MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

Facebookはこちらです。

Video Editorなどで苦戦

2010年10月11日 | 雑想
相変わらず自転車操業の日々が続く。今年は学部で(理論ではなく)通訳そのものを教える授業をひとつ引き受けたので、教材が問題になるのだ。素材自体はそんなに苦労はしないのだが、そのままではスピードが速すぎたり、音量が小さすぎたり、片方のチャンネルに通訳者の音声が入っていたりするので、加工しなければならない。

以前主にオーディオテープやビデオテープを使っていた時には、やり方は簡単だった。(ピッチを変えずにスピードを落とすためのハードもあった。)ところが現在ではほとんど音声ファイルかビデオファイルを使う。ファイルの編集には当然オーディオ・エディターやビデオ・エディターを使うのだが、使い勝手が悪すぎる。マニュアルが不完全で日本語化もほとんどされていないし、英語で読んでもよくわからないのである。というより必要なことが書いてない。それでも音声の編集は何とかできるようになったが、問題はビデオファイルの音声処理だ。AVS Video Editorというのがどうにも使えない代物で往生した。いまだに使えないのでそれはあきらめ、別のソフトで音声(WAV)だけ取り出し、オーディオ・エディターで加工し、さらに別のソフトで映像と音声を合体させるという、実に迂遠な方法でやらざるをえない。どなたかAVS Video Editorでの音声加工に詳しい方がいたらご教授下さい。

TTR「日本の翻訳」特集号

2010年10月09日 | 翻訳研究
TTRj

TTR: Traduction, Terminologie, Redaction Vol.XXII, numero 1 (2009)が届いた。La Traduction au Japon/ Translation in Japanの特集号で、編者Natalia Teplovaの数年に及ぶ苦闘がついに実を結んだ。ラインアップは以下の通り。

Presentation (Natalia Teplova)
Translation in Japan: The Cassette Effect (Akira Yanabu)
A Genealogy of Literal Translation in Modern Japan (Akira Mizuno)
Interpretation at the Tokyo War Crimes Tribunal: An Overview and Tojo’s Cross-Examination (Tomie Watanabe)
Translationese in Japanese Literary Translation (Yukari Fukuchi Meldrum)
Contemporary Publishing Strategies in Japan: The Role of the Literary Agent (Yuko Tamaki)
Putting Pleasure First: Localizing Japanese Video Games (Minako O’Hagan)
Dislocation in Translation (Naoki Sakai)

他に以下2編の論文と書評がある。
Translating Classical Chinese Poetry into Rhymed English: A Linguistic-Aesthetic View (Charles Kwong)
La traduction de The Scarlet Letter (Nathaniel Hawthorne) par Marie Canavaggia : étude selon les perspectives de Pierre Bourdieu et d’Antoine Berman (Julie Arsenault)

3,4年前に書いたものなので、このテーマで書いたものの中では最も古い論文になってしまった。一番新しい問題意識で書いたものは来年年初に出る論文集に収められる予定。12月の香港の会議での発表はさらに変わる。

ところで、アマゾンjpの『日本の翻訳論』のページにはランキングがあり、「翻訳」部門で一桁の順位になったりすることがある。販売数の累積で一桁とか、そんなことはありえないので調べてみると、「アマゾンの謎順位-Amazon書店はロングテールに非ず」というサイトがあった。「非理系のためのページ」もある。説明が難しくてよくわからないが、要するに一冊売れるとその瞬間だけ一位になり、あとは下がり続ける、あるいはその順位は最後に売れたのは何時かを表す、ということのようである。