MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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編集作業大詰め

2009年11月23日 | 

去年からやっている学会誌の編集作業が大詰めに来ている。今日は修正稿を15人の査読者に送る作業で力尽きた。明日は著者校正の依頼を送る。まあそんなこんなでなかなか更新もできず、頂いた本の紹介も遅れて義理を欠いてしまうことになる。ぼちぼち行きます。

先日小倉さんから頂いたのは、小倉慶郎(2009)『東大英語長文が5分で読めるようになる:英単熟語編』(語学春秋社)。これは英文(長文)を読む中で単語をおぼえようと言うコンセプトの本。クイックレスポンスからシャドーイング、サイトトランスレーションへという、通訳訓練法を応用している。CDに820分の音声を収録して1,500円という値段だ。第2弾が出たということは前著の反応がよかったのだろう。たしかに単語帳のようなもので憶えるよりは、読んで憶えるというのは正解だと思う。僕の場合は憶えようとは思わず、読んで辞書を引き、忘れ、また出会っては辞書を引き、また忘れ…というプロセスを続ける。何十回辞書を引いても忘れるものは忘れてしまうが、それでいいのだと思う。受験生は時間が限られているからそういうわけには行かないだろうが。


年次大会日程決まる

2009年11月15日 | 催し

今年の年次大会の日程が正式に決定したので、こちらでもお知らせしておきます。

日程:9月11日(土)、12日(日)
会場:大東文化大学 板橋キャンパス

今から調整よろしくお願いします。なお大会で発表を予定されている方は、申込み締め切りが例年の8月1日から半月ほど早まる可能性がありますので、早めに準備して下さい。


月刊『言語』 Interpreting 最新号

2009年11月07日 | 通訳研究

来月号で休刊になる月刊『言語』(大修館書店)の11月号は「記憶の科学-ことばと外界をつなぐ心の仕組み」という特集。苧阪夫妻のワーキングメモリについての論考もある。ワーキングメモリは他に大槻美佳「シンタクスと記憶」と川合伸幸「ヒトの記憶と他の動物の記憶には違いがあるのか」でも言及されている。苧阪と大槻にはCowan (2001) The magical number 4 in short-term memoryへの言及があり、ようやくCowanの考え方が浸透してきたことがわかる。気になったのは大槻が「従来、文の理解には、統語を解析する機能(parsing)と、解析した統語構造を意味へと解読する機能(interpretation)が必要とされ、前者と後者は乖離することが示唆されている」と書いていることだ。これは誤解を招く。認知心理学の分野ではたとえばTaraban and  McClelland (1988)に代表されるように、意味が統語構造の振り分けを決定する上で大きな役割を果たすという考え方が優勢である(もちろん乖離する場面もある)。

Interpreting, Vol. 11 No.2 (2009)はRobin SettonがGuest EditorになってChina and Chineseの特集号。目次とabstractsはここで読める。


通訳教育関連書2点

2009年11月03日 | 

田舎に帰って山歩きなどしていてしばらく間が空いてしまったが、ぼちぼち再開。

 

ご恵投いただいた本の中からまず、越智美江(2009)『TOEIC150点アップを目指す通訳訓練法』(大阪教育図書)。通訳訓練法(クイックレスポンスやシャドーイングなどの基礎訓練、サイトトランスレーション、逐次通訳、ノートテイキング)を使って英語力伸長をはかるというコンセプトの本である。学部生向けで、自習ができるようになっている。
ベルジェロ伊藤宏美・鶴田知佳子・内藤稔(2009)『よくわかる逐次通訳』(東京外国語大学出版会)。こちらは本格的な逐次通訳訓練のための入門書。特にDVDでノートテイキングと通訳の実際を学べるところが新しい。なつかしや、延増さんも出演している。