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役割果たす姿に共感  被災地の韓国人留学

2011-03-27 21:23:23 | 多文化共生
役割果たす姿に共感 
被災地の韓国人留学生 

「すべてが汚染されたわけじゃなく、それぞれの立場でみんな頑張っている」。命懸けで原発事故の危機回避に努める技術者、消防隊員ら。外国人を支えるボランティアの人たち…。東北大(仙台市)で物理学を学ぶ韓国人留学生、姜正敏(カン・ジョンミン)さん(26)は、混乱の中で自らの役割を果たそうとする人たちの存在を知り、「日本で生きていこう」と心を決めた。
地震の当日、大学の研究室から飛び出し、広場に避難。仙台市内の避難所に身を寄せながら、仙台市の災害多言語支援センターで、韓国語での相談対応や災害情報の翻訳ボランティアを始めた。出国方法や放射線の影響を尋ねる電話が鳴りやまず、地元ラジオ局「Date fm」の多言語災害番組にも参加した。
地震から2日後、やっと電話がつながったソウルの両親は「早く帰ってこいとパニックになっていた」。危機感を強める諸外国と、冷静な対応を呼び掛ける日本。報道の違いに「どっちを信じればいいのか」と混乱する人も多かった。留学生たちは次々と日本を離れた。
しかし、大学の教授は放射線量を測りながら、研究再開の準備をしていた。仙台市災害多言語支援センターのスタッフは、日本語が不得意な外国人を助けようと、懐中電灯の明かりを頼りに電話に向かい、騒然とするセンターに寝泊まりしていた。
「自分たちが被災して大変なのに、外国人を助けようという仕組みがすぐに立ち上がるのはすごい。感動した」。大学の勉強を終えたら、どこで何をしたいのか。曖昧だったものが明確になった、と姜さんは言う。
原発での最悪の事態を防ごうと、今も大勢の科学者、技術者が昼夜奔走している。「韓国語しかできない僕にも役割があったのは幸運だった。ここには仲間がいるし、今この時期を頑張って、僕も社会への責任を果たせる仕事をしたい」と、将来に目を向けた。

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