後継者育成事業三日目、「次の授業までに編みヒゴを完成させてくること!」と宿題を出しておいた。
やはり、正解であった。1週間の間があったので、充分余裕を持って、全員が編みヒゴを完成させて晴れやかな顔で揃っている。
本日は、底編みと電気コテを使って、起こす事になる。
編むと云う事は、そんなに難しい事ではない。
ただ、最初は網目に目が付いていけないのだ。
見ていても、見えない。頭の中で、全体像が無いので、次に結びついた映像が無いので、間違いが判断できないのだろう。どんな世界でも、熟練者が見ると、「一目で違いが判る」と云うのは、長い年月の間に、いろんな角度から、全体像がインプットされており、その時その時、瞬時に違いが判るからだ。
真剣な表情で電気コテをあてる後藤君。今回のメンバーの中で、男性は一人だけである。元は事務系の会計の仕事をしていたそうだ。
「後藤君、ヒゴはどのくらい出来ている?」と聞くと
「はい、今出来上がったのが87本で、途中までのが42本です。」などと、いつ聞いても、細かい本数まで、言ってくるのが彼の性格を表している。
ヒゴ取りまで順調だった彼が、編みに入ってから、突然ペースダウン。
パソコンは、「何処か?一文字でも違ったら、先に進めない!」それと一緒で、彼の頭の中のコンピューターが、何処かが繋がらないでフリーズしたのだ。
片方の靴下が異様に長いのは何故だ?この靴下が今日の彼を表している。
もう一人、紹介。
元乗馬のインストラクターで、いつも元気な佐藤さん。前回のブログで、足に力が入りすぎていて、足でチョキを出していた娘だ。
眉間に皺を寄せ、険しい表情をして編んでいた。
その表情を取りたくて、カメラを向けたのだが、残念。カメラ目線に変わってしまった。
しかし、元気の良さはこの写真で取れました。「噴火した!」