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高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

茶篭

2007年11月07日 16時56分26秒 | 作品紹介

026 滋賀県、信楽焼きの陶芸家「上田光春 作品展」のDMが届いた。「オーソドックスな作陶ながら微妙に崩されたフォルムのバランスや手肌に触れた時の土の厚み」とある。誠実な人柄そのままの作風だ。もう一つの写真はその茶碗を入れる、古布で作られた巾着。奥様の作った巾着であろう。

この上田さんとは今年の春に大阪のデパートで知り合った。「抹茶茶碗を入れる茶篭を作って欲しい!」と依頼があった。その後8月にお兄さんと二人で私の工房を訪ねてこられた。篭のサイズと形を決め、2ヶ月ほど時間を頂いた。やっと、出来上がりサンプルを見て貰おうという時にこのDMが届いたのだ。

0011  楕円の茶篭と四角い茶篭、もう一つは古布の巾着を付けた底だけの篭、3種類違うタイプでのサンプルである。この茶篭の中に上田さんの抹茶椀を入れて、茶筅や茶杓、棗も上田さんの知り合いの作家に作ってもらうそうだ。こんな、依頼は受けても楽しいモノだ。0062

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箸袋

2007年11月06日 06時11分46秒 | 作品紹介

020「マイ箸運動」 が少しずつ見直されている。自分のお箸を持って、割り箸を使わない、自分の小さな主張、お洒落として!この「マイ箸運動」にも、賛否両論あって、人の意見はホントさまざまだなーと、思ってしまう。ネットで検索してみると

《マイ箸を持ち歩いて、<wbr></wbr>さも自分がエコロジカ<wbr></wbr>ルな意識が高いかのよ<wbr></wbr>うに装うためだけに利<wbr></wbr>用されては堪りません<wbr></wbr>。
そんな人が、建築資材<wbr></wbr>としてどれだけの量の<wbr></wbr>木材が消費されている<wbr></wbr>か、また、その消費量<wbr></wbr>と比べて、割り箸とし<wbr></wbr>ての消費量がどれだけ<wbr></wbr>僅かなものに過ぎない<wbr></wbr>かを知れば、そんなこ<wbr></wbr>とで満足している自分<wbr></wbr>が恥ずかしくなると思<wbr></wbr>います。》

《 中国からの木材の流通<wbr></wbr>を阻止しようとする、<wbr></wbr>日本の製材業者の意図<wbr></wbr>があるのかも知れませ<wbr></wbr>んし、今後の中国の木<wbr></wbr>材利権を狙って、日本<wbr></wbr>の商社が駆け引きの材<wbr></wbr>料に使っているのかも<wbr></wbr>知れません。》

また、《 現在流通<wbr></wbr>している割り箸の90<wbr></wbr>%以上は外国産で、割<wbr></wbr>り箸作りのために伐採<wbr></wbr>しているケースがほと<wbr></wbr>んどです。間伐のために切られて<wbr></wbr>いるものではないため<wbr></wbr>、森を育てるどころか<wbr></wbr>、緑を奪い、生態系を<wbr></wbr>崩し、砂漠化を加速さ<wbr></wbr>せています。
そういう点においては<wbr></wbr>外国産の割り箸は環境<wbr></wbr>負荷の高い商品である<wbr></wbr>といえます。ただ、多くの割り箸は<wbr></wbr>「割り箸のために伐採<wbr></wbr>された木」によって作<wbr></wbr>られていることは、ど<wbr></wbr>うか知ってください。<wbr></wbr>》

など等、いろんな意見が飛び交っています。自分の意見を押し付けようとすると、いやらしくなるから、私は「自分の楽しみとして、自分の気に入った使い易いお箸を持ち歩いてみたい!」こんな所でやってます。

024ネット販売で一番人気の「名入れ箸」を購入された方から、「箸袋を作って欲しい!」という要望が結構あります。以前にも、参考のために数点「箸袋」を買って来ていた。作りはいたってシンプルで三角形状に縫い合わせた布に頂点に結び紐を付けるだけである。

工房ではハンドバッグに取り付けている布の余り布が沢山ある。その布を活用して試作を始めた。余った布をパッチワークのように繋ぎ合わせて!花の模様を可愛くワンポイントに!リバーシブルにしては?飾り紐の先にこの玉を付けよう?あーだ、こーだ、と女性陣の話は盛り上がっている。私が考えると、「そこまで小さな布を張り合わせずに、もう少し効率良く、沢山作れる方法は無いの?」と思ってしまうが、この考えが男の考え?経営者の考え?どうもこの考えでは、女性心をくすぐる可愛い作品が出来無いようである。機能的で効率的より、無駄があっても、作るのに大変でも「まず、可愛い物!」 

取り合えず、200個ほど作ってみよう、余り布自体はタダでも、製品化していく内には、余り布でなくなって原価計算しなくてはいけないし、手間が掛かりすぎて単価が高くなりすぎても商品としては問題がある。「まー、お客様の反応を見てみよう」と言うことで落ち着いた。

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餌ふご その後1

2007年10月25日 08時57分30秒 | 作品紹介

4 今年の2月に依頼のあった「餌ふご」。

やっと、忙しいシーズンを終って、以前から溜まっている特別注文品の製作に掛かる。この写真の作品は、一昨年、鷹の餌を入れる「口餌篭」を製作したお客様からの追加注文で、「餌ふご」と言う。現品は無いので、東京の「民芸博物館」に飾ってある物を見に行って、こそっと写真を取ってきたり、博物館で穴が開くほど見た来た物だ。http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20070224

こちらは鷹の餌を入れるのではなく、鷹が取ってきた獲物を入れる篭のようだ。取ってきた獲物を頭から逆さまに入れるそうだ。特殊な篭なので一般的には作品は残っていない、文献を探して大体の大きさと、博物館で見てきたのを参考に作ることになる。

Photo シンプルで力強いフォルムの篭である。編むことはそんなに難しい事ではないが、プロペラのような形をした竹ヒゴを作ることが非常に大変だ。巾6センチほどの平らな形を作り出す事が難しい。考えて見て下さい。竹は丸いんです。巾6センチにするということは丸いノミで竹の身の部分を少しずつ削って行き、薄くして割れない様に押し広げる。此処までが一番難しい所だろう。後は出来上がったパーツを火であぶり曲がりを付けていく。

いきなり本番では大きさや形がわからないので厚紙で竹ヒゴの模型を何枚も作り試作していくのである。今はその状態である。これから本番の竹ヒゴで製作に掛かり、最後に口回りを漆で固めていく事になる。まだ、出来るか?どうか?判らない!今回、この復元モデルを担当しているのは工房一番の粘り腰の遠藤君が担当している。彼は工房に入って来た時、手が遅くて遅くて、大丈夫だろうか?と心配していたのだが、6年間こつこつ、コツコツと技術を磨いて来た。人より遅い分確実にモノにしていっている。職人には二通りのタイプが居り、閃きで作品作りできるタイプと、亀のように着実に進んで行くタイプだ。作品が出来上がった時にまたブログにアップします。

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名入れ箸

2007年09月29日 12時09分48秒 | 作品紹介

私の工房ではインターネットで販売もしている。その中で一番人気は「名入れ箸」である。

http://take-once.com/SHOP/62298/list.html

お箸とはそもそも竹冠に者と書く。恐らく、漢字が出来た古代中国でもお箸は竹で作られていたのだろう?竹は軽く、滑りにくい、繊維が通っているので真っ直ぐなお箸が出来る。しかし、本当に美しいお箸を作ろうと思うと至難の技だ。日常使う物だけに、ほんの0.何ミリでも左右が違うと違和感があるのだ。いま、私の所で「名入れ箸」にしているのは、いろんな箸がある中、使いやすさではNO1の物ではないか?と自負している。

Cimg4993 先日、広島のお客様から20膳余り、お別れ会の食事会に「名入れ箸」の注文を頂いた。そのお客様からまた、電話があり、大変喜んで頂いた報告と(お客様の言葉をお借りすると)

「お別れ会で使ったのですが、「名入れ」の事は言わずにテーブルに置いていたんですよ!、途中で女の人が気付いて、それから大騒ぎ。」みんなが喜んで「料理で感動したことは今まであったけど、お箸で感動したのは初めてだ!」と言われた。

何も言わずに置いてあり、お客様が気付くのを待ったシチュエーションも良かったようですね。

Cimg4994御本人もお別れ会の盛り上がりがまだ続いているようなお電話を頂き、聞いている私も嬉しくなりました。

その時参加できなかった方の1膳の追加注文と余分に彫るお名前はお任せで追加注文を頂きました。いろいろ、考えたあげく、誰にプレゼントされても差しさわりの無いよう、秋の花を彫って送らさせて頂きました。秋桜、桔梗、撫子、吾亦紅。

ありがとうございました。

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注文品

2007年08月28日 06時59分24秒 | 作品紹介

今日から、浦和伊勢丹での「大九州展」に出店のため、東京に出発します。昨日は8月末までに請け負った注文品を仕上げて発送作業。通常の作品の追加オーダーであれば、問題なく製作時間だけ頂けば作り上げます。しかし、全然別個の「お客様の頭の中」だけにあるものの注文品には苦労するのです。まず、素人の方はサイズをはっきり言わない。「ちょっと大きく、ちょっと高く」という表現をする。これが一番曲者で、実際作って見ると「こんなに大きくない!」とかノタマウ。次に困るのが色の問題だ。「この色で」と指定を頂くのだが、相手が天然素材の分、同じ染料で同じ条件で染めても、元の竹の質によって染め上がりが若干違いが出てくる。それなのに、別注品で一個だけ染めるとなると、近い色は出るのだが全く一緒にはならない。その所を事前に説明するのだが、中には判って貰えない時もある。以前にも 「乱れ編みの篭」の注文のとき「これは景色が違う」と言われ「えっ!」(乱れ編みとは、ざっくりと規則無くその時その時の雰囲気で差し込んでいく篭)外形とか、サイズは同じなのだが、「景色が違う」と言われた時は思わずこちらも「景色とは何ですか!」と言いたくなってしまった。

_001_18この作品もお客さまの注文で、もともとの篭はもっと口の狭い、寸胴型のフリーバスケットであるのだが、「もっと口を広げてボリューム感のある物に!」という要望である。注文を受ける時も「えー、そんなんの大丈夫?」と思ってしまったのだが、作り上げて見ると案外面白い物に仕上がった。大きさは横幅51センチ、まち巾25センチ、本体の高さが17センチくらいの堂々とした物だ。この大きさで13000円は安く請け負いすぎてしまったかな?

「瓢箪から駒」で此処から新しいシリーズが出来るかも知れない?もう少し大きくして脱衣篭?猫を入れる篭?  簡単な作りでボリュームを持たせて。オフシーズンに練り上げてみよう。

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茶籠を尋ねて!

2007年08月26日 07時52分00秒 | 作品紹介

先日、滋賀県で信楽焼きをしている上田さんからメールを頂いた、この方は5月に大阪の阪急デパートで出展している時にお客様として来られ、「自分の作っている抹茶椀を入れる茶籠を作って欲しい!」と相談を受けていた。その時、「具体的になりましたら、相談に行きます。」と言っておられたのが、今回のメールになったのだ。

Cimg4914_1 Cimg4915 「茶籠」とは、屋外で簡単にお茶が点てられたらと、抹茶椀と建水、棗に茶尺、茶筅などを入れる篭の事である。現在、お茶道具屋さんやインターネットなどで販売されている安価なものはほとんどが中国製やベトナム製の物が多い。

Cimg4913  久留米出身の方で、法事のため九州に来られたついでに、足を伸ばして遣って来てくれた。久留米に住んでいるお兄さんとお二人でお出でになった。「こんな所に人が住んでるのか?お前はきっと騙されたんだ!」などと、半信半疑で山道に入ってきたらしい。

お二人とも実に楽しいご兄弟で、話していることが底抜けに明るい。工房の中をワイワイ言いながら見て頂き、話が弾んだ。お互いに構える所が無く、旧知からの友人が訪ねてきたような感じだ。無事、お仕事の依頼の件も打ち合わせできた。これからも長いお付き合いがしたい物だ。

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どうしても、納得できない!

2007年08月11日 04時28分13秒 | 作品紹介

81_007 お客様からの注文でアタッシュケースを頼まれていた。しかし、この半年以上、忙しいシーズンに突入したこともあり、手付かずで放っておいた。先日、お客様から、どうなりましたか?と電話が入り、出来上がっていない旨、お詫び申し上げた。

また、引っ張り出して来て、この写真はサンプル編みの物で、大きさとか編み目の割り出しに作っているサンプルの物だ。もう一組はもっと編み目の細かい本番のものが縁を付ける前まで出来上がっているのだが、金具を付けた時点から、ストップしてしまっている。特別誂えで、彫金の作家さんにオーダーで作って貰った止め金具と丁板、純銀製の金具であるが、お客様のイメージと私のイメージ、彫金作家のイメージがどうしてもシックリ来ないのだ。取り付けてみて、どうしても納得できない。見ていて、美しさがない。竹の素材感は弾力であり、持ったときのしなやかさ、手触りの優しさであるのだが、金具を付けると機能的にも相当問題が出てきてしまった。

81_005 金属や木で作ったアタッシュケースは硬い素材なので、蓋底がかみ合ったとき、動くことはほとんど無い。しかし、竹の場合は弾力がある分、左右に若干の動きがあるのだ。手で左右に揺り動かしてみると、止め金具がビヨンと外れてしまう。(止め金具の構造にも問題があるのだが、いまさら作り直すわけにもいかず、頭を抱えている。)

この後、持ち手の取り付けと置いた時の足になる部分の取り付け、8箇所ある角の補強の取り付け、内布張り、となるのだが、このまま、本番の作品作りに進んでも、良いものが出来る核心が全く持てない。

お客様のオーダーをなるべく汲み上げて、作品作りをしなくてはいけないのだが、今回のアタッシュケースはどうしても素材的に無理があるのだろうか?大変申し訳ないが今回はココまでの経緯と試作品を見ていただいて、お断りするしかない。私自身も悔しいのだが、納得できない物を中途半端な形でお渡しすることは出来ない。そんな、事をすると、その作品に出会うたびに「後悔の念」に囚われてしまう事になる。

潔く、「○○さん、ごめんなさい」とお詫びしよう。

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ランドセル2

2007年07月03日 06時54分35秒 | 作品紹介

_3_2 先日紹介したランドセルが出来上がりました。黒い皮の蓋が付き、背負い紐も少し太めで、そこの部分にも磨り減らない無い様金具を当て、バッチリの仕上がりです。若き職人「遠藤君」に拍手です。蓋の上にも手提げの持ち手が付いて、お洒落です。

出来上がったバッグを見て、みんなであれやこれやの批評会。新しい可能性が一杯詰まった作品です。お客様の注文が新しい作品のヒントを一杯く_2_3れる物です。今、試作しているのは、名古屋のお客様からの御注文で「薬入れ」。そんなものが居るのか?と思いましたが、御年配のお客様で沢山の薬を飲まなくてはならない、種類別に薬を入れておける小箱を作ってほしいと御注文頂いた。 (この写真に遠藤君は出ていない、回りでワイワイやっている連中だ。)

直接デパートやギャラリーでお客様の要望や不満を聞くことが一番作品作りのヒントがある。12年前に最初に「竹のバッグ」の注文を貰った時は、まさかこの竹バッグがこれほど竹業界を代える作品に成長するとは夢にも思わなかった。京都の〇長斎などは「こんなもの売れるはずは無い!」と言っていたが、しかし今は、「売れるから」と中国で作らせて国産品で販売したり、ルール違反を平気でする。せっかくの日本の伝統技術を食いつぶすようなことはしなさんな!私達の仕事は儲けを追ったらダメなんで、適正規模、適正利潤を踏まえて長く続けていかなくてはならない。でも、もう少し、伝統工芸に携わる職人の収入も上がるようにしなくては!

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ランドセル

2007年06月12日 04時40分52秒 | 作品紹介

お客様からの注文で「ランドセルタイプのバッグを作って」と言われて試作中です。最初は「背中に密着したランドセルタイプは形の硬い竹では合わないのでは?」とお答えしたのだが、「どうしても、作ってほしい!」ということで、試作しているところです。担当は工房一の粘り腰の遠藤君、作ってはやり直し、作ってはやり直す、相当な忍耐が要る仕事です。

_3_1 本体の竹の部分が出来上がり、今は蓋の部分や持ち手になる、皮の部分の調整に入っている。手の長さをどれくらいにするか?型紙で皮になる部分を作り、実際に背負ってみる。今は白い型紙だが、実際はバッグと一緒の黒の皮が付く。なんとなく行けそうだ。皮の部分の形状とどこに取り付けるか?強度の問題はないか?など細かい打ち合わせをして、彼に任せた。もともと、彼が考案した書類入れを見て、「このバッグを背負えるようにして欲しい」と御注文頂いたものなのだ。

私の工房では、工房の作品として販売して後のアフターフォローなどメンテナンスを安心して使っていただいているが、作品には作った人のデザインを尊重して、デザインを起こした人にデザイン料も還元している。それでないと、新しい作品のアイデアも出てこないし、特に若い人の将来を考えると、こういった試作が一番育ててくれるのだ。

_2_2同じバッグを背負っても、スマートな月足さんとでは随分印象が違いますね。

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旅篭シリーズ

2007年05月12日 18時14分23秒 | 作品紹介

_0091 携帯電話入れが大変好評だったので、今そのシリーズの商品開発をどんどん進めている。先ず、見た目が可愛い事、使い勝手が良い事、買い求め易い値段である事、しかし、安物作りはしない、それとすべて自社生産すること。

竹のタバコ入れとか、小物をよく他店で見かけるがほとんどが輸入物を最後だけ国内仕上げしたものを「国産品」とごまかして販売しているものばかりである。

_003_9 消費者の方にもお願い、「国産で手をかけた、特に小さい物はある程度のお値段を出さないと買えません。だって、あなたと同じ日本で生活している職人さんが作っているのだから。」私たちも少しでも安くお客様にお渡ししたいという思いは重々あります。しかし、価格だけに比重を置いてしまうとどうしても安くするためどこかで手を抜かなくてはいけなくなります。その結果、ちょっと安かったけれど、作品に深みがないのでその内飽きられてしまう。それよりは、本当に手を掛けて適正な価格で正直に作ったものは、やはり、持ちもよく(大体30年を目安)、魅力ある作品になります。絶対、中国で作らせたものを「どうせ消費者は判らないのだから」と騙す様な事だけはしてはいけない。

小っさな篭がころころと転がっている。今は彼女の手から一つ一つ編み込まれ、皆さんの手元に届くまで一生懸命作っています。

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時代籠エクストラバージョン

2007年05月09日 19時06分32秒 | 作品紹介

5_019 私のホームページにも掲載している「時代籠」。ちょっと古い時代箪笥をイメージして作ったバッグの中では一番大きなタイプである。通常タイプは濃い茶に染められ漆を塗って仕上げていくのだか、この籠は編み目は染めない薄茶色で、縁とか足、飾り竹、手は染めたものという。作るのに相当苦労する。染めるパーツだけ別に作り染め上げた後組み立てていく。漆も通常であれば何の気にすることもなく塗り上げていくのであるが、今回は染めた部分と染めない部分を別々に刷毛も代え、塗る時期も変えなくてはいけな5_021_1 い。飾りも特別に取り付け、昔らしさを出したものである。今年のイタリアでの展示会に参加させようと思っている。巾着部分にも伝統工芸品である大島紬の龍郷柄を使った。

そのうち、飾りをこれでもか!というほどコテコテにした籠を作ってやろ。

竹工房オンセ

5_020

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ロイヤル・セレクション

2007年04月17日 09時16分17秒 | 作品紹介

Pim0001_1 4月に発売されたロイヤル・セレクションに私の作品が掲載されている。

《 時を越えて愛される「一流品」というステータス 》とこんなうたい文句で。

昨年、一昨年と家庭画報でも、私の作品が大きくクローズアップされてきた。一流雑誌には信用力もあり、家庭画報を見て私の作品を知っている方もたくさん居られる。「美容院でセットをする間、家庭画報を開いていたら高江さんのバッグが出ていた。」とか「届いた雑誌の表紙がオンセのバッグだった。」など、お客様からよくお便りを頂く。ありがたいことだ。

通販を通じて買って頂いた方とは直接お話できないが、あなたに買って頂いた作品は5年間修理保障していますので、安心して使ってください。5年以降でも修理代実費で何時まででもお直しいたします。

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携帯電話入れ

2007年04月16日 05時22分23秒 | 作品紹介

_2 奈良県のアッチキチさんからのリクエストで携帯電話入れを作って見た。まだ、サンプルの段階である。携帯電話の大きさまで編み上げる事も出来るのだが、(編み上げること自体はそんなに大変なことではない)しかし、高くなると小さいので底まで指が届かなくなる。届かない分ピンセットを使って籐飾りを付けたりするのが大変なのである。2ミリくらいの大きさの穴を開け、そこに1.8ミリ巾の籐をピンセットを使って通していく、最後は2本のピンセットを使って籠の中で結ぶ。外科医の先生が顕微鏡を覗きながら手術をす_6 るほどではないが、やはり大変である。高さを短くして籠を作る部分をなるべく簡単に出来るように!

上の布には大島紬を使ってみた。赤い山珊瑚のボタンを取り付けて出来上がり。これは中々いける。タバコを入れても、デジカメを入れても丁度いい大きさである。また、お客様の持っている携帯やデジカメに合わせたオーダーメイドの作品としても喜ばれるだろう。

自分だけしか持っていない物を欲しがる方が多いのだ。これは今年11月にミラノでする展示会にもシリーズでいろいろ作って持っていこう。

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亀甲編み手提げ籠

2007年04月15日 06時55分20秒 | 作品紹介

_006_8 熊本の竹屋さんからの注文で、1枚の写真が送られてきた。雑誌に載っていた亀甲編みのバッグを見て、「こんな感じのものが欲しい」との依頼であった。

亀甲編みというのは目の積んだ編み方で、強度もあるので盛皿など平面的な作品に使うことが多いのだが、バスケットのように立ち上がって立体的にするには大変手のかかる編み方である。

勉強のため、ということで引き受けた。工房のミーティングで「誰かこの依頼を勉強するつもりでやってみるか?」と問いかけてみた。若い「E」君が「私、やります。」と名乗りを上げた。

最初の試作品というのは、以前私のブログで「犬のキャリーバッグ」を作った時にも書いたのだが、普段の仕事の3倍くらいの時間と労力を使う。今回も編んでは解き、縁を付けてはやり直し、手をつけるにも何回も何回も付け直した。やっと出来上がったが、試作1作品目ではどうしても_009_7 彼は気に入らないのだろう。「もう少しヒゴを薄くして編み目を細かく作り直したい!」と言う。ここは彼の良い所だ。

右が最初に作った作品、左が目を細かくして作った2作目である。職人の立場で見ると左の方が編み目も細かく作るのに大変と判っているのだが、面白いことに、工房の女性陣に「どちらが好き?」と聞いてみると、5人全員が右を選んだ。彼女たちにしてみれば、作る大変さより、自分が持っているところを想像すると右の作品が良いと言う。こんなところが売れる作品になるのか?ならないのか?のヒントがある。

竹工房オンセ

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犬のキャリーバッグ

2007年03月25日 06時40分05秒 | 作品紹介

072_065_1 これはお客様からの注文で作った犬のキャリーバッグである。新しい物を作る時は普段作っているものの3倍以上の時間と労力が掛かる。この作品も1年間掛かってしまった。特に今回のような本体と蓋と窓という様に3パーツに別れているものは大変であった。

まず、最初に編みの試作をして全体のヒゴの長さ、本数、厚みなどを割り出していく。下染をしたヒゴを編み上げ本体と蓋、窓を別々に染め上げる。熱を加えると形が変形するので合わせてみて微調整、それぞれを漆仕上げしたものを籐などを使って組み合わせていく。最後に組み合わせた部分を漆仕上げして完成した。

本体の部分は目の積んだ網代編み、蓋の部分は犬が真っ暗で怖がらないようにと、隙間のある四つ目編みで、顔を出せるように蓋の三分の一くらいの窓を付け、開閉できるように‥‥。

072_074_1072_078_2 蓋を中から犬が持ち上げ開かないように。開けた蓋が勝手に閉まらないように開いた状態で止まるように。中から犬が引っかいても良いように壁を作り、洗濯できるように布で袋を作り、取り外しできるように。等等‥‥。

金具屋にいって部品を買ってきたり、磁石で蓋が止まらないか?とか試行錯誤の末、竹の弾力を利用した止め具ができた。なかなか自分ながら気に入っている。まだまだ、実際に使ってもらい、犬の習性なども考慮したキャリーバッグができると良いのだが。

新しい物を作るとき、何回も失敗をするのだが、その失敗が後から自分の財産になってくるのかも知れない。今もアタッシュケースと携帯電話入れ、アイポッドケースなど頼まれているが、小さい物は指が入らないのでピンセットを使って籐飾りの穴に通したり、結んだりしなくてはならない。あー、頑張らねば。

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