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「直木三十五伝」を読む

2005-09-06 10:10:23 | 学 び
一時
 「直木賞」「芥川賞」は誰でも知っている有名な賞である。
 芥川については多くの作品でお馴染であり、その人についても広く知られているが、直木については作品も人柄についても案外知られていないのではなかろうか。
  本を読み彼の人となりを知ることが出来て大変勉強になった。
  奇人変人ながら当時の作家、映画人、新聞・雑誌の編集者等々多くの人々との交友があり、囲碁、将棋、マージャン、競馬等の勝負ごとも好み、多くの女性との交流も相次いだ。
  明治45年21歳の時6歳年上の女性と同棲のち入籍するも42歳で離婚、一方31歳の時長年にわたり愛人として過ごす女性を知る。
  また物凄く金遣いが荒く、珍しがり屋で外車に乗り飛行機にも興味を持ち絶えず借金に追われていた。彼の碑に〝芸術は短く 貧乏は長し〟があるほどである。
  執筆の速度は凄まじいほど速く多くの作品を方々に発表、小説雑文その数700編におよぶ。
  昭和9年43歳の若さで死去。翌年親友の菊池寛により「直木三十五賞」が制定され、第1回の受賞者は直木の友人でもあった川口松太郎である。
  この本は直木の甥によって書かれている(植村鞆音著 文芸春秋 1800円)。
  兎に角面白い、長谷川伸が嘗て「昭和畸人伝」を編む人があれば、第一にあげねばならない稀有の人物だと言っている。
  また吉川英治には「直木という人は、われわれの持っていない血液でも持っているのではないか」と言わしめている。

  以前、私が「直木三十五記念館」を紹介しているのでご覧下さい。
  目次(上の)から「空堀探訪」へお進み下さい。
  直木三十五記念館
コメント
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