帰国いたしました。
別段、何も変わったことはなかったが、飛行機の遅れで丸1日、潰してしまったのが
痛かった。
その日は、タイのチェンマイからバンコクへ移動する日だった。予約している飛行機は
午前10時発の便で、予定では1時間後の11時にはバンコクへ着くはずだった。
飛行機は定時に出発した。しかし、滑走路を移動中に突然止まって動かなくなった。
10分後、「トラブルのため、駐機場へ戻ります…」とのアナウンスがあり、駐機場へ引
き返すことになった。駐機場で待つこと10分、なんでも故障部分のパーツをバンコクから
取り寄せるので、全員荷物を持って、ターミナル内へ戻されることになった。
この時、全員が「次の便に振り替えてもらわないとマズい!」と思ったようである。
多くの人が、カウンターへ殺到していくのが見えた。けれど、私はトイレに立ち寄ったため
すっかり出遅れてしまった。
カウンター前では、責任者らしき人から、「次の12時の便には、20席しか空席がありません。
その次は14時の便、その次は15時30分の便に振り替えます…」と説明があった。そしてまず、
ビジネスクラスとマイレージの上級会員が優先され、あとは並んだ順だという。そして最初
の便の20席は、すぐに無くなった。
私はトイレなんかに行っていたので、すっかり後ろの方になってしまっていた。40分ほど待
たされ順番が回ってきた。私の前の人は14時の便が確保できたようだった。
早々、尋ねると、14時の便にまだ席があるという。「では、お願いします…」と伝えようと
した時、カウンターの電話が鳴った。
「今、連絡があって、故障していた便が治り、この便が13時に飛ぶのですがどうしますか?」と、聞かれた。
「どうもこうもない、13時の便に決まってるだろ!」と思ったが、同時に「なんてラッキー
なんだろう…」と密かにほくそ笑んでいた。
しかし、これが運の尽きだと、後で知ることになる。
結局、私の後ろ以降に並んだ人、およそ50人程度だけがこの恩恵にあずかれて、先に並んで
いた14時出発の人より、先に行けることになったわけである。
さらに、タイ航空は混乱を避けるためか、この件の案内放送を一切しなかった。すれば14時
の席を確保した人が怒りだす可能性もあったからだと思われる。なんだか、いかにもタイら
しいけれど…。
私たちは一番はずれのゲートから、何の案内放送もない中、ひっそりとバスで飛行機の元ま
で運ばれて、機内に乗り込んだ。200席の飛行機におよそ50人しかいないのでガラガラである。
そして13時定刻に出発した。
しかし、「まもなく離陸します…」と、アナウンスがあった直後、再び、滑走路上で飛行機が
止まった。嫌な予感がした。
10分後、機長から「トラブルがあったため、再び、駐機場へ引き返します…」とのアナウンス
があった。何のことはない、直っていなかったのである。
「アホ機長、完全に直ってから呼べよ!」このとき、全員がそう思ったはずである。
その後、私たちは駐機場で30分も待機させられた上、再び空港内のターミナルに戻されることに
なった。そしてそのタイミングで14時の便が飛び立っていった。
なんのことはない。後ろの方に並んだ私たちは、結局、順番通り15時30分の便に乗ることになっ
たのである。
しかし、「あの時、電話さえかかってこなかったら…」と思うと大変、胸くそ悪かった。
その後、私たちおよそ50人は15時30分の便に振り替えられたが、結局、朝9時に最初のチェック
インをしてから6時間半も待たされたのである。いや、正確に言うと、この便はさらに40分も遅
れ16時10分に出発した。結局、7時間以上も待たされたことになる。
どうしても悔しさが納まらず、ミールクーポンでも要求しようと一人でチェックインカウンター
へ向かうと、そこには同じ立場のイスラエル人、3人組が先に要求をしていた。
結局、私たち4人は、空港内のタイ航空が経営するレストランで食事と飲み物を出してもらったが、
他の人らは、誰も現れなかった。まったく言わなきゃ損で、言ったもの勝ちのような対応は酷い。
こんな時、日系の会社ならおそらく全員に同じような対応をするのではないだろうか。
で、バンコクに着いたのが17時20分。空港を出てエアポートリンクに乗り、ホテルに着いたのは
18時半を過ぎていた。
今朝、チェンマイの空港に着いたのが9時ちょうど。あれから9時間半。
今日は何もしていない…。
空が赤く染まり、1日が終わろうとしていた。
CENTER>
別段、何も変わったことはなかったが、飛行機の遅れで丸1日、潰してしまったのが
痛かった。
その日は、タイのチェンマイからバンコクへ移動する日だった。予約している飛行機は
午前10時発の便で、予定では1時間後の11時にはバンコクへ着くはずだった。
飛行機は定時に出発した。しかし、滑走路を移動中に突然止まって動かなくなった。
10分後、「トラブルのため、駐機場へ戻ります…」とのアナウンスがあり、駐機場へ引
き返すことになった。駐機場で待つこと10分、なんでも故障部分のパーツをバンコクから
取り寄せるので、全員荷物を持って、ターミナル内へ戻されることになった。
この時、全員が「次の便に振り替えてもらわないとマズい!」と思ったようである。
多くの人が、カウンターへ殺到していくのが見えた。けれど、私はトイレに立ち寄ったため
すっかり出遅れてしまった。
カウンター前では、責任者らしき人から、「次の12時の便には、20席しか空席がありません。
その次は14時の便、その次は15時30分の便に振り替えます…」と説明があった。そしてまず、
ビジネスクラスとマイレージの上級会員が優先され、あとは並んだ順だという。そして最初
の便の20席は、すぐに無くなった。
私はトイレなんかに行っていたので、すっかり後ろの方になってしまっていた。40分ほど待
たされ順番が回ってきた。私の前の人は14時の便が確保できたようだった。
早々、尋ねると、14時の便にまだ席があるという。「では、お願いします…」と伝えようと
した時、カウンターの電話が鳴った。
「今、連絡があって、故障していた便が治り、この便が13時に飛ぶのですがどうしますか?」と、聞かれた。
「どうもこうもない、13時の便に決まってるだろ!」と思ったが、同時に「なんてラッキー
なんだろう…」と密かにほくそ笑んでいた。
しかし、これが運の尽きだと、後で知ることになる。
結局、私の後ろ以降に並んだ人、およそ50人程度だけがこの恩恵にあずかれて、先に並んで
いた14時出発の人より、先に行けることになったわけである。
さらに、タイ航空は混乱を避けるためか、この件の案内放送を一切しなかった。すれば14時
の席を確保した人が怒りだす可能性もあったからだと思われる。なんだか、いかにもタイら
しいけれど…。
私たちは一番はずれのゲートから、何の案内放送もない中、ひっそりとバスで飛行機の元ま
で運ばれて、機内に乗り込んだ。200席の飛行機におよそ50人しかいないのでガラガラである。
そして13時定刻に出発した。
しかし、「まもなく離陸します…」と、アナウンスがあった直後、再び、滑走路上で飛行機が
止まった。嫌な予感がした。
10分後、機長から「トラブルがあったため、再び、駐機場へ引き返します…」とのアナウンス
があった。何のことはない、直っていなかったのである。
「アホ機長、完全に直ってから呼べよ!」このとき、全員がそう思ったはずである。
その後、私たちは駐機場で30分も待機させられた上、再び空港内のターミナルに戻されることに
なった。そしてそのタイミングで14時の便が飛び立っていった。
なんのことはない。後ろの方に並んだ私たちは、結局、順番通り15時30分の便に乗ることになっ
たのである。
しかし、「あの時、電話さえかかってこなかったら…」と思うと大変、胸くそ悪かった。
その後、私たちおよそ50人は15時30分の便に振り替えられたが、結局、朝9時に最初のチェック
インをしてから6時間半も待たされたのである。いや、正確に言うと、この便はさらに40分も遅
れ16時10分に出発した。結局、7時間以上も待たされたことになる。
どうしても悔しさが納まらず、ミールクーポンでも要求しようと一人でチェックインカウンター
へ向かうと、そこには同じ立場のイスラエル人、3人組が先に要求をしていた。
結局、私たち4人は、空港内のタイ航空が経営するレストランで食事と飲み物を出してもらったが、
他の人らは、誰も現れなかった。まったく言わなきゃ損で、言ったもの勝ちのような対応は酷い。
こんな時、日系の会社ならおそらく全員に同じような対応をするのではないだろうか。
で、バンコクに着いたのが17時20分。空港を出てエアポートリンクに乗り、ホテルに着いたのは
18時半を過ぎていた。
今朝、チェンマイの空港に着いたのが9時ちょうど。あれから9時間半。
今日は何もしていない…。
空が赤く染まり、1日が終わろうとしていた。
CENTER>