科の第一期生だという。面白いのは学部卒業と同時に(つまり大学院を経ずに)助手に採用されていることだ。大学院がなかったのかもしれないし、人材不足だったのかもしれない。父親がなかなかの人で「思惑と越中ふんどしは向こうから外れる」と口癖のように言っていたという。木村さんは「お金はないけど、時間はたっぷりあるよ」という言葉につられて「大学に残った」(この言い方もなつかしい、たしかに当時そういう言い回しがあった)のだが、大学紛争で思惑が外れてしまう。深夜に及ぶ教授会に疲れはて、大学を辞めて自衛隊に入ろうかと思うのである。翻訳と関係ないところが面白い本である。
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