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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

エンドウの近鉄3000系

2020-08-09 05:11:55 | 車両・私鉄/民鉄
 先日地元の中古屋さんで入手した中古モデルから。
 前回の京阪5000系に続くエンドウの私鉄電車、近鉄3000系の3連です。

 この頃のエンドウのステンレス車のモデルはブラスボディの質感を生かしたかったのか、他所にない個性を出そうとしていたのか分かりませんが「実車ではあり得ない位の金ピカメッキボディ」が特徴となっています。

 同様の処理だったキハ35なんかはわたし個人的にこっそり「宇宙刑事」なんてあだ名をつけていますがこの近鉄3000系は赤帯にちなんで「宇宙刑事シャリバン」なんて呼び名が似合うかもしれません(笑)
 うっかり真横から見ようものなら私の顔が映り込みそうなピカピカ感ですが、その一方で「実車と同じかどうかなんてどうでも良くなりそうな質感」があります。
 今回の3000系はこれまで私が入手した中でもかなりボディのコンディションが良いので余計そう感じるのでしょう。

 ところで今回の近鉄3000系ですがほぼ同じモデルを数年前に入手しており、今回が2編成目になります。強いて言えばクを1両カットアウトして実車に多かった4連を実現できると言う位が実質面でのメリットでしょう。
 (実は3000系の中古は以前故郷の中古屋さんにも出物があったのですが3連で2万近いお値段に手が出せなかったのです。つまり今回手を出せたのはその時のお値段の半額以下というのも大きな理由でした汗)

 さて、前に入手していた3000系は購入時点でM車のパンタグラフが欠落していたのですが、当時はその理由が判然とせず、単に前ユーザーの扱いがラフだったからだと思っていました。

 ですが今回入手の個体を見ると2基あるパンタグラフがどちらも基盤が妙に浮き上がっています。どうもパンタグラフ自体のバネの硬さからプラの基板部分が持ち上げられている様でパンタを外さないと修正不能の様子です。

 見た目重視ならここはきちんとしたパンタ(もちろん他社パーツですが)と入れ替えるのが常道と思いますが、それは前の編成で実行しているので今回はそのままにしようと思います。

 走りはエンドウらしい豪快なものですが独特の安心感もあり悪い印象はありません。

バックマンストラクチャーの「農家」

2020-08-08 05:09:45 | ストラクチャー
 トミーナインスケールでも売られていたバックマンの懐かしNゲージストラクチャーから

 今回は「農家」を紹介します。
 和風のわらぶきとか瓦葺きの住宅の農家と異なりこちらの農家は日本の農村風景の中ではさすがに違和感を感じてしまう建物です。
 ですからこれを当時レイアウトに使った人はアメリカ型ファンを除けばそういなかったと思います。

 事実、これが売られていた当時はデパートの模型売り場で結構長い事売れ残っていた記憶があります。

 ですからこれも「アメリカの田舎風の住宅を現代の新興住宅地にもってきました」という感じのノリに使うのがよさそうです。
 あるいは少しマニアックな喫茶店や食堂、あるいはドライブインに使うとかも良いかもしれません。

 ところで上の写真、二階の窓枠が少し落ちかかっているのにお気づきと思います。
 実は最初は単にモデルが壊れかけているくらいにしか見ていなかったのですが、よく見ると窓枠ではありません。
 なんとこれ、「網戸」のパーツが別体で付いていたのです。

 確かに農家の窓には虫よけの網戸くらいあってもいいですし、むしろそれが当然なのですがよく考えてみたら「日本型の住宅模型で網戸を標準装備したものは完成品、キットを問わずひとつもない(はず)なのです。
 50年前のバックマンのストラクチャーにこういう細やかさがあるとは思いませんでしたからこれも結構なカルチャーショックです。

 更に裏手にはプロパンのボンベや空き樽なんかも配置されていて(造形が大味なものの)意外なほど生活感があります。
 サイズ的に小さすぎる弱点がありますが、単独の民芸品的モデルとして飾り棚やテレビの上なんかに飾っても面白そうなアイテムではあります。

レイアウトの琴電まつり・3・もと阪神・京王・名鉄編

2020-08-06 05:06:18 | 車両・私鉄/民鉄
 自宅運転会、高松琴平電鉄編の第3弾から。

 前述のように標準軌を採用している琴電では譲渡された種車も標準軌かそれに近い軌間の車両が選ばれる傾向があります。
 前回の京急も主力でしたが、阪神からも20M級が入線しており鉄コレでも第5弾で阪神3300ベースの1062が、単品で1053と54の2連が製品化されています。

 オリジナルの阪神3300は3扉車でしたが琴電では瓦町駅が急カーブ上のホームだったため真ん中の扉を埋めた2扉仕様となっています。
 両運転台仕様の1062は当初同系2連での運用でしたが後に増結用として使われたそうなので1053.54の2連とペアを組んでいた事もあったのかもしれません。

 見様によっては間延びしている様に見えるかもしれませんが、わたし的には逆に窓周りがのびやかになった様なイメージがあります。

 元が狭軌なのですが元名鉄3700系の1020も琴電では主力だった編成です。
 こちらは鉄コレ初期のオープンパッケージのモデルですが他車と並べるとアイボリーが幾分白っぽい色味の様です。

 何分10年以上前のモデルですから造形は今のモデルと比べるべきではないのですが、それまで15M級がメインだった琴電の鉄コレに17M級車が登場したのは個人的には結構なインパクトでした。

 そして1372ミリの軌道線規格の京王から転入してきたのが元5000系の1100形。
 こちらも鉄コレでは第11弾で登場しています。


 が、今回の編成は前回紹介したGMの琴電セットの仕様です。
 カラーリングが「コトデンそごう」仕様ですが、これは当時の瓦町ビルのメインテナントだったそごうの包み紙のカラーリングに合わせたものだそうです。

 おそらくこの仕様の1100が鉄コレで出るのは考えにくいのでGMのこれが唯一のモデル化になるのではないでしょうか。

「とれいん」創刊号と菊地文雄氏のはなし

2020-08-05 05:59:48 | 書籍
 今回は古本にまつわる思い出話から

 かねて欲しかった「とれいん」の創刊号。
 TMSの創刊号ほどにはレアものではないのですが、それでもなかなか出物に当たる事が珍しくなり、ここ数年探していた一冊でした。

 それが先日ようやく奥の出物に当たり晴れて入手できるようになった次第です。
 なぜそんなにこの号が欲しかったかと言いますと、この号の中に「菊地文雄個展」と言う特集があるのを知ったからで。

(科学教材社「模型とラジオ」83年7月号56Pより引用)
 菊地文雄氏の名前は1970年代以降はTMSとかRMMではあまり目にしないのですが、以前から折に触れている「模型とラジオ」で1980年代にNゲージ工作記事のメイン執筆者だった方です。
 氏が取り上げる題材は古典車両や割合マニアックな物が多く、模型とラジオの読者(ガンプラ目当ての小中学生がメイン)の嗜好とは聊かずれがあったのと、当時のTMSですら推奨していなかった「動力をゼロから作る工作法」をはじめこれまた小中学生には歯が立たなそうな技法が平然と載っていた事から、かねてより氏の作風と人物像には少なからぬ興味があったのです。

 (プレスアイゼンバーン「とれいん」75年1月号28Pより画像引用)
 本誌に掲載されている氏の作品群、とりわけ1950年代頃の16番モデルは当時としてはかなり細密なモデルですが、そのディテーリングのノリには1980年代のNゲージ工作記事に共通するセンスが感じられます。
 と、言いますか1980年代のNゲージモデルで1950年代の16番細密モデルの文法がそっくり持ち込まれている事に一驚を禁じ得ないのですが(驚)

 今回、創刊号の特集で氏の人となりをおぼろげながらに拝見したのですが、氏は大正3年の生まれで、戦前は30分の1で数々の機関車モデルをものにし、昭和30年代の模型とラジオを中心に工作面での16番の育ての親と呼ばれる存在だったそうです。
 ですから、私より一回り上の世代の16番工作派にとっては一種のカリスマ的存在だった様で氏の記事を見て車両工作に挑戦したファンも結構いたのではないでしょうか。

(科学教材社「模型とラジオ」1983年11月号より画像引用)
 とれいんの特集においても16番以上の模型が中心ですが当時としてはかなり高度なフルディテールのモデルが多くこれにあこがれたファンも多かった事でしょう。
 その一方でたばこの箱を使ったカラフルなボギー貨車という遊び心に溢れたモデルも物しており、当時すでに50年というキャリアと重ね合わせても趣味人としてリスペクト出来る方とお見受けしました。

 とれいん誌が創刊号で菊地氏を取り上げたのはかつての模型とラジオの読者の年配ファンの琴線を刺激するという意味もあったのではないでしょうか。
 (似たようなパターンでは後にRM MODELSが月刊化前後の号で「模型と工作」誌の西村正平氏を取り上げた事があります)

 菊地氏の鉄道模型工作記事がNゲージにシフトしたのはこの数年後ですが、これだけのキャリアのある方ならNゲージでも古典車両への関心があったでしょうし、モータとギアの組み合わせ、ボール紙や真鍮による車両工作の記事にも必然性があったと思えます。
 ただ、1980年当時の模型とラジオの読者層との世代感覚のずれも今更ながらに感じられもするわけでして、80年代の模・ラの読者でリアルタイムにこれだけの車両工作をものしていた人がどれ位居たかはわかりませんが。

「シャロの家」とユネスコハウスのはなし

2020-08-04 05:52:52 | ストラクチャー
 今回は前回紹介したアニテクチャーの「甘兎庵」の話の続きです。

 実はこのキット、作る建物は甘兎庵一軒だけではありません。
 アニメではお隣さんに「つつましやかで良い家だと思うのだけど・・・」と言われているシャロの家という「物置並みにちんまりした家」がありまして、今回のキットはこちらもセットになっているのです。


 こちらの方はおまけと割り切ってついでの工作レベルで対応したのですが、結局は1時間くらい使いました。
 完成してみるとGMの物置や街コレの交番よりは大きいけれどIORI工房さんの公営住宅(2DK)の3分の2くらいの大きさしかありません。

 それでいてキットには家の前の石垣(または石塀の跡?)とか別パーツ化した飛び石、更には「150分の1スケールの野良うさぎ小屋」なんてのも付属しているのでそれらも含めると意外に手間が掛かったりします。
 
 ここで余談ですがHO・16番のレイアウトが勃興し始めた時期、レイアウト用の住宅として当時プラモで出回っていた「ユネスコハウス(世界の家)」という住宅のプラモデルが良く使われていた時期があります。
 当時の雑誌なんかを見るとそれらの家々はどれも独特のちんまり感のある、よく言えば可愛らしい、悪く言えば貧弱な家々だったのですが今回のキットの家の印象がそのユネスコハウスによく似ているのです。

 (機芸出版社「レイアウトモデリング」108Pより画像引用)

 しかもこちらはNゲージですからちんまり感も半端ありません。
 (トイレはあっても風呂はなさそうな1Kサイズ?)

 ですがこのちんまりした小ささはある意味この家の強みとも言えます。
 何しろ庭付き一戸建てなのにこの小ささなのでちょっとした隙間に簡単に押し込める機動性があるのです(あってどうするw)

 私のレイアウトはこの3か月の休日蟄居生活の間に線路わきの商店街の拡充が著しく、それに比例して空き地がどんどん狭まっていたのですが、それでもこの家が商店一軒入れなかった空きスペースにするりと入り込んで「列車を眺められる線路わきの一等地」に居座ってしまえたのには驚きました(笑)
 まあ、最初からそんな用途を想定してこのキットを買う人はいないとは思いますが、もし酔狂にもそんな真似をしようと考えた方がいるならば一応参考にはなるかもしれません(爆笑)

 なお本来はこの家は本来は「甘兎庵」と一体のベースなのですが、上述した機動性の関係からベースをカットして二軒を別個に使っています。こういう時カッター一丁でベースがカットできるペーパーキットは楽です。

甲府モデルのリニアモーターカーML100

2020-08-02 05:36:52 | 車輌・電車
 甲府モデルのキット消化第二弾。

 今回はリニアモーターカーの「ML100」です。
 実はこれを購入した当初は動力化して走らせる事を全く考えない(元々鉄博風モジュールの展示品を想定していました)でいたのですがグランシップが流れ、休日毎の蟄居生活で煮詰まりかけていた事もあって急遽動力を調達しました。

 キット自体は「上下分割のパーツを合わせて塗装する」というシンプルなものです。
 上下分割なので上半分が白(アイボリー系の)下半分を赤で塗ればそれなりに様にはなります。

 ただ、塗分けを考えると(先日紹介のKATOのセドリックほどではありませんが)このキットも実に小さい!!
 車体なんか「うっかりプールに落としでもしたらゲンゴロウと間違えられそうな小ささ」なのです。

 それを白と赤を塗り分け、窓に黒を刺すのですからしっかりしたマスキング(と塗分け、重ね塗りの気長さに耐える根性w)が工作の肝と言えます。

 例によって私の工作ですから雑なのは勘弁してください。
 たぶん大概の人がきちんと手順を踏めばこれよりはましになるはずです。

 さて、急遽調達した津川洋行の動力ユニットTU-9A。
 (まさかこれがAM●ZONで値引き販売されているとは思いませんでした。だから何とか買えたとも言えますが)

 Zショーティ並みかそれ以下のサイズでありながらコアレスモータ搭載で意外に元気よく走ります。
 これを車体に差し込めばNのレール上を走行可能になります。

 流石にMLU002のような豪快な加速と迫力という訳にはいきませんが実にちょこまかと走ってはくれます。
 ただ、安定性の面で不安はあるので車体に適当なウェイトは欲しい気もします。

カラーブックスの「私鉄の機関車」

2020-08-01 05:34:38 | 書籍
 今回はカラーブックスの鉄道ネタから

 先日当ブログで「私鉄ローカル線」を取り上げた折、ある方からカラーブックスには「私鉄の機関車」というのがあるとのコメントを頂いたのですが、それ以来妙にその本が心の隅に引っかかっていました。
 幸いというか古本の出物を見つけて割合安価に入手できました。

 さて、このところ私が本を読む場面というと「寝る前に布団の中で」というのがパターンなのですがそういう時手の中に収まる文庫本というのは読みやすさの点で大いにありがたい存在です。
 まして鉄道ネタの本で文庫サイスというとカラーブックスの右に出る本はありません。
 「私鉄の機関車」(加増和彦、池田光雅著)はその意味でも最近楽しめた一冊でした。

 この種の俯瞰本としては以前紹介したJTB Canブックスの「私鉄機関車30年」がありますが、取り上げられている機種が多く、スペックも容量よくまとまっているのは良いのですがページの大半が白黒なのが玉に瑕でした。

(加増和彦、池田光雅著 保育社カラーブックス「私鉄の機関車」6・7Pより画像引用)
 その点本書の場合、ページの半分がカラー見開き。
 私鉄の機関車というと会社ごとにカラーリングが異なることが多い上に大半が地方私鉄や貨物専業の事が多いのでカラーリングがひと目でわかるカラーブックスの構成は非常に向いています。

 地方ごとに紹介する構成も要領良くまとめられていますし、分かり易かったです。

 今回初めて見える様な形式も結構ありますし、寝る前に読む本として満足度が非常に高い物でした。カラーブックスの鉄道本の中ではなかなかの名著と思います。