たろの日記ページ,gooブログ版

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靖国神社とサンフランシスコ講和条約

2005-08-24 13:20:49 | 時事
一週間くらい前の話ですが,おそらくNHKスペシャルの再放送でしょうが,戦後GHQが検討した靖国神社解体をいかに逃れたか…というのをやってました。
この番組の感想…の前にちょっと書くと,最近わたしは日本の閣僚が靖国参拝をするのは止めておいた方がいい…と考えるようになってきてます。これは結構驚くべき事で,わたし自身は比較的「右」の傾向が強いし国家主義民族主義的なところもある人間なのにです。去年までのわたしは別に参拝に行ってもいいじゃない…という考えでしたし,それ以前に外国からの苦情…というのが内政干渉…という様な風に取っていて,それであまり深く考えてなかった気がします。もちろん,今でも靖国の問題は主には国内の問題であり,諸外国に言われたから…というよりは国民の意見として,どうあるべきか?ということだとは思ってますが,そういう意味で考えてもやっぱり首相が参拝するのはよろしくないと思うようになってきてます。
さて,上記のTVの内容に戻ると,終戦時官営の神社だった靖国神社は当然戦争を行っていた日本の心の柱だったということで取り壊しがGHQで検討されたとのことでした。しかし,その動きを知っていた旧軍属や神社側の人間が,その間隙を縫って,最終的な慰霊者を決めて,昭和天皇に慰霊をさせたという(ちなみにそれまでは靖国に誰を祀るかというのは軍が決めていたということで,やっぱりバリバリの官(軍)営神社だったことがわかります)。そして靖国神社自体は一宗教法人形を変え,GHQの追求を逃れるために,戦争を賛美するような供物を一時的に隠したりしたそうです。
結論から言うと,つまりは靖国を残そうとした人達はうまくGHQをごまかし,そうこうしているうちに朝鮮戦争が始まりアメリカは日本に対する政策を変更し,そして靖国はうやむやになってしまった…とのこと…。
そういう風に見ると,靖国が残っているって事はやっぱり戦争をきちんと清算していない…と捕らえることも可能です。もちろん現在は一宗教法人であることは間違いなく,国家が宗教を弾圧できるないので,そこに靖国が存在してること自体は仕方ないと思います。ただだからこそ国家としてそこを特別視し閣僚が参拝するのはどうなんだろう?…ということになります。
余談ですが,もし戦後当時GHQが靖国を解体していたら,日本人はどうなっていたのだろう?…とも思います。アメリカを恨んだりテロ化したりしたんでしょうか?…。
最後に…,靖国の事を考えていて気になったので,サンフランシスコ講和条約の全文を探して読んでみました。つまり日本は戦勝国に対し,何を約束し独立を得たか?…ということです。十一条に「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し,…」とあります。つまり東京裁判の結果を国としては受け入れているのです。
もちろん個人として戦争の非が日本にばかりあるわけではない…というのは解るし,わたしもそう思います。でも国家としては東京裁判の結果を受け入れているって事は戦争犯罪人は犯罪人…ということになります。もちろん,日本には犯罪人でも供養する…という文化はあるかとは思いますが…,そうは思うけど,やっぱり国家として戦争犯罪人を犯罪者と認めてるって事は,それを閣僚が祈る…って事の意味を良く考えた方がいいのかも知れません。
個人の信条と国の立場…というのは残念ながら一致するものではないと思うので遺族の人たちがいうことはわかります。しかしやっぱり国としての立場についてコンセンサスを得る,そして過去に約束した事(条約)を国民自体がきちんと理解する事が必要なのではないかと思います。もちろん日本が永遠に敗戦国である必要もないと思いますが,戦争が終わってまだ60年しか経ってないことを考えると,まだまだ時間がかかるのかと思います。国連の常任理事国入りもそう考えると,日本が敗戦国から脱するためのひとつの策なのだろうな…とも思います。
コメント (1)
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