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農作業 精神ケアに効果

2012-11-21 09:27:00 | ダイバーシティ
(以下、読売新聞【栃木】から転載)
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農作業 精神ケアに効果

◇佐野厚生総合病院 通所者の自立を支援

 佐野厚生総合病院(佐野市堀米町)の「精神科デイケア」が精神障害者を対象に、約7500平方メートルの耕作地を購入し、農作業を通じた自立支援に取り組んでいる。農作業は一般的に集団行動を学ぶことができ、五感も刺激され治療に良いとされる。ここでは大規模農地のため作業量が多く、農作物が同病院の食材に利用されていることも患者の大きな達成感につながる。担当者は「主体性や協調性も身に着いてきた。自立につなげたい」と話している。(岡本朋樹)

 同病院では約80人が登録し、通所者は一日平均約30人に上る。2006年から佐野市高山町に約130平方メートルの畑を借り、週に1回、じゃがいも作りなどを行ってきた。患者が自ら考える姿勢が身に着いてきたが、週一度ではせっかく覚えた技術もなかなか定着しなかった。継続的に出来るようにと11年6月に、同病院から約1・5キロと比較的近場に田畑約7500平方メートルを購入した。

 春には田植え、夏にはキャベツや大根の種まき、秋には稲の収穫、冬にはイチゴのハウス栽培など、年間を通して多くて週に3回のプログラムで農作業を行っている。

 農場の規模が大きく、農作業はJA佐野営農・支援課の職員による支えも大きい。月1度程度の頻度で苗の作り方や種のまき方、どの肥料にすればいいかなど、一から丁寧に指導している。季節ごとに収穫される新鮮な農作物はまさに地産地消。同病院の外来食堂や、入院患者の食材として存分に利用される。

 こうした取り組みが高い治療効果を生んでいる。同病院精神科デイケア担当の中山純・看護部主任は「食材を運んでいるところを見たほかの看護師さんや外部の人に声をかけられることで、やる気につながっている」と話す。

 男性(41)は「最初は農作業のやり方が分からなかったけど、病院のスタッフなどと一緒に学ぶうちに分かり始めて自信がついてきた。自分が育てた食材が人の役に立ててうれしい」と笑顔を見せる。10月9日には、収穫祭が行われ、畑で作られたナスを使ったトマトスパゲティや、ジャガイモを使ったいもフライなどが振る舞われた。

 中山主任によると、1年以上続けて、患者が収穫を増やしたり農場をよくしたりするため、周りと協調し、意欲を持って主体的に活動することが出来るようになってきたという。さらに同病院は農場管理のために精神障害の患者2人を常勤で雇用、今後同病院の精神科デイケア出身者の雇用も考えているという。

 中山主任は「頑張った分だけ収穫が増えることによる充実感や、仲間で作業することでの協調性など得られるものは多い。これからも継続し、患者さんの自立や就労に結びつけていきたい」と話している。
(2012年11月21日 読売新聞)

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