goo blog サービス終了のお知らせ 

高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

ミラノ通信2

2007年11月18日 17時49分50秒 | 海外事業展開グループ

1115日   昨日の疲れが抜けきらないうちに朝起きた。前日、夜遅くまで食べ過ぎ、飲み過ぎの反省から朝食は軽めに取った。カプチーノに生ハム、小さなパンを1個、ヨーグルトにフルーツ、それでも結構食べているか? ブログをホテルの電話を使ってアップしてみる。大変時間がかかる、これではとても写真をアップすることはあきらめよう、その日、その日の事を文章で上げ、写真は後日アップすることにした。その日のベストショット1枚に限定してアップできれば?

1115_053 9時半にホテルロビーに集合、メトロにて会場へ、昨日準備できなかったことを入念な打ち合わせしなくてはならない、レセプションに向けて、人の動線、時間的な流れを考えて着々と準備を進めていく、オープニングパーティーの時のテーブルの製作から、箸、紙皿、プラコップなど、ゴミが出たときの分別ゴミ箱まで作って行く。でも、1115_068 みんなでワイワイガヤガヤしながら、特に女性陣が居るとたわいの無い事で笑いあったりすると場が和む。一人、全体の指揮官を任せられた浜名さんだけが責任感と刻一刻と迫ってくるオープニングセレモニーへの重圧で強張っている。看板関係や全体のレイアウトもほぼ落ち着いた所で昼食休憩、今日は買出しに悦子と楓ちゃんがスーパーへ。フランスパンと生ハムを数種類、スライスチーズ、各自が自分でサンドを作って昼ごはん。マヨラーの由布さんが「マヨネーズは?」と聞くとケチンボの楓ちゃんが「もったいないので買いませんでした!」と。食後、私は大橋君とレセプションの出し物の一つである「四海波花篭」の製作の予行演習をしてみた。1115_1561115_1853  お客様の見る位置を想定して、動きや声を丹念に打ち合わせた。こういった細かい下準備が成功への第一歩なのだろう。お花も飾り付けられ、ギャラリーの外にも竹灯りの竹筒が100本ならべられる。今回の飾りつけなどのレイアウト担当は毛利さんだ。彼の指示で会場全体を作っていく。時たま、飾り付け途中にも時間を間違えたお客様が入り込んでくるが、丁重に後日来て頂く様お断りをして!

さて、いよいよ時間になった。16時~1830分がプレス対応の時間、19時よりオープニングレセプションの予定になっている。さて、本当にお客様が来てくれるのか?一人も来なかったらどうしよう?  以前、ミラノに在住していた日本食のシェフ新江氏に相談していた時、「アントニオ猪木のレセプションに料理を頼まれて作ったのだが、イタリア人プロデューサーは200人くらいお客が来るからと言っていたが、実際、始まってみたらお客様が5人だけしか来なかった。急遽、私達も呼び出されて全員で8人、料理は200人分、猪木が「元気だー!」とやっても元気が出ませんよネ」と脅されていた。本当にお客様は来てくれるの?せっかく大分からテレビ局も来ているのに、全然お客様が来なかったらシャレにならないよネ。16時~17時全然人が来ない!ますます、不安が募ってくる。17時くらいから、ポツリ、ポツリと記者やライター、雑誌の編集者などがやって来るようになった。だんだんと知り合いの人も入ってくる。以前から知り合っている波多野さんや彼が声を掛けてくれた友人たち、オーナーの招待客など少しずつ会場に活気が出てきた。やはり、イタリア時間だ。日本のように何時からスタートと言うとそれに合わせてみんなが集まってくるなんて事は無い。ダラダラと自分勝手に集まってくる。外の看板を見て面白そうだからと飛び込みで来ているイタリア人も居る。「良し、良しこれで何とかテレビ局が撮っても最低限の絵にはなる。」1830分、料理も届き、ワイン、お酒なども出され お客さんもどんどん入ってくる。私達作家4人もお客様の質問や対応に追われている。

1115_206  私の作品も現地の女性達から「これはいくらなの?」「売ってくれないの?」「素晴らしい!」「とても軽いわ!」「触ってみて滑らかさにびっくり!」「‥‥‥」「‥‥」次から次へと質問攻めだ。日本で個展をする時よりはっきりとした反応が返ってくる。嬉しい悲鳴だ!会場には何十人と動き回れないほど人が入っている。「ヤッター!」もうテレビ局どころではない。1115_2131915分くらいから毛利さんの出し物で1畳ほどの和紙に「絆」と書き込みが始まった。その後が私と大橋君とで大きな「四海波花篭」の製作、その花篭に油布さんが篭に手を付け、花を活ける。油布さんはお客さんが来ると言葉が通じないのでシドロモドロでウロウロするが竹ヒゴを持つと実に堂々と落ち着く。手に竹を持っていると普段の自分を取り戻すのだろう。まるで、コンセントを入れるとシャキッとなり、抜くとフニャとなるような感じだ。

1115_214 実に威風堂々と現地の花を活けこみ「私はこのギャラリーの木を切って、活け込む事で記念に残したい」などと油布さん独特のスピーチなどもはじめている。4人の作家の実演の後、ミラノ総領事がイタリア語で挨拶、その後、会を代表して大橋君が通訳を交えて挨拶した。しかし、会場は人、人、人で少し離れた所の人には声も届かなかったし、聞いてもいない!でも、そんな事どうでも良いくらい人が入ってくれて大成功である。ジェトロのミラノ支店の人たちも来てくれたが「今までジェトロが関わってこんなに人が入った催しはありません!」と本当に驚いていた。21時までごった返すような会場の賑わいが続いたが、2130分で閉場、やっと終った。「大成功」である。「万歳!ヤッター!」私も喉がからからで水を飲むことが出来たのも21時半、料理を見てみると一つも残っていない。それもそのはず、何人来るか?判らないので、立食式で50人分の料理しか注文していない。(日本で考えるほど沢山の量ではない)ワインを30本、日本酒3升、ソフトドリンク、あられなどの乾き物など‥‥。これでも多いのか?少ないのか?判らなかったのだが。結局、この日の来場者の数は180人を越えていた。日系人関係が30%くらい、現地のイタリア人が70%くらい、日本でもこんなに人が集まるレセプションは無いだろう。それほど、ミラノでは日本への感心が高いのと、現地スタッフである村山さんの事前広報活動、ジェトロミラノ事務所の協力などこれまでの下準備の結果である。本当にみなさんありがとうございました。

会場をある程度片付けホテルにぐったりとして返って来た。軽くシャワーを浴び、私はまだ興奮が冷め遣らないのか一人でワインを1本飲み干してしまった。心地良いまどろみを楽しみたいのだ!此処まで来るまでの2年半の積み重ねが走馬灯の様に次から次へと頭をよぎって行く。

竹工房オンセ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミラノ第1日目 | トップ | ミラノ通信3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

海外事業展開グループ」カテゴリの最新記事