この写真は鷹の取った獲物を入れる、鷹匠が腰にぶら下げている籠である。現在日本には数グループの鷹匠の集まりが残っているそうだ。以前、鷹の餌を入れる「口餌籠」というものを注文されて作ったことがある、そのお客様から今度はこの「餌ふご」を作ってくれと依頼があった。
現品は東大駒場前にある「日本民藝館」にあるという。丁度東京に来ていたので新宿から足を伸ばして民芸館に行ってみた。確かに見ていると何百年という歳月を越えた力強さと美しさが伝わってくる。そぎ落とされた用の美、技術的にも大変高度な技術である。プロペラ状に加工した6枚の羽をたくみに組み合わせ、シンプルな上に凛とした美しさがある。なんとも言えない作品だった。この作品は江戸時代中期のものらしい、300年近く経ち、あめ色に変色していた。これを復元するのは並大抵のことではなさそうだ。
民芸館の方に事情をお話すると、丁寧に対応していただき資料を探し出してきて頂いた。「是非、再現して下さい」と励ましを受けて帰ってきた。大分に帰ってから挑戦してみよう。ありがとうございました。