MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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日本時事英語学会年次大会など

2006年08月31日 | 通訳研究

日本時事英語学会の第48回年次大会は10月7日と8日(日)に関西大学で行われる。通訳関連は毛利さんの法廷通訳についての発表が1件ある。それにしても、先日送られてきた学会誌『時事英語学研究』が相変わらず薄いのはどうしたわけだろう。論文わずか2本に研究ノートと実践報告がそれぞれ1本。100ページに満たない。投稿数は7本だったらしい。領域が重複する分野が沢山出てきたから難しい状況であるのは分かるのだが。

日本パブリック通訳翻訳学会の方は、まだ年次大会はやっていないようだ。9月10日に立命館大学で研究会。


翻訳論リーダーの新刊紹介

2006年08月27日 | 通訳研究
新しい翻訳論のアンソロジーが出た。
Weissbort, D. and Eysteinsson, A. (Eds.) (2006) Translation - Theory and Practice: A Historical Reader. Oxford: Oxford Universiry Press.
類書としてはすでにThe Translation Studies ReaderとDouglas Robinson編のWestern Translation Theoryがある(入手は難しいかもしれないが、Chesterman編のReadings in Translation Theoryというのもある)。内容的にはReaderとRobinsonを足して2で割った感じだ。ページ数(650ページ)は多いが、一段組だし、分量的には他の2冊とそう変わらないかも知れない。特徴としては実際の翻訳例(ほとんどが英語)をかなり収録していることだろう。2部構成で、Part Iは古代から近代まで、Part IIは20世紀の論考を収録している。Part IIがやや多い。翻訳研究をやる人はペーパーバック版を買っておくといいだろう。

IATISのAbstract

2006年08月23日 | 翻訳研究
7月に南アフリカで行われた第2回IATIS (2nd Conference of the International Association for Translation and Intercultural Studies)のSpecial Panelのアブストラクトが読める。全部で20もパネルがあり、abstractだけで100ページ近くある。翻訳だけでなく通訳についても多くの論考がある。これをざっと眺めれば、世界の通訳翻訳研究がいま何を問題にしているのかがよく分かる。Panel 12が日本の翻訳を扱っているが、このパネルのチェアのHiroko CockerillさんのStyle & Narrative in Translations: The Contribution of Futabatei Shimeiという本が9月にSt. Jeromeから出版される予定になっている。Cockerillさんは二葉亭の翻訳がロシア語の動詞形にふくまれる意味の微妙な陰翳を伝えていると評価しているようだ。

ところで小森陽一によると、『あひびき』の表現上の特質は実はツルゲーネフの全くの独創ではなく、そのロシア語の文体は当時のフランスの新しい文体を媒介に成立したというのである(『<ゆらぎ>の日本文学』)。ツルゲーネフはフランス語で草稿を書き、それをロシア語に翻訳していったのだ、と小森は言う。ただし小森は典拠を何一つ挙げていないし、フランス語のどのような特質が、ツルゲーネフのロシア語にどのような影響をおよぼしたのかについて一切言及していない。

印旛沼2

2006年08月17日 | 雑想
サイクリング道路を歩いているとおじさん・おばさんの一団が通り過ぎた。帰りは農道に入り込んで道に迷ったり。市役所近くで昼食をとり、高速に乗るとまた激しい俄雨。所要時間5時間であった。

印旛沼

2006年08月17日 | 雑想
夏休みで帰省している息子の運転で、印旛沼へ。永田さんの写真を見て一度行ってみたいと思っていた。高速を降りてから激しい驟雨。これはもうだめかもと思っていると30分もしないうちに晴れ上がる。野鳥の森公園近くで車を止め、柵を越えてサイクリング道路に入り込む。暑い。

夏休みモード

2006年08月13日 | 雑想

金曜日から夏休みに入っている昨日は吉田さん、鶴田さんと帝国ホテルでMIISの武田さんに会う。皆さん意気軒昂で少し元気をもらった感じだ。今日は叔父の新盆のため土浦へ。二十数年ぶりだが何とか辿り着けた。

こういう文章がある。
「きょう、和英辞書のうちへいれるために、日本の仮名、万葉仮名、カタカナ、ひらかな、いろは、の仮名五体の版下をかく。ななつすぎから、ぶらりとうらの方へ出て、はたけの中を、あそびあるくに、いくつも穴があるから、なんのあなだろうかとおもうて、見ていると、かにがいる。あかがになり。ひきがえるもいる。こないだから、おいらのともだちにしているこぞうが、羊を二疋ひいて、かえってきたから、一疋おいらが、ひいていてやる。」
これは慶応三年(1867)年に岸田吟香(きしだぎんこう)が書いた「呉淞(ウースン)日記」の一部だ。言文一致運動が盛んになるずっと前、明治維新前にこのような達意の口語文が書かれていたのに驚かされる。ほんの少し表記を変えれば現代口語文として通用する。吟香についてはこちらを参照。写真は岸田吟香(竹熊健太郎ではない)。


大会の発表内容決まる

2006年08月09日 | 通訳研究

9月23日に行われる日本通訳学会第7回年次大会プログラムが決まり、公開されています。今年は実に盛りだくさんな内容です。

"Translation Studies"というジャーナルが発刊されるようだ。創刊号は2008年1月の予定。
This journal aims to extend the areas of interest, methodologies and conceptual frameworks inside the discipline of Translation Studies, while testing the traditional boundaries of the notion of 'translation' and offering a forum for debate focusing on historical, social, institutional and cultural issues that are strongly rooted in the text level, but also go far beyond it.
In addition to scholars within Translation Studies, we invite those as yet unfamiliar with or wary of Translation Studies to enter the discussion. Such scholars will include people working in literary theory, sociology, ethnography, philosophy, semiotics, history and historiography, gender studies, postcolonialism, and related fields.
というわけで、すこし幅のある内容になりそうだ。詳しくはまた。

The Japan Timesから「通訳・翻訳キャリアガイド」というムックが出ている。