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ソニー工場閉鎖から3カ月 外国人労働者たちはいま

2013-06-24 09:47:22 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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追跡2013:ソニー工場閉鎖から3カ月 外国人労働者たちはいま /愛知
毎日新聞 2013年06月23日 地方版

 岐阜県美濃加茂市のソニー子会社「ソニーイーエムシーエス美濃加茂サイト」が、ソニーの業績不振で3月末に閉鎖してから3カ月。1981年に操業を始め、最盛期に5000人近い従業員を抱えた工場の閉鎖は、地域社会に打撃をもたらした。「ソニーなら大丈夫」と日本への永住も意識した外国人労働者たちは、将来設計の見直しを迫られる。行政機関は就労支援などの対策に取り組むが、影響の全容はいまだつかめず、手探りの状態だ。【加藤沙波】

 生後半年の三女にスプーンで離乳食を与えると、はじけるような笑顔で口を動かす。幸せを感じる一瞬だ。「みんなに愛される、優しい子に育ってほしい」と話すフィリピン人の母リム・ベルナデトさん(37)は次の瞬間、「これから先どうなるか全く分からない」と表情を曇らせた。10年余り勤めた工場が閉鎖され、次の仕事はまだ見つかっていない。

 リムさんは岐阜県可児市内のアパートで、日系フィリピン人の夫(45)、義妹(34)、県立高校に通う長女(17)、次女(15)を含む6人で暮らす。日本に出稼ぎに来ていた夫を追って来日し、娘たちを呼び寄せた。

 夫婦共働きで生活は安定していた。三女も授かり、全てがうまくいくように感じた。しかし、昨年10月に美濃加茂サイトの閉鎖が発表され、暗転した。

 夫は可児市内のメーカーで働くが、契約期間が1~3カ月更新と不安定な状態だ。「ミルクやおむつ代がかかるし、貯金なんてできない」と嘆く。4月に高校に入学した次女の制服は知人のお下がり。娘2人の修学旅行の積立金は支払いが滞り、姉妹は「家計を支えたい」とアルバイト先を探している。

 昨年10月までサイトで働いていた義妹は、3月に雇用保険が切れた後も仕事は見つかっていない。

 岐阜労働局によると、サイトの閉鎖が発表された昨年10月19日現在の従業員数は約2700人。そのうち、製造ラインで働いていた外国人労働者は828人に上り、全員が請負企業の従業員だ。再就職先を確保した人もいるが、今月1日現在で272人が求職中。女性の割合が高いとみられ、県や労働局は「夫や子どものいる女性は単身で遠くへは行けず、近場で仕事を探すため、就職先も限定されてしまう」と指摘する。

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