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外国人と初の農地貸借契約 田辺市、耕作放棄地対策で

2010-02-17 10:08:07 | 多文化共生
(以下、紀伊民報から転載)
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外国人と初の農地貸借契約 田辺市、耕作放棄地対策で

 耕作放棄地を防ぐため、田辺市が農地の貸借契約を仲介する事業で、このほど初めて外国人との契約があった。同市本宮町の森林組合で山林業務に励んでいる外国人の男性2人がそれぞれ水田を借り、春の田植えを楽しみにしている。


 契約した外国人は、緑の雇用事業をきっかけに本宮町森林組合で働いているネパール人のシェルパ・プードルジさん(39)=本宮町本宮=とブラジル人の石部ジョージ巽さん(47)=同。

 シェルパさんは、生まれ故郷のネパールで東京都出身の女性と結婚。緑の雇用事業を通じて7年前から、本宮町森林組合に勤めており、作業員の班長になっている。

 昨年12月、同組合元作業員の70代男性と農地の貸借契約を結んだ。農地は本宮町奥地の水田18アール。隣接する水田の耕作を手伝うことを条件に賃借料は無料となった。

 週40時間の勤務時間で、雨降りの日が休日。農作業は休日を利用して行う予定。シェルパさんは「人間関係にも恵まれ、住みやすい。妻の勧めもあって農業にも取り組みたい」と話す。

 石部さんは、堺市出身の女性と結婚し、7年前から山林業務に取り組んでいる。「田舎が好きで本宮町でずっと暮らしたい」と話す。本宮町森林組合の杉山栄一組合長(72)所有の同町切畑の水田10アールを年間5千円で借りることになった。

 水田を貸すことになった杉山組合長は元本宮町議時代から、地元で耕作放棄地の増加を防ぐため、貸借契約を勧めてきた。しかし近年になり、貸借両者とも高齢化が著しく、特に借り手が少なくなっているという。杉山さんは「2人は本当に働き者。農作業をすることで副収入になり、ここでの生活が少しでも豊かになってもらえればうれしい」と話す。

 農地の貸借については田辺市の農業振興課、売買契約は農業委員会が窓口になっている。耕作放棄地発生防止のため、市では旧町村部の耕作放棄地を借りる場合は最初の3年間、10アール当たり1万円を助成する特典制度を設けている。農業委員会は「耕作放棄地が増える中、新たに農業に取り組んでくれる人が出てきて喜んでいる」と話す。


【石部ジョージ巽さんに貸す杉山栄一さん所有の水田(田辺市本宮町切畑で)】

(2010年02月15日更新)

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