多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

留学生の県内就職支援 富山県が説明会

2012-07-25 09:19:54 | TOYAMAな多文化共生
(以下、富山新聞から転載)
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留学生の県内就職支援 富山県が説明会
企業の説明に聞き入る留学生=富山市の県民共生センター

 富山で就職を希望する留学生を支援しようと県は24日、外国人留学生向け合同企業説 明会・面接会を富山市の県民共生センターで初めて開いた。北陸3県から中国や台湾、ア ルバニア出身の留学生21人が参加し、県内6社の担当者から仕事内容や採用手順の説明 を受けた。

 県労働雇用課によると、県が留学生を対象に昨年行ったアンケートで、回答者286人 のうち約半数の136人が県内での就職を希望。しかし、「求人企業の探し方が分からな い」などの理由から、昨年3月に大学などを卒業した留学生110人のうち、県内で就職 できたのは9人にとどまった。

 県は今年度から外国人留学生人材活用促進事業を開始し、企業向けセミナーや交流座談 会を実施。説明会では繊維染色加工業など6社がブースを設け、企業担当者が簡単な日本 語を使ったり、見本やジェスチャーを交えたりしながら会社概要や製品などを紹介する姿 が目立った。

 中国・大連出身で高岡法科大4年の譚琳(タンリン)さん(26)は「サービス業に興 味があり、自分に合った企業を見つけたい」と意欲を見せた。県は来年2月にも企業説明 会を開く。

災害時「外国人リーダー」を育成

2012-07-25 09:19:26 | 多文化共生
(以下、中日新聞【静岡】から転載)
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災害時「外国人リーダー」を育成

2012年7月24日

◆浜松でプロジェクト始動

災害時の外国人リーダー育成について話し合う中岡さん(左から2人目)ら=浜松市中区鍛冶町で


 日本に住む外国人が災害時に、同郷の外国人だけでなく日本人の避難も支援するような「地域のリーダー」を育てるプロジェクトが、浜松市内でスタートする。東海地震など大震災に備えて、外国人と日本人の間に顔の見える関係をつくり、地域の力となることを目指す。

 計画を進めるために、浜松市に住む外国人七人が中心となって「西部災害時多言語支援センターWestern」を七月中旬に設立した。東日本大震災で、外国人と日本人の文化や言葉の違いによるトラブルが多発したことが設立のきっかけ。避難先が分からなかったり、支援物資を多く取りすぎたりしたという。

 活動の第一弾として、九月から、外国人が多く支援体制の手薄な市内の三カ所(浜北、南、西区)で、災害時に役立つ防災日本語教室を開催する。そこで残ったリーダー候補を対象に、さらに専門的な日本語教室を開き、多言語で支援できる人材を育てていく。

 公営団地など、高齢者の集住する地域に若い外国人が多く、避難時の労働力として期待される。浜松市によると、今年七月一日時点で、市内の外国人登録者数は約二万五千人。うち、中区の佐鳴台や高丘、南区の遠州浜や中田島団地には若い外国人が多く住んでいる。全児童の二割が外国人の小学校もあるという。

 二十年以上浜松に住んでいる同センター代表の中岡ヘナトさん(30)=南区=は「夜勤者が多いので、昼間の災害では、すぐに役に立てる」と説明する。災害時だけでなく、日常での文化共生も進めたい考えだ。

 外国人の就労支援などに取り組む一般社団法人「グローバル人財サポート浜松」(中区)を拠点に活動。運営には文化庁から約二百六十万円の補助を受ける。

 同法人参与の堀永乃さんは「外国人だけでなく、日本人を救うような地域の中心となる人材が出てほしい」と話している。

(木村春毅)

かっこをつけず、笑顔を絶やさず

2012-07-25 09:18:53 | ダイバーシティ
(以下、ジョブラボ朝日新聞から転載)
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かっこをつけず、笑顔を絶やさず
JTB 大木実和さん 

2012.7.24
29歳の転機~妹たちへの応援歌~

 日本の大手企業で、経営トップに就く女性はいまだ少数だ。旅行会社大手のJTBグループも、グループ会社含む183社で、女性社員の割合は過半数だが、決裁権を持つ女性はまだ一握り。同社のダイバーシティ推進担当の大木実和さん(38)は、そのような状況を変えるために、ダイバーシティ(多様化)の考え方を社内に浸透させる役割だ。働きやすく、革新的な職場環境をつくるために、日々奔走している。サービス業のプロとしての経験もいかした、取り組みとは?
女性や障がい者雇用を進める

――ダイバーシティ推進の目的は?


大木 JTBはグループ全社の6割が女性ですが、グループ会社183社のうち、女性役員は数名しかいません。中間管理職は、すでに多くの女性が活躍しているので、決裁権を持つ経営トップにも、女性を増やそうという目標をたてています。将来の経営者となりうる人材候補に、研修をおこなったり、事業会社の管理職にダイバーシティの話をしたり、といった活動をしています。
また、長時間労働を減らすなど、ワークライフバランスに配慮した職場にしていくための働きかけもおこなっています。仕事の効率化をはかり、心の余裕ができれば、変革がしやすい環境になるからです。

――女性の経営者が多くなると、企業はどのように変わるのでしょうか。
大木 旅行を中心とした、私たちのサービスの利用者(購買者)は、女性が多い。こうした市場の特性を考えると、女性の経営者が現在より増えていけば、より購買者の視点に近づくことができるのではないかと考えています。また、高倍率の就職試験をくぐりぬけて、JTBに入社する女性たちはとても優秀ですが、離職率は、男性より女性のほうが高いのが現状です。もちろん、ほかの企業で活躍の場を見つける、といったポジティブな理由なら問題ありません。しかし、「この会社でやりたいことがある」という人が、存分に実力を発揮できなければ、変えていく必要があります。管理職も含めて、女性が活躍できる場を増やしていく必要があると実感しています。

――どのように、ダイバーシティを推進しているのですか?
大木 日本全国に拠点がある、グループ各社との連絡をしたり、会議を開催したりして、ダイバーシティの考え方を浸透させるようにします。女性の経営者を増やすほか、障がい者雇用も推進しています。また、ダイバーシティとは別に、人材育成の担当でもあるので、中間管理職向けなど、社内研修のプログラムの策定検討等もしています。ほかの企業のダイバーシティ推進担当の方たちとも、勉強会や交流会等でお互いの情報をシェアして学び合っています。

――さまざまな職務がありますが、典型的な一日のスケジュールは?
大木 3歳の娘がいるので、朝晩に自分の時間を作るようにしています。朝は4時半に起きて、6時半まで、仕事やプライベート両方について考えを整理したり、本を読んだり、必要な資格の勉強もします。それから子どもが起きてくるので、洗濯をしたり、ごはんを食べさせたりして、8時に家を出ます。会社では1日デスクにいて、連絡や資料作りに専念するときもあれば、日本全国のグループ会社に日帰りで出張して研修をおこなうこともあります。その日によって、スケジュールがまったく違いますね。

チケット手配から法人営業へ


――旅行会社を志したきっかけは?
大木 実はもともと、高校教諭をめざしていました。教職課程をとっていて、はじめは就職活動をしていなかったのですが、1998年当時、ちょうど就職協定がなくなった年で、4月からでも就職試験のエントリーが可能になったのです。せっかくのチャンスなので、この時期でないと受けることができない大手企業の営業職、総合職に挑戦してみようと思いました。JTBに入社を決めた理由は、サービス業に興味があったこと、内定をいただいたいくつかの企業の中でも就職活動をしている私に対して非常に真摯な対応だったからです。

――これまでどのような仕事を経験しましたか?
大木 入社して10か月は店頭カウンターで、JRのチケットなどを手配する現場の仕事につき、翌年からは営業になりました。法人営業の女性は当時少なかったですね。八王子支店は、都心の法人営業と違い、中小企業、外資系、大学などが多い場所だったので、「社員旅行」に限らず、外資系企業の「インセンティブイベント」や会社の「周年イベント」のコーディネート、留学生交流会など、小さな支店では前例が少ない企画や運営を手がけました。当時そういった内容はまだめずらしかったのですが、いまは増えています。色々な企業の開催の鍵となる担当者や秘書の方は、女性が多いので、そういった方たちと仲良くなれたのも、強みでした。添乗も含めてですが、いろんな内容の仕事をして、体が足りないぐらいでした。

――29歳のころはどんなことを考えていましたか?
大木 そのころ、一番数値目標も高く、かつ係長職にあたるグループリーダーにもなって部下を抱え、体力的にはきついけど、仕事がとても楽しかった。でも、30歳を前に、どこか安心を求めたり、落ち着ける「場所」を探していたりしたのだと思います。自分のマンションを買おうと契約手前までいきました。そのころ、夫に出会い、29歳で結婚したので、結局マンションは買わなかったのですが、結婚して、「これで安心して仕事ができる」と心の支えができました。「港があって、安心して船を出せる」ではないですが、さらに仕事に打ちこむようになりました。それから5年連続で数値目標を達成し、35歳で出産するまでは、八王子支店のグループリーダーとして、非常に忙しい毎日で、働きどおしでした。
「笑うから幸福」を胸に

――いつも仕事で心がけていることはありますか?
大木 できるだけ、「かっこをつけない」こと。知らないことは、知らないといって周囲に聞いてしまいます。それから、サービス業なので、笑顔を絶やさず、楽しい雰囲気をつくること。アランの『幸福論』に「幸福だから笑うのではなく、笑うから幸福なのだ」とありますが、その通りだと思います。

――多忙な時期や、結婚や出産といった「人生のイベント」を経験しながら、女性が仕事を続けていくためのアドバイスはありますか?
大木 30歳を迎えるころには、落ち着かなければというあせりもあり、私も不動産を探したりしました。でも、今考えてみれば、あせる必要はまったくなかったですね。何かに打ちこんだり、自分なりに前向きに1日1日を過ごしたりするのが、大切だと思います。もうひとつは、自分の性格をよくわかっておくと、どうしたらストレスがたまらないか、うまく時間の配分をできるようになります。たとえば、私は子育てや、まわりの環境とのバランスもあり、自分が自由に使える時間は限られていますが、「やり残した仕事があると、気になってしまう」というのがわかってからは、夜の1時間を家で仕事する時間にあてています。自分のスタイルをわかったうえで、仕事のやり方を判断できるようになることが、環境が変化しても仕事をスムーズに続けていくための秘訣だと思います。

(文・ライター斉藤真紀子)