世界で一番好きな場所は?と訊かれたら、多分ぼくは本屋と答えると思う。劇場も好きだが、劇場は目的地。本屋は出発地。学生時代一冊の文庫本を買うのにかなりの時間を費やした。何度も手にとっては、考え、既に数冊手にしているのでどうしようかと考える。結局買って、何か悪いことをしたような気持になって帰る。迷わず買った本より先に、迷った方を先に読んでしまう。そしてそれが正解だった時の嬉しさ。
最近は本屋でじっくり選べない。子どもと行くことが多いからだ。それと本を読む時間がないから、本気で探さない。田舎の本屋には演劇関係の本はなく全て注文してるので、演劇関係はコンスタントに手に入れている。そして小説を余り読まなくなった。特に現代小説は殆ど読まない。
重松清の『カカシの夏休み』も一回は手にして、結局置いて帰った一冊。先日また手にして、迷った本は正解ということを思い、買った。3篇が収められていて、その表題作を読んだ。面白い。「帰りたい、あの場所にー。」という腰巻の言葉で、これはもしかすると脚本に使えるかもしれないと思ったのだが、脚本の材料探しよりも、小説の面白さに引っ張られてしまった。
主人公は小学校の教師。
「中途半端におとなで、こどもで、大袈裟に言えばそれが一瞬ごとにめまぐるしく切り替わる。だから、いつも不安定で、危なっかしい。海水と真水が入り交じる河口のようなものだ。複雑な水の流れは、外からではわからない。甘く見て飛び込むと、渦に巻き込まれたり詰めたい水の層から抜け出せなくなって、おぼれる。」
印象に残った部分。
最近は本屋でじっくり選べない。子どもと行くことが多いからだ。それと本を読む時間がないから、本気で探さない。田舎の本屋には演劇関係の本はなく全て注文してるので、演劇関係はコンスタントに手に入れている。そして小説を余り読まなくなった。特に現代小説は殆ど読まない。
重松清の『カカシの夏休み』も一回は手にして、結局置いて帰った一冊。先日また手にして、迷った本は正解ということを思い、買った。3篇が収められていて、その表題作を読んだ。面白い。「帰りたい、あの場所にー。」という腰巻の言葉で、これはもしかすると脚本に使えるかもしれないと思ったのだが、脚本の材料探しよりも、小説の面白さに引っ張られてしまった。
主人公は小学校の教師。
「中途半端におとなで、こどもで、大袈裟に言えばそれが一瞬ごとにめまぐるしく切り替わる。だから、いつも不安定で、危なっかしい。海水と真水が入り交じる河口のようなものだ。複雑な水の流れは、外からではわからない。甘く見て飛び込むと、渦に巻き込まれたり詰めたい水の層から抜け出せなくなって、おぼれる。」
印象に残った部分。
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