光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

D51の廃車回送を見た日のこと

2015-05-19 09:22:58 | 車両・蒸気機関車
 DD51の時に紹介したトレーラーのD51の使い道その2です。


 昨年の今頃にも同じ記事を書いた気がしますが(汗)
 昭和51年の事ですがたまたま出かけた盛岡駅で明らかに廃車回送中の「ED75とD51」の組み合わせを眼にした事があります。時期的には前年にC57 135による国鉄最後のSL営業運転が終わった翌年。
 まさに「宴の後始末」みたいだった時期に相当します。

 今でこそ廃車回送と言うとクモヤか何かに旧式電車の編成とかを組み合わせるのをよく目にします。
 が、この時はまず「普通の貨物列車で機関車の次位にD51が繋がっている」というノリで編成されていたのに驚きました。
 ただ、そのD51はナンバープレートをはじめ金目のものはすっかり外され(ナンバープレートの跡には白ペンキで機番が描かれていたのを覚えています)車体の荒れ具合も物凄い物でした。
 
 何かの都合なのか、それともあの当時はそういうのが当たり前だったのかははっきりしませんが何れにしろ珍しい経験だったのは間違いありません。

 なので当時の記憶をさぐりつつその編成を再現して見ました。

 こういう時にも動力抜きのD51は役には立ちます。
 当時の事とて記憶違いがあるかもしれません。そもそも当時の国鉄で普通の貨物列車に廃車回送の機関車が繋がっていた実例が他にあったかどうかは今回調べた限りでは分かりませんでしたし。

偉大なる凡庸の系譜・T3型蒸気機関車

2015-01-23 16:39:55 | 車両・蒸気機関車
 偉大なる凡庸シリーズ・今回は番外編の性格が強いのでそこはご承知下さい。
 なぜならあくまでも「うちのレイアウト上での偉大なる凡庸」だからです。

 棚幡線の開業の前後からNスケール準拠の小型のSLモデルをいくつか見つけたりしています。
 「必要を感じると(あるいは欲しくなっていると)普段は働かない注意力が働く」というのは物探しやら探索の際にしばしば起こる事だそうですが、実際この時期は不思議なほど小型機の中古モデルに当たりました。

 ただし小型の蒸機となるとその大半は外国型という事になってしまいます。
 私鉄の小型機にはしばしば輸入機が導入されるケースが多いそうなので日本風のレイアウトへの親和度はそれなりに高く、その意味では大助かりです。

 その過程で単一形式でありながら異様なほど入線率が高かった機種があります。
 旧プロイセンの国鉄蒸機として誕生しのちにドイツ国鉄に編入されたT3(BR93)がそれでした。

 この機種は日本のNゲージの黎明期から普及期にかけてかなりの数が売れたそうなので中古の出物が元々多かった様ですがそれにしてもよく当たりました。
 現在でもこのサイズに適合する日本型はワールド辺りの高級品しか存在しないのでその意味でも貴重とは言えます。

 現在在籍中の物は4両。アーノルドラピードとトリックスが2両づつという内訳です。
 日本型でも同一形式4両というのはうちのラインナップでは多数派に属しますからこれだけでも十分異常だったりします。

 この形式は彼の地でもNゲージ黎明期にリリースされた物だけに構造やスケールダウン、ディフォルメの仕方が特徴的です。
 特にトリックスのものなどは実車の写真とまるで似ていませんし両社とも現行製品と並べるとかなり大きめにスケールアウトしている部類です。

 ですがそこはディフォルメの妙と言いますかT3の外見に拘らなければ、明治期に走っていそうなかわいらしいミニ蒸機と言った趣があり棚幡線の様なレイアウトではかなり重宝します。
 どちらも模型としても車齢をかなり重ねたモデルと思われ走行時には一定時間以上のエージングというか慣らし運転をしないとコンディションを取り戻せません。

 が、一旦調子に乗ると結構タフに走り回ってくれるので運転会などのデモ走行ではかなり活躍してくれます。
 この辺りは実物の蒸気機関車に似ていなくもないですね(笑)

KATOのD51にナンバーを付ける

2015-01-18 18:25:54 | 車両・蒸気機関車
 今回は工作とすら言えない工作のはなしです(汗)

 元日に入線させたKATOのD51にナンバープレートを装着しました。

 ナンバーは17号機ですがこのセレクトには特に深い意味はありませんでした(笑)
 ナンバープレートは小さな二本のポッチで四角い取り付け穴にはめ込む形式ですが以前の様に長四角のポッチではめ込むのに比べると若干ですがはめ込みは楽になった気がします。

 後で調べて見たのですが17号機は戦後、廃車されるまでほぼ一貫して盛岡かその近辺に配置されていたらしい事だけはわかりました。
 廃車も盛岡で昭和43年暮れには廃車されていたそうなので事によると幼い頃機関区の近所に通っていた私が実物にお目に掛かっていた可能性も大きいと思います。

 とはいえ当時の私はまだ幼稚園児だったので機関区の近くに居てもどれがどれだかわかるはずもないのですが。
 (第一、幼稚園児にはなめくじと通常型の区別すらつきませんし、そもそもその頃は「デゴイチ」と言う呼称すら一般的ではありませんでした)



 余談ですが、大晦日入線を果たしている天賞堂の16番のキハ11とも並べているのですが前面のディテーリングの密度が見た目の印象ではそんなに違わないというのはある意味凄い話です。
 モデルのサイズの差があるから余計そういう印象を持つのかもしれませんが。

 ただ、それだけに後部のアーノルドカプラーとの違和感も物凄い事になっています(笑)

「はじめての元日入線」KATOのD51一次形東北仕様

2015-01-11 16:14:36 | 車両・蒸気機関車
 今回は今年最初の入線車とそれにまつわる買い物ばなしから。
 昨日も書いた様に今日から仕事という関係で実家からの帰宅は元日となったのですが今回は若干時間に余裕が作れたので新宿に立ち寄る事ができました。

 元日という事でさすがにデパートは開いていませんでしたが、某カメラ店を筆頭に西口のショップは大概が元日からの営業。
 それに集まる買い物客もいたせいか「いつもの新宿」そのままの風情でした。第一晴れ着姿もなし、正月飾りなんかもあまり見ないので「気分は13月か12月32日(笑)」です。

 とは言うものの、何しろ故郷でも現住地でも元日からやっている模型屋なんてものがありませんから実際は「元日から鉄道模型が買える」というのは田舎者にとってかなりのカルチャーショックではあります。
 それと「鉄道模型の福袋」なんてのも(笑)

 西口の某ショップでもその福袋が5つくらい残っていました。
 実際買おうかどうしようか少し逡巡したのですが、自分の好みに合わない物に当たる確率のあるものに大枚ははたけないという気持ちが勝ってしまい結局買わずじまいでした。
 やはり田舎者の貧乏性です(汗)

 そこからの帰りがけ、某カメラ屋で子供にトレーディングカードとやらを買ってやった折、ふとレジの奥に積んである物に目が止まりました。
 それがKATOのD51一次形東北仕様。

 存在自体は知っていましたが予約を忘れていたのと予算不足のせいでタイミングを逸しているうちに故郷や現住地では早い段階で売り切れてしまい、買えずじまいだった奴です。
 しかも量販店と言う物のない田舎では考えられない安さ(汗)

 ついに手を出してしまいました。
 当鉄道初の「元日入線」の車両となります。

 帰宅後早速試走してみましたが、流石最新モデルだけあってスローもよく効きますし走行性は滑らかの一語です。

 ファインスケール志向なので従来機より小さめに感じるのは最近のKATO蒸機同様ですが、ディテーリングの凝縮感は只者ではありません。
 先輪がちゃんとしたスポーク車輪になっている所やボイラ下が抜けている所などは分かっていてもやはり感動します。
 ですがここまで細密だとかえってナンバープレートが無いのに違和感を感じてしまうのも確かです。

 早速今夜あたりナンバープレートを付けてみたいと思います。


C53流線型のボディキットから(汗)

2014-12-18 17:39:23 | 車両・蒸気機関車
 これまでもそうでしたが帰省とか年に2,3回の秋葉ツアーでは時折「なんでこんなのを」と思えるような物を買ってしまう事があります。
 流石に大散財レベルの物は少ないですが、特に「こんなの感」を強めるのが「自分の腕で作れるかどうかわからないキット類」です。

 今回のアイテムにもひとつだけそういうのがありました。
 「C53流線型のボディキット」がそれです。

 実は最初店頭でこれを見た時に「大昔TMSが出した事のある流線型C55のキット組み品」と勘違いして手を出してしまったものです(恥)
 帰宅後よく見たら車体の曲げこそされていますが、妙に細かいパーツが多い上にC55にないスノープラウが出てきて驚きました。

 慌てて調べてみるとどうやらキングスホビーがKATOのC55ベース前提でリリースしたキットだったらしい事を知り仰天です。
 キットである以上ハンダ付けは必須。

 道具こそ揃えていますがこれまで使ったのは16番モデルのレストアのみ。
 「ワールド」どころか「とて簡」すらやった事のない私には相当なハードルの高さに感じます。
 大体、蒸気の中でも構造がごく簡単に見える筈のC53の流線型なのにこのパーツの多さはどうかと(大汗)

 自分の腕のなさを承知している身としては考え込んでしまいます。
 買った以上はいつか組み立てたいですが、その前にとて簡辺りで練習した方が良さそうです。

 もし完成できれば、KATOスケール(旧モデルを中心に実際の150分の1よりやや大ぶり)の蒸気では唯一の流線型になりますし。


Nゲージ蒸気機関車・PECOのLMSジュビリーに懐かしみ、驚く(笑)

2014-12-07 16:32:05 | 車両・蒸気機関車
 今回はNゲージ中古モデルの掘り出し物から。
 ある年代には有名だった割にこれまで私も触れた事のないモデルです。


 PECOのLMSジュビリータイプの4-6-0蒸気機関車。
 おそらくこれを覚えているか知っている人は少なくとも40年以上のキャリアを持つNゲージャーでしょう。

 Nゲージの揺籃期だった1971年暮れ頃、PECOの輸入代理店でもあるTMSこと鉄道模型趣味の機芸出版社がNゲージの普及を目指して発売した蒸気モデルです。
 何しろこの当時日本形の蒸気はKATO(関水金属)のC11とC62のみ(C50は既に生産中止でした)
 ラインナップ上でちょうどこの時期は手頃な中型蒸機が存在していませんでしたからディテーリングを外せば大正期のテンダー機に見えない事もないジュビリーを出す意義は大きかったと思います。


 ですがこの機種については知名度の割に専門誌で取り上げられる事の少ないモデルでもあります。
 これは推察ですが当時唯一の鉄道模型専門誌が輸入・販売していた事から他のメーカーの手前あまり大っぴらに宣伝できなかったのではないかと思います。
 ましてどんなに物が良くてもあまり褒めると我田引水に取られかねない恐れもあったでしょうし。

 実際、当時のTMSのバックナンバーを見てもこのモデルの紹介、特に走りについての記述は殆ど書かれていません。
 なにしろ本機について一番まとまった記事が72年3月号で「ジュビリーを日本型フリー蒸気に改造する」と言う位です。
 改造記事なので一度分解する必要上モデルの構造についてはよくわかるのですが…

 そのジュビリーを大宮の某ショップの店頭で見つけたのですから手を出さない訳に行きませんでした。
 いつもの様にもちろん安さも決め手だったのですが(汗)


 帰宅後早速走らせてみました。
 このモデルはブランド名こそPECOですが実際にはイタリアのリバロッシに外注した物です。
 リバロッシと言えば当時アーノルドに並ぶ世界的なブランドですので走りについては折り紙つきの筈です。

 走り初めこそ引っ掛かりが合ったのですがひとたびギアの辺りが付いてくると信じられないほどのスムーズな走りを見せました。
 40年前の超が付く中古モデルとしてはこれは異例な事です。

 動力は3軸のテンダーにモータを内蔵したテンダードライブですが実に滑らかです。機関車部は動力に押されて走る形になるのですがロッドを空回りさせるだけでなくきちんと車軸にギアを噛ませてロッドの引っ掛かりを防ぐ機構になっています。
 恐らくロッドの引っ掛かりのトラブルは皆無でしょう。
 もちろん「テンダーに押されている」感は全くありません。
 このスムーズさがこのモデルの最大の特徴であり美点であると断言しても良いでしょう。


 この走りに比べたら後から出たTOMIXや中村精密のテンダードライブ機が一種の欠陥品に見えてくるくらいです。
 この走りを楽しんでいるうちにこのロコが外国型である事をしばしば忘れてしまいます。
 逆に言えば走りの良さは国境を超えるという事なのでしょうか。

 それを差し引いても外国型のトレードマークとなる一部のディテールを撤去するだけでも「大正期の輸入機」で通用しそうな端正なプロポーションは持っていると思います。

 いずれにせよこれは結構な掘り出し物でしたし、この間から入線しているMODEMOのスハ32や古くから出ているのに適当な牽引機に恵まれないKATOのオハ31系にはよく似合う蒸気と言えます。

最小のN機関車?・津川洋行の有田コッペルに驚く

2014-11-21 22:32:57 | 車両・蒸気機関車
 今回は先日の運転会の写真でも少し触れた津川洋行の有田鉄道コッぺルBタンクのはなしをば。

 先ずはこの写真をご覧ください。
 隣に停まっているアーノルドのBタンクもNゲージスケールとしては相当に小さい方なのですがどう見てもそれの半分もありません。
 何しろ大真面目に「私の小指の上に乗ってしまう」サイズなのです。
 短さでは同じ津川の銚子デキ3の方が短いのですが機関車自体の容積では明らかにデキ3を下回ります)
 これだけだと「自走できない飾り物」と早計しそうですが、これが立派に自走するのですから正直驚きです。

 この夏にリリースされた津川のコッぺルの存在は私も知っていましたが登場時から相当な人気モデルだったのと走行性能に疑問(後述)があった事からこれまで入線を躊躇してきたモデルでした。
 いや、そもそも地元のショップで見かけなかった代物でしたし。

 それが先日、普段覗かないショップの隅にこれが並んでいるのを見てついムラムラと(汗)

 津川の機関車は以前に軌道モーターカーと銚子電鉄デキ3を入線させた事があるのですがそのどちらもが走りの点で今ひとつな印象でした。
 この種の小型車の場合実車の用途から言ってスロー走行がある程度できないと使えない(使う気にならなくなる)のですがどちらもが結構な勢いがないとまともに走らず、特にポイントの無電区間に引っかかりやすい特性はミニSLレイアウトの棚幡線での使用で最大のウィークポイントとなります。
 ですのでコッぺルの入線はその意味で一種の賭け(それも勝ち率の低いw)でしたし、試走時までは走行性に期待はしていませんでした。

 ですが実際に走行させて見るとこれが意外に良く走ります。
 サイズと構造からしても粘る様なスローと言う訳には行きません。TOMIXの1000CLのコントローラを最小限に絞ってもかなりちょこまかした走りになります。但しミニカーブ用のポイント程度の無電区間は意外とすいすいクリアしてしまいますのでデキ3辺りよりは安心して使えます。

 単機でそうですから貨車の1両も牽かせれば多少の空転を覚悟してそこそこのろのろ走行は出来そうな気はしたのですが運転会での走行も結構元気いっぱいでした。2軸貨車を3両も牽かせた状態では停止の度に「後ろから貨車に押されて空走してしまう」というある意味リアルな走り方も(笑)

 と、まあそれなりに好感を持てる走りですがモータが小さいので長時間の運転は避けた方が無難そうです。

 前述したモーターカーやデキ3は1軸駆動でしたがコッぺルの場合、曲がりなりにも2軸駆動ができる事が効いているようです。

 しかもこれは標準状態での話。

 実はこのコッぺルはディスプレイ用と走行用でボイラーを使い分ける事の出来る設計になっています。
 付属のもう一つのボイラはホワイトメタル製でプラのそれより微妙にずっしりとしています。
(ちなみにこの写真の台代わりに使っているのはCDの古ケースなのですがこの機関車が載るとCDケースすら大型の作業机みたいに感じられます)

 早速ボイラをコンバートして見ると粘着力が上がったために更に走りは好印象でした。
 (とはいってもあくまで「この小ささとしては」と言う但し書きの範囲でです。流石にスローはKATOのC62みたいな訳には行きません)

 この「用途に応じてボイラをコンバートできる」という特徴はNゲージ蒸機としては相当に良いアイデアと思います。
 更にこのコッぺルの場合、車体の分解が殆ど食玩並みかそれ以上に容易に出来ており気軽にボイラを交換できるのみならず、後述するディテールアップの上でも非常に貢献できる特徴となっています。

 本気の付属パーツは上述した替えのボイラの他、牽引用のアーノルドカプラがありますが、箱の下のスポンジを外して見ると取扱説明書とエッチングのディテールアップパーツが付いてきています。
 エッチング打ち抜きと言う性質上「塊」や「線」であるべき所が「板」になってしまう宿命がありますがこれ位小さいモデルでフルに近いディテールアップが可能と言う点を考えると十分以上に許容範囲でしょう。

 ですがそのディテールアップが説明書ではナンバープレートと開放てこ以外については「写真を参考に付けてください」というのは流石に少し不親切な気もしますが(笑)
 この配慮は中々いい所を突いていると思えます。
 上手い下手は置いておいても見ていると「取り付けたい気持ちにさせてくれる」所が良いですね。

 最初に店頭でこれを見た時には単純に大きさに感心するだけだったのですが、パッケージを開けて見てそのコンセプトに感心させられました。
 個人的な印象ですが恐らく津川のモデルとしては最高傑作に近いのではないかと思います。


「SL銀河」ネタ番外編・中村精密のC58の入線

2014-11-07 16:43:38 | 車両・蒸気機関車
 「SL銀河」絡みというか、今年はよくC58に当たる気がします。

 今回のは中村精密のC58。
 競合機が殆ど無いC54と違いKATOを筆頭にマイクロの製品もかなり普及しているせいか値段は以前入線させたC54の半額以下でした。
 実質KATOの新品並みです。

 コンディションもC54と同レベルで走行性も悪くありません。

 こちらは確か実車で「やまぐち号」が登場した前後のリリースだった筈です。
 が、そのせいか走行性は良い物の造形自体に煮詰めの甘さの様な物を感じました。

 具体的には妙に寸詰まりな砂箱とかボイラー下部のざらついたバリなどでしょうか。
 バックプレートも再現されていますがキャブの窓が小さいので真後ろから覗かない限りせっかくの造形がよく見えないのは仕方ありません。
 とはいえ量産完成品でバックプレートのきちんと付いたC58はワールドなどの高級品しかありませんからその意味では貴重です。


 実際のスケールよりやや大きめに作られたKATOと異なり一応スケールに近いサイズなのでKATO以外のメーカーの蒸気と並べる分には中々いい雰囲気を見せます。
 何より走りっぷりはC54とほぼ同レベルなのが嬉しいポイントでした。

 それにしても童友社の「C58のようなもの」が入線して半年と経っていないのにこんなのまで入ってきたのには驚かされます。
 つくづくC58には何か因縁があるのかもしれません。

フライッシュマンのBR38(国鉄8800)蒸気機関車

2014-11-02 16:42:26 | 車両・蒸気機関車
今回は外国形中古モデルから。
 フライッシュマンのDB38型蒸気。同形のモデルのHOバージョンは以前紹介した事がありますが、今回入手できたのはNの仕様です。


 これについては昨年秋のクラブの運転会で紹介した事がありますが、国鉄8800型蒸気のひな型となった経緯のあるドイツの蒸気機関車です。
 実際、これが輸入された大正初期には英国型、アメリカ形、ドイツ型の蒸気が蒸気機関車の国産化サンプルとして随分いろいろなタイプが輸入され一種百花繚乱の様相を呈していました。
 ドイツ型らしい質実剛健さと精密さを併せ持ったデザインはHOでも十分魅力的です。


 昨年辺りにこれと同じモデルをクラブのメンバーの持ち物として見せてもらった時にはなかなか良い感じのモデルという印象だったので少なからず羨ましいと思ったものです。
 ですが、それから9カ月ほどして同じモデルがエバーグリーンショップの店頭にあるのを見つけた時は結構驚きました。
 しかも値段も日本型蒸気のそれと大差ない(と言うかむしろ安い)のは購入を決断させるには十分です。

 こうやって私の財布は日々痩せて行きます(大汗)

 ただ、安いだけあって「走行時に空転しやすい」との但し書き付きです。
 帰宅後の再チェックでは動力のあるテンダーの車輪のゴムタイヤが経年劣化しており車輪の直径が総体的に小さくなった事が空転の原因の様です。
 このブログにお付き合い頂いている方にはご記憶の向きもあるかと思いますが、これと同じトラブルは昨年中村精密のC51で経験済みです。

 
 その時のレストアの経験に照らし合わせるならゴムタイヤ部の交換か、駆動輪の順番を差し替える事で多少改善すると思われます。
 どの方法を使うかは今後の課題ですが。

 外見上はデフを撤去し、動輪を塗り替え、大型のヘッドランプを付けるだけでもかなり8800に近い感じにはなりそうです。但しテンダーは恐らく国産の3軸と思われるのでそのままでは適合できないのですが、何しろテンダードライブ機ですからそこは割り切るしかないでしょう。


 尤もそのままでもスハ32系辺りとはよく似合います。

今月の掘り出し物・中村精密のC54

2014-10-17 17:30:23 | 車両・蒸気機関車
 今回は我ながら掘り出し物と思います。
 中村精密のC54。

 当時のNスケールではマイナー度から言ってなかなか製品化の難しい機種と思います。
 中村製のモデルでも最初のC51は梯子がボイラー部のモールドで表現されていたりして細密感の点で損をしている所があったのですが、このC54辺りでは見せ方が手慣れてきた感じです。
 梯子の別パーツ化だけでも結構細密感が違う感じがしますし、テンダードライブの強みでバックプレート部が再現できる上に大きいキャブの窓がブラスできれいに抜けている(プラの様な肉厚感が無い)所もポイントが大きいです。


 当然デフも金属製ですからこれまた肉厚感のないいい感じで金属モデルの量産型のメリットがそれなりに感じられました。
 (但しデフの取り付け部が板を曲げて接着しているせいかやや不自然なのが困りものです)

 ですがこのモデルを個人的に「掘り出し物」と思ったのは外見ではありません。

 実はこれまで入線させてきた中村製の蒸気はそのほとんどが走行性に問題を抱えた(だから安かったのですが)物が多く走りの点で「中村の本領」を感じさせる物になかなか当たらなかったのです。
 動力台車(テンダー部)のゴムが劣化して金属の線路上で空転しやすかったなんてのは序の口でロッドが地面に突き刺さって走行不能だったとか、ロッドそのものが走行中にひんまがったなんてのまであって(大半は調整で多少どうにかなったとはいえ)走りの点で良い印象のモデルに当たらなかったのです。

 ところがこのC54は見た感じ殆ど新品に近いコンディションだったので線路上で驚くほどすいすいと走って見せました。
 テンダードライブとはいえ、TOMIXのC57みたいにエンジン部が軽くないのでそれなりに重厚感のある走りっぷりな上にロッド周りの機構も良いので動輪も実にスムーズに回ってくれます。
 下手なキャブモータよりもよほど良い走りっぷりで、なるほどこれが中村精密の本来の実力かと見直しました。

 走りさえよければ造形も中々ですし、良い物を拾えたと思います。

マイクロのD52戦時型

2014-09-06 06:49:37 | 車両・蒸気機関車
 今回も中古モデルのはなしです。
 物はマイクロのD52戦時型。

 D52自体元々が戦時設計みたいな機関車ですが、少ない玉数で最大の運用を図る(一編成辺りの牽引力を最大にする)ために最大級のサイズのボイラーを搭載したりしているのが最大の特徴です。
 ですがそのD52から仕様を更に切り詰めてデフや炭水車の上半分を木製化したり砂箱が角ばっていたりと何から何まで削り取った無骨な外観の機種、仕様です。
 現実問題としてこれが大活躍できるNのレイアウトがちょっと想像できません。現にうちのレイアウトに配置しても余程の田舎風景でないとピンときませんでした。
 その意味では走らせるためと言うよりも純粋なコレクターズアイテムに近い性格の製品の様な気がします。

 とはいえ、安価な中古の出物があったからと飛びつく私もどうかしていますが。
 プロポーションはいつものマイクロ蒸機のそれで長さやボイラ太さなどはスケール通りですがスケールアウト設計のKATO初期型D51より迫力に欠け、不思議と華奢な印象があります。

 「戦時型」というと資材不足と開発期間の切迫などからすべてをぎりぎりまで切り詰めた特殊な仕様というイメージがあります。実際B20や63形電車などにもそれは見て取れますが機関車(あるいは電車)として最低限の機能だけに絞り込まれた外観には兵器には感じられない悲壮感の様な物も感じてしまいます。

謎の改造Cタンク

2014-07-14 21:43:17 | 車両・蒸気機関車
 先日、手を加えられた中古モデルが安価に出ている事について書きましたがそれに関連したモデルと言えなくもありません。

 9600を改造してDタンクにしたモデルが近所の中古屋に並んでいた話を先日しましたが同じ中古ショップを再訪した所更にラインナップが拡充(笑)していたのには驚きました。
 9600と同じKATOのC11の線輪と従輪を大胆にもカット、それに合わせて車体も切り詰めたという力作です。

 それほどの力作なら少し位値段に色が付いてもよさそうな気もするのですが事実状態の悪いC11よりも良い値付けになっておりました。
 ただ、それも状態によります。

 このC11改は2、3両あったのですが色が黒い奴は高価だったものの1両だけ極端に安いモデルがありました。
 
 これを見て頂ければ理由は問うまでもない気がします。
 作り手の一生懸命さは非常に伝わって来るのですがここまで塗りたくられると考え物です。

 とはいえ動力はしっかりしていましたし塗装はともかく改造自体はよく出来ていると思いました。
 色を落として手を加えれば面白い存在になりそうだったのでこちらを購入しました。

 線輪も従輪もありませんがパーツのあてが付けばC12風のショーティにも出来そうですし、切り詰め方悪くないのでそのままで使ってもそれなりに行けそうです。

 KATOのC11は線輪と従輪の追従の関係から140Rのミニカーブをクリアできないのですが単純なCタンクの状態で単純なエンドレスを走らせる分には多少引っかかるものの140Rをどうにか走らせられます。

T3タンク蒸気機関車とNゲージの歴史におどろく

2014-06-30 18:52:25 | 車両・蒸気機関車
 先日ジャンク箱から入線を果たしたミニトリックスのT3蒸気の話から。

 以前も触れた事がありますがこのT3蒸気は以前にも中古を買った事があります。
 今回のジャンク箱のT3が入り2両になった訳ですがこれまでこの2両をじっくり並べた事がありませんでした。

 先日このふたつを並べてみたのですが、
 「どうも何かがおかしい」
 外見上このふたつの蒸気はプロポーションは全く同じ、足回りも全く同じものです。

 ところが車体のディテーリングがかなり異なる事を発見しました。
 以前入手した方はタンク部や車体の随所にリベットの表現がありますし、ボイラ下に担いばねの様なモールドがあります。

 ですが今回のT3はそれらが無く妙につるりとした印象なのです。
 更に驚いた事にジャンク箱のT3の方は何とキャブの前方に窓がありません。
 つまり運転席から前が見えない(!)という驚くべき造形だったのです。

 前に入線した方にはきちんと窓が開けてあるので明らかに金型を改修している様です。

 ここから興味を持って再調査して見たところミニトリックスのT3の驚くべき履歴がわかりました。
 何とこのT3、50年前の初登場時は動力を持たない「手押し玩具」としてデビューしたものだそうです。
 後にNゲージに本格参入する際にモータを搭載させて自走できるようにしたとの事。

 前面に窓のないT3はその当時の名残だったようです。
 当然それ以降も金型の改修は続けられその過程でディテーリングも追加されたのでしょう。
 
 T3自体はアーノルドラピードからもモデル化されているのですがミニトリックスのそれと並べると同じプロトタイプとは思えないほど形態が違います。
 同じプロトタイプでこれほどに外見が違う事が謎だったのですが、モデル化の出発点が違っていたのだという事なら納得できます。

 ミニトリックスのT3はその後何度も金型を改修して最近まで続いたモデルだそうでその過程でディテーリングの追加や窓の追加等が成されたようです。
 ですから当然ジャンク箱の方がモデルとしては古い事になります。

 いずれにしても面白い事実でしたし結構勉強にもなりました。
 ジャンク箱のT3ですが走りっぷりは前述の後期形とほぼ同じでしたのでこれも拾いものです。

ジャンクの玉手箱から「残念な」C12のはなし

2014-06-16 17:19:07 | 車両・蒸気機関車
 今回はジャンク箱ネタです。

 ついこないだまで幻の名機扱いされていた中村精密の「C12」
 よもやこんな希少品にジャンク箱でまみえようとは思っても見ませんでした。
 おそらくこのジャンク箱にあったモデルの中では最も新しいモデルと思われます(確か80年から81年頃)

 C12と言えば以前マイクロのを入線させているのですが異様に上下に間延びしたプロポーションの違和感は凄まじく、C12と思いこむには相当な脳内補完が必要でした。
 そんな事もあって以前から評判だった中村精密のC12には興味を持っていましたが、こんな形で入手できるとは。

 金属車体とはいえ、以前のC51の様にダイカストの塊でボイラを表現せず、エンドウの9600と同様にブラスの板を丸めたボイラにディテーリングした構成で手摺類も植え込みで表現しています。
 元々C12自体がかなりの小型機なのですが上記の構造の為に手すりや梯子がモールドでなく別パーツなので凝縮感のあるディテーリングでした。
 この為に相当な細密感が感じられます。

 プロポーションはまさにイメージにあるC12のそれです。
 マイクロより20年近く前のモデルなのにそれを上回る再現性には頭が下がります。
 年式相応の表面の荒れも見られますが30年も経ったブラスモデルとしてはこれは常識の範囲内でしょう。
 但し、年式相応と言いますか長期間晒しものになっていたらしい事も伺われますが。

 走行性ですがさすがに文句なしとはいきません。
 小型のモータのキャパシティの問題もあるのでしょうがスローが難しく、少し電圧を上げると元気の良すぎるちょこまか感のある走りとなるのは小型機としては許容範囲のぎりぎりのラインと思えます。
 とはいえ、マイクロではクリアできなかった140RのS字カーブですが前進では先輪が脱線しやすいもののバックならばどうにかクリア可能。
 
 幸い?この個体には前にもアーノルドのカプラーが接着してあった(ですがダミーカプラーが外せなかったらしく2段カプラーになっていますが)のでバック運転の支障もないようです。
 カプラーのある先輪の首振り角もかなり大きいのでバックで運用する限りは十分な実用性です。
 これなら走行派、運転派にも満足がいきます。

 さて、ここまで凄いならジャンク箱を入手した時点で真っ先に自慢したかった(爆笑)ロコなのですがそうしなかったのには訳があります。

 つまり、それはこのC12が「何ともなければ」の話だったからです。

 実はこのC12、片側のメインロッドがひん曲がっていて走らせるにはロッドの調整が必要でした。
 KATOのロコの様なステンレスでなく、もっと薄くて強度の弱い板をロッド状に切り抜いたものらしくちょっとした事ですぐ曲がってしまうようです。
 もっとも動輪がロッドに連動して駆動する構造ではない様なので(第1動輪はロッドに接続すらされていません)ロッドが曲がりながらでも走ってしまうのが問題かもしれませんが(汗)
 かなり細くて薄っぺらいロッドの調整につい最近までかかっていたので(しかも完全とは言えません)恥ずかしくてこれまで紹介できなかったというのが正直なところです。


 
 ただ、それを差し引いてもこれほどの出来のC12の生産数が少なかったというのは(値段の問題もあるとはいえ)非常にもったいなかった気がします。
 このモデルは新車の時点で1万5千円位したと思いますがもしこれが5千円位の誰でも買える価格帯だったらその後のNゲージ自体が大きく変わっていたかもしれません。

 何しろKATOのC11をはじめマイクロのC10、C12ですら140Rのクリアが困難な上に図体が大きかったりプロポーションが変だったりで小型レイアウトで使いものになる小型タンク機がとにかく少なかったですから。
 今回見た限りでは中村のC12のネックは事実上価格だけだったと思えるだけに尚更残念です。

ジャンクの玉手箱から・ミニ蒸気機関車3題

2014-06-13 15:52:53 | 車両・蒸気機関車
 今回はジャンク箱のだぶり機種の話から。

 これまた当然の様に入っていたミニトリックスとアーノルドのT3形タンク機。
 いずれも60年代終わり頃から70年代前半にかけて当時のNゲージャーの定番機種だった機関車です。

 私自身同形機をここ2年位の間に入線させる事ができましたが、外国形の中では比較的中古ショップで見かけやすい機種ではあります。
 でもまさかその両方ともが同じジャンク箱に入っているとは(笑)

 この2機、プロトタイプは全く同じなはずなのにまるで別な機関車に見える所が面白い所です。
 アーノルドの方が実車のイメージに近いようですが、ミニトリックスもプロトタイプを離れてみる限りではそれほど悪い印象はありません。
 聞く所ではミニトリックスのT3は元々手押し玩具としてリリースされ(!)後に動力が内蔵されて同社初のNゲージモデルとして登場した経緯のあるモデルだそうです。

 その目で観れば結構いいディフォルメがされている感じもします。

 さて、このジャンク箱のT3、アーノルドの奴はモータが抜かれて自走不能、ミニトリックスもかなり使いこまれていたらしくスムーズとはいかない走りでした。
 ただ、西ドイツ製のいいところで何分か鳴らし運転をすればそこそこスムーズに走ってくれます。
 アーノルドのも重連用トレーラーと割り切れば決して悪くはありません。

 さて、小型蒸気と言うともうひとつ外せないのが76年リリースのトミーナインスケールのKSKタイプCタンク。
 やっぱりと言いますかこれも当然の様に入っておりました(笑)
 こちらは煙突が折れていたので最初はどうしたものかと思いましたが、幸い同じ箱の中に折れた煙突が落ちており割合楽にリペアできました。
 走行性はミニトリックスより良い位でそれなりに拾いものではあります。

 ところでこのジャンク箱からはもうひとつ大物の蒸気があったのですがそれについては次の機会に。