たろの日記ページ,gooブログ版

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芸術と国家

2005-12-28 16:36:17 | 時事
日曜のことですが,街へ出かけると赤と白の帽子やワンピースを着てる売り子が大量にいて,あぁー,ニッポンってすっかりコスプレが一般化してるのだなぁ…と:-)。というか昔はクリスマスのコスプレってサンタ(爺さん)じゃありませんでしたか?…。最近は女の子の方が遥かに多いです。しかもミニスカート。女の子にミニスカサンタの格好をさせる発想って,なんとなくエロオヤジというか…,まぁわかりやすくいうとバニーさんの格好をしてもらいたい発想…と近いものを感じていたのですが,なんか最近はその辺のケーキ屋でもやっていて,しかも女性も「かわいい」と喜んでやっているところ辺りに,この国のコスプレ好きという国民性が伺えます。あれって女性のセクシャリティをもろ売り物にしてる世界だと思うのですが,あんまりこういうのをお店で強要されてもセクハラ…と受け取る発想はないのだなぁ…。
…と書いているわたしは,こんなニホンが大好きです(笑)。あぁー,わたしも正月くらいは和服でも着てコスプレしたいのですが,持ってませんorz…。

…で,街中がなぜか赤白に彩られる中,TOCのICCへ。ちなみにTOCは良く週末広場でパフォーマンスやってるのですが,今日はやっぱり赤白のコスプレで演奏してる人多かったです。でも新宿駅の周辺程人が多くなくて,まぁいい感じでした。
ICCはリンクを見て頂ければわかるように来年からのスケジュールは真っ白…で,当面,今日が最後の展示でした。まぁ一応来年も存在してる…ていうふうには聞いてますが,その決定も結構遅れたので,予定が組まれてなかったのでしょう。そして今回の展示はこれまでのメディアアートの歴史を振り返るような展示でした。
最後だからかクリスマスだからかわかりませんが,人が多くて,「あぁ,もっと早い時期に見に行けば良かった…」と思ったりもしましたが,それでも並んで見るような感じではなく,単にパネルの文字を読んだり,ヘッドホンで音を聞くのにちょっと待たされる程度の混み具合い。やっぱりこの手の展示って,上野とかの企画展とかTV連動企画のように列をなして見てる展示と比べると非常に人が少ないし,またそういう風にしないとじっくり体験できない作品が多いです。
今回ICCの存続自体が議論になったとき,多くのファンが反対を表明しましたが,だからといって会場に人が溢れたわけでもなく,そもそも美術館存続のために寄付したり,毎日会場に通ったりする人間なんてそんなにいるわけじゃありません。だけど,芸術の記録(アーカイブ)や,それを人に見せる事業というのは,国家やある程度の規模を持った企業とかの責務だと思います。
…何をいいたいのか…というと最近は国立の美術館を民営化しようという議論が聴こえてきて,グーグルとかで「民営化 美術館」とかで引くと,わらわらヒットするのですが,こういうことを考えること自体,なんって馬鹿な発想か…と。
そもそも美術館とか博物館は権力者や金持ちが価値があるものを収集してそれをお互いに見せ合うという発想で生まれたものと思いますが,それを一般にも公開してるだけだ…と。つまり展示をして儲る…というものではなく,あくまでも芸術品の収集と保管に意味があるわけで,そこに採算制なんてあるわけが無いのです。従って美術館は金を持ってるところか権力を持ってるところが保持すべきで,それを民間にやらせるっていうのはおかしいと。売れるもの,もしくは投資目的だけで芸術品が判断されていたら,そこに本物を見きわめる目が曇ると思います。
最近何でも民営化…で短期的に金儲けをするような発想が世の中に蔓延していて…,日本人もずいぶん民度が下がってるな…と思います。単なる市場性だけで物事を判断せず,公共性や文化,潜在的な技術力を高めることが長期的に国家の価値をあげると思うのですが,そういう視点が徐々に薄れていっている感じにとても危機感を感じます。
コメント
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